転勤族のいばらきブログ

全国住み歩いたサラリーマンの目から自分の趣味を紹介します

正月に 「ヘヴン」 を読んでみた

2010-01-03 22:21:01 | 
大晦日から今日までは、両親と妹家族に会いに横浜の実家へ帰っていた。

といっても、すっかり出不精になっている父親とは外出するようなことはなく、食べてばかりの退屈な正月だった。

よって、「1Q84」と並ぶ昨年の話題作、川上未映子の「ヘヴン」を買って読んだ。

この小説については、世間の評判になっているということは知っていたが、全くどのような小説なのか知らずに買って、読み始めてしまった。


読んだ人はわかるだろうが、この小説は「18禁」ものだ。高校生までは読まない方が良い。生半可読みやすいから中高生でも読めてしまうが、親は読ませないことを強く勧める。



この小説は、いわゆる中学生の苛め(いじめ)に関する物語だ。苛められる側と苛める側の心理を痛いほど突いている。

今の20代から40代の大部分の大人は、1割の苛める側、1割の苛められる側、8割の傍観者のどれかに属していた経験が中学時代にあるのではないか。ないとしたらそれは平和な学校だったのである。


自分もはるか約30年前だがあった。多数派の傍観者の一員だった。なぜ、弱い者を苛めるのか、なぜ苛められても我慢しているのか。そんな現実に教室であった出来事に自分はなるべく関わらないようにしていた。卑怯だけどそうするしかなかった。
高校以降、大人になってからも、あの時の「苛め」の理由など考えたこともなかったし、今考えても嫌な出来事でしかなかった。


そんな私のような大人が避けていた中学生の陰湿な苛めを真っ向から題材にした意欲作が「ヘヴン」である。


正直、私自身正月に読む小説ではなかった。明日から仕事なのに凹んでしまった。でも、社会を客観的に見つめられる成熟した大人には読んでほしい気もする。解釈は人それぞれであろう。



自分自身の感想はあえて書かない。




そして、くれぐれも18歳以下の学生は読まないように。
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