Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

名古屋のりものづくし[リニモ-愛環-瀬戸線-名城線]

2014-01-31 01:08:41 | とらべる!

 


仲良さ気なモリゾーとキッコロに別れを告げて、愛・地球博記念公園駅に戻る。
リニモの運転間隔は10分ごと。思ったより運行本数は多い。
リニアモーターの最新式なのに、乗車手段がきっぷのみというのが悔やまれる・・・
 


ホームに上ると、待っている人は一人しかいない。

ホームドアが付いているけれどもガラス張りで、しばらく眺めていたいほど景色が良い。
緑地と市街地がくっきり分かれているのが見て取れる。市街地の中心にはセントラルタワーズビルが建っている。

風景の中から急勾配を登ってリニモがやって来た。
ここからは二つ先の終点、八草に向かう。

12:24 愛・地球博記念公園駅発<リニモ>

 




乗車するとクロスシートに座る。
車窓から見えるのは道幅の広い道路と自動車工場。
地上からだいぶ高いところを走っているが遠くを見るほど自然がまだ多く残っている。

すぐに八草駅に到着。
八草駅はこれ以上進んでももう人家はおろか道路もなさそうな末端に建っている。
先程も乗車した愛知環状鉄道と接続しているのみで、駅前には大して何もなく、乗換駅としての役割が大きいのだろう。

ここからまた愛知環状線の高蔵寺方面に乗車する。

新豊田から八草まで17分で来れたものを、5路線を乗り継ぎ1時間半の遠回りをしてきたことになる。
それにしてもリニモは車窓の見晴らしが良くて満足。
 




上手く接続する事ができ、あまり待つことなく高蔵寺行きはやって来た。
車両は先程のペンキ塗ったみたいな奴とはカラーリングの異なるタイプ。


12:36八草駅発 <愛知環状鉄道・普通>


愛知環状鉄道は実際環状運転はしていないが、名古屋都市圏を取り囲むように郊外の端っこを大人しく走っている。
もし名古屋が鎌倉のように要塞都市となるのならば、第一防衛線はきっとこの愛知環状鉄道線に沿って設けられるに違いない。

首都圏で言うならば、武蔵野線みたいな存在だと思う。
都市間を結ぶわけではないので、最寄りの駅から都市へ直結する路線の乗換駅まで利用する人が多いのだろう。


私の降りる瀬戸市駅は名鉄瀬戸線との乗換駅。
この駅で多くの乗客が降りた。

 
乗り換える名鉄瀬戸線は新瀬戸駅。
またも駅名の異なる乗換駅。こちらでは普通なのかもしれないけれどなんとも新鮮。

名鉄瀬戸線は名鉄の中でも他の名鉄の連絡しない独立路線。
名古屋の繁華街、栄から瀬戸市を結ぶ都会派路線のようで、準急や急行の設定がある。

ここから終着の尾張瀬戸まで行く。
上り、栄方面行きのホームには多くの人が列車を待っているが、下りホームには少ない。






12:52 新瀬戸駅発<名鉄瀬戸線・普通>

車内はもはや誰も乗っていないんじゃないかってほどにすっからかん。
そして日中は車内の照明を切るというエコ精神。
節電が叫ばれた頃が懐かしくなるほど、最近の首都圏では見られない活動だ。

新瀬戸駅から終点・尾張瀬戸までは2駅と短いのですぐに到着する。

 


終点だけに尾張瀬戸ということか。
ホームの先に改札があり、延伸などする気はさらさら無いことが伺える。

瀬戸は愛知郊外に栄える市で、やきものが盛んな地として有名らしい。
「セトモノ」と言えば誰もが聞いたことがあるはず。
瀬戸内海の瀬戸と混同するが、瀬戸物の瀬戸は尾張の瀬戸のこと。

せっかくなので、瀬戸物の町をちらっと覗いていこうと思い、散策する。
駅前の大通り沿いには焼き物の販売所がちらほら。

瀬戸の文化発信拠点となるのが、駅から徒歩5分ほどに立地する「瀬戸蔵」で、瀬戸物の直売所や博物館がある。

備前とか有田だとか陶磁器はさっぱりで、「機能性と生産性に媚びた現代の食器とは異なる味がある。」
・・・なんて分かったようでまるで分っていない発言しかできない。

この建物の2階と3階に、瀬戸物の歴史を展示した「瀬戸蔵ミュージアム」があるので、入場料はかかるが入ってみる。
入場料を支払った時に入り口で
「今年の干支を差し上げております。」
と言われ、白い包みを頂いた。

気になって開けてみると、真っ白な馬の土鈴だった。
お正月は過ぎてしまっているが、予期しないところでお年玉をもらう事ができた。

 




入口は電車のホームになっており、レトロな車両が停まっている。
ホームはそのまま改札に続き、ここが昔の尾張瀬戸駅再現だと気づく。

導入に駅を持ってくるとは斬新だが、この尾張瀬戸駅は全く瀬戸物に関係がないわけではない。
むしろ瀬戸物と共に歩んできた歴史がある。

現在の名鉄瀬戸線の前身は瀬戸電気鉄道、電化する以前は瀬戸自動鉄道といい陶器の輸送の輸送手段だった。
一度に大量の品を運搬することができる鉄道は重宝されたことだろう。
現在瀬戸線は通勤路線になってしまったが、以前はたくさんの陶器が電車に積まれてコトコト運ばれていたと思うと、風情があっていい。

 もちろん再現された駅や窯だけではなく、順を追うごとにコアな瀬戸物展示になっていた。

 




13:39 尾張瀬戸駅発<名鉄瀬戸線・急行>

尾張瀬戸駅に戻って、先発の急行に乗車。
名鉄の中でも瀬戸線はほぼ新型車両のようで、名鉄感が薄いなぁ。



名古屋東側に分布する路線は大方乗り終えたので、一気に都心部へと戻ることにする。

昼下がりということもあって発車して間もないうちに夢の中。
気付けば高架区間を走っており、ターミナル駅の大曽根駅で下車。

下車したホームからは隣を走るJR中央線線とゆとり―とラインの高架ホームが見える。
どちらの路線もいずれ乗ることになるが、とりあえずは本日2度目の市営地下鉄名城線に乗り換える。

寝ぼけてなのか方向感覚を見失って反対方向の列車に乗りかけた。
いまいち名古屋交通網が理解できていないのかもしれない。







14:02 大曽根駅発<市営地下鉄名城線>

名城線に乗るのはひと区間だけ。
内回りの列車に乗り、次の平安通駅で乗り換える。

平安通駅は郊外に向けて放射状に突起する上飯田線の起点になっている。
比較的新しい路線のために乗り換えるためには名城線のホームよりさらに階段を下りなくてはならない。



名古屋のりものづくし[豊田線-市営地下鉄-リニモ]

2014-01-26 04:20:01 | とらべる!

 

10:46 赤池駅発<市営地下鉄鶴舞線>


時間が来ると同じ列車が鶴舞線となって発車する。
地下へ入っても見知らぬ地名が続く。
地下鉄は地上が見えないから、土地の雰囲気を把握しづらい。
「おもしろそうだから降りてみる」ってことができない代わりに、先入観ゼロで賭けの途中下車も楽しめるかもしれない。

それにしても地下鉄ともなると利用者が多く、車内は結構な乗車率である。
豊田駅を出発したころは車両に私と老人2人しかいなかったのに。
あの老人はもう見当たらない。

八事駅で下車し、同じく市営地下鉄の名城線に乗り換える。

11:02 八事駅発<市営地下鉄名城線>

名城線のラインカラーはパープル。
この路線は以前、名古屋に訪れた時に乗った覚えがある。
全国の地下鉄で唯一環状運転を行っており、その名の通り「名古屋城」に行く時に使える。

そして何も知らずに名古屋城を目指し、憶測で「名城公園駅」で降りるとそこに名古屋城は無く、
「市役所前駅」が最寄駅だと聞きたいそう驚かされた記憶がある。

環状部の左半分は金山-栄-大曾根といったターミナルを繋ぐ市街地、右半分は郊外を走っている。
玄関口の名古屋駅に乗り入れていないところも面白い。

3つ目の本山でまたも市営地下鉄に乗り換え。
地下鉄に乗って、乗り換えをしていると自分がどこにいるのかわからなくなる。
ぐるぐると歩かされて、今向いている方角すらもわからない。




3本目の地下鉄は東山線。
名古屋駅方面から東山を通り藤が丘へと、東へと伸びる路線で色はイエロー。
ホームで待っているとスマートな顔つきの車両が来た。

11:16 本山駅発<市営地下鉄東山線>

乗車率は結構なものだが、星ヶ丘の駅を過ぎると空いてきた。
それにしても星ヶ丘って新しそうな地名。地上のことはわからないが、地名から新興住宅の景色を想像してみる。

一社駅を過ぎると地下鉄が地上に出た。

 




住宅の密集した郊外の景色を眺めつつ、藤が丘駅に到着する。
藤が丘駅は高架駅。

ここからリニモという乗り物に乗り換える。
リニモの駅は地下にあるので地下鉄の改札を出てから地下に潜る。
高架の地下鉄、地下の新交通という逆転現象が起きていておもしろい。

リニモは名古屋駅に直結する市営地下鉄東山線の起点、藤が丘と愛知環状鉄道の八草駅を結ぶ新交通で、
2005年に開催された愛・地球博のメイン会場へのアクセス交通として開業した。
専用軌道を持ったリニアモーター式の新交通で、万博当時はもちろん現在でも珍しい交通機関である。

一番の目玉は次世代のリニアモーター式走行である。
都営大江戸線なども一応リニアモーターでの運行だが、リニモは日本初の浮上式のリニアモーターカーなのである。
浮上という言葉通り、走行するときに車体は浮いていることになる。
あのドラえもんも歩行時はわずかばかり地上から浮いているというが、そんな時代が交通機関にも来たのである。(原理は異なるが)

山梨でひたすら試験運行を繰り返している高速新幹線もこの浮上式で、それに先がけ日本で唯一旅客運行している。
リニアモーターカーは磁気レールの上を走るから、一応鉄道に含まれるのだろうか。





このリニモもICカードが使用できないので、切符を購入して進入する。
コンコースは、さすが万博用とあって広いなと思いながら、ホームに降りると意外と小さかった。

小さく感じるのはリニモの車両が3両編成のため。
ホーム幅は広いものの奥行きがなく、八草方面に向かってすぼまった三角形をしたホーム。

万博開催時の混雑は今では想像することもできない。

やって来た車両も小さいが窓が大きく近未来的。
車端部の前面もガラス張りで走行中は前展望が楽しめそうだ。

乗客も少ないことだし、先頭に陣取って映画が始まる前のごとく出発を待ちわびる。


11:41 藤が丘駅発

 

 

それにしても、この手の新交通は地上3階の高架を走るイメージがあるのだがリニモは始発から次の駅までは地下を走行。
珍しい景色に目を見張りながら出発。
前面ばかりを気にしているおかげで、浮上式リニアの乗り心地を楽しむことを忘れていた。

それにしても運転席に飾ってある鏡餅が可愛い。
無機質な空間にちょこんと置かれ、なんともアンバランス。

改めて言うこともないが、リニモは運転士不在の自動走行。






地下から抜け出しても、高度を上げ続けて高架区間に入る。
遮るものはなく視界は抜群。

地下区間はのろのろと運行していたものの、地上に出ると本気を出し始め、駅と駅の区間が長い個所ではまるでジェットコースターのように走る。
もちろん浮いているので、レールの継ぎ目の振動も感じることはない。
ゴムタイヤで走る新交通も乗り心地は良いが、高架橋の継ぎ目を走るときちょっとした振動はある。

そして駅発車時の滑り出すような感覚もいい。

リニアモーターカー・・・・
なんてスマートなんだろう。

  




途中で何度か藤が丘行とすれ違う。
改めてリニモの車体を見ると従来の列車やバスについていたワイパーやパンタグラフなどが取り払われフラット。
洗練されたデザインだと思う。

藤が丘駅から上り坂が続いてきたが、周辺に住宅が無くなり始めるとますます上っていく。
到着した丘の上にあるのはどうやら万博の跡地らしい。
観覧車やドーム状の建物などそれらしい建築物が車窓からちらほら見える。

広大だし見晴らしはいいし、いい場所で万博やったんだなぁ。
2005年、愛・地球博。
首都圏から出る事のなかった私の家族が愛知まで連れてってくれるわけもなく、一人で出かけられる歳でもなく、結局行くことは叶わなかった万博。

ちょっと途中下車して見よう。
少しの慰めになるかもしれない。





愛・地球博記念公園駅で途中下車をする。
丘の上に建つ駅からの見晴らしがよく、名古屋市外が見渡せる。
リニモは片勾配路線なんだな。

きっと藤が丘行に乗ればもっと車窓は素晴らしいのだろう。

人のいないホームは万博時の名残りか2面3線あるが、中央の路線はあまり使用されていないと見た。
ホームにもコンコースにも人の姿はない。



万博会場跡は「モリコロパーク」と名付けられた記念公園になっているようで、駅からデッキで繋がっている。

万博の名残を見るつもりなのだが、そもそも万博に訪れてないからどれが万博時からあったものだかわからない。

入り口の地図を見ると大半が森林になっている。
園内奥の方にぽつりと立っている「サツキとメイの家」が当時も大人気だったことは私でも知っている。
見学には事前予約が必要らしいと聞いていたが、インフォメーションセンターで余り分を当日券として売っているらしい。
でも地図の縮尺率を見ても相当歩きそうなので今回は見送り。

出来ればジブリ好きの人と訪れたいところだ。

園内には他にサイクリングコースや芝生広場、温水プールなどの施設が整備されており、一日遊べる公園。家族連れにはもってこい。
ピクニックとか素敵だなあ。


しかしながら、一人で訪れてもただの森なのでとりあえず愛・地球博記念館に行ってみる。

 
記念館はどうやら想像通り、万博当時の資料や映像を展示する施設で、入り口の花壇にはイメージキャラクター・モリゾーとキッコロが微笑みを浮かべている。

整然と並んだ民族資料ひとつひとつが遺産になってしまって寂しい感じ。
飾られた写真を眺めれば眺めるほど行けなかったのが悔やまれる。 
ここまで文化的で盛大なお祭りを一度でも体験してみたいものだ。
オリンピックと違って、万博は誰もが主人公になれるのだし。

是非とも好奇心旺盛で、世界が広く見えたあの頃に訪れておきたかった。
大阪万博世代の人も大半の人は同じような気持ちを抱いて大人になったのだろうか。

万博は遠い存在のままの方が、夢が夢のままでいいのかもしれない。



 


名古屋のりものづくし[飯田線-名鉄本線-愛環-豊田線]

2014-01-19 18:14:58 | とらべる!



豊川駅からJRの飯田線に乗って豊橋駅を目指すことにする。
先程乗車した名鉄豊川線で戻ることもできるが、できるだけ多くの路線に乗ってみたい。

飯田線と言えば中学校の道徳の授業で「雨の日の飯田線」という話を取り扱ったような記憶がある。
内容はもう覚えてないのだが・・・

乗車するのは飯田線の中でもごく一部で、豊川から反対方向は伊那の山間・天竜川に沿ってひた走り、長野県の辰野まで行く。
全区間直通する列車はもちろん無く、踏破するのはやはり相当物好きな人である。

列車は至って新しい、東海道線に似た車両。
豊橋駅は3つ目と近い。

隣の線には当駅始発の列車も停まっているので、短距離運転も行っているのかもしれない。


8:42 豊川駅発 


しばらく走って豊橋に近づくと、名鉄線と東海道線と並走。
大河の豊川を渡ると、周辺が栄えてきて豊橋駅に到着。

豊橋というと愛知の末端のイメージが強い。
新幹線でも豊橋-浜松間は近かったような気がする。

とはいえ下車した豊橋駅の飯田線と名鉄線のホームは共用。
JR線に挟まれて肩身狭そうに停車する名鉄線。使えるホームは一つしかないらしい。
だが一番乗客が多く賑わっている。

朝食を済ませておらず少しお腹がっ減ったので、稲荷弁当を購入。
きっと豊川稲荷に倣っているのだろう。ほかの駅弁より安価で嬉しい。

 




さて、ここから名鉄線名古屋本線で名古屋方面に戻ろう。
運良く停車していたのは先程名古屋から乗車したのと同じ快特列車。
さすがに何度もパノラマ席に乗っていられないため今回は一般車に乗車。

転換クロスシートの一般車はほぼ席が埋まっていたので、ドア付近の補助席を出して休憩。


9:02 豊橋駅発<名鉄本線・快特>


列車は出発すると爽快に走って、先程乗り換えた国府駅も通過。
数時間前、朝日に照らされながら走った道を今は逆戻り。

乗客は休日ということもあり、名古屋を目指す行楽客や買い物客といった感じで和やかだ。
反対側の補助席に座る女子高生は他愛もない話で盛り上がり、何処かで老人たちの会話も聞こえる。

本当に路線によって車内の雰囲気って変わるなと最近になって思う。
押し黙った小田急に比べて、東急線に乗ると騒がしくも若さと華やかさを感じてしまう。
今日の名鉄線にはのどかな雰囲気が満ちている。

途中
知立から名鉄三河線に乗車するか岡崎公園から愛知環状鉄道に乗車するか迷ったが、後者を選ぶことにする。
快特は岡崎公園に停まらないようなので、東岡崎で普通列車に乗り換え。

 




すでに隣のホームで待ってくれていた普通列車。

おお、窓の大きな車両。
車掌さんは眺めが良さそうな運転席だこと。

9:24東岡崎駅発<名鉄本線・普通>


 


転換クロスシートで長い窓、しかも空いている。
一駅区間しか乗らないのだが乗り心地が良い。

車窓も独り占め気分。
冬らしい天気で気分も晴れ晴れ。途中に小さな川も渡る。

次の岡崎公園前駅で下車。






下車した駅はなんともさっぱりしている。
プラットホームという列車に乗るための必要最低限の物しか存在しない。

列車が去ってしまうとからからと風が寒い。

各停しか停まらないものの、この駅は愛知環状鉄道との乗換駅。
駅を出るとすぐに乗り換えができるが、駅名は異なり「中岡崎」 。






愛知環状鉄道(以後:愛環)はJRのようでJRでない不思議な路線。
愛環はJR東海道線の岡崎駅とJR中央線の高蔵寺駅間を結ぶ郊外路線で、岡崎から途中の新豊田までは国鉄だった経緯がある。
今回乗車するのは国鉄時代からある区間。
この路線ではICカードは使えないため、自動券売機で9駅先の新豊田駅までのきっぷを購入。430円と高い・・・
確か京王線で新宿から橋本まで430円だったような気がする。

何もないホームで少し待つと、2両編成でステンレス車に刷毛で緑色の絵の具を塗ってアクセントをつけたような面白い列車が来た。
「普通」と書いてあるがこの路線も普通しかないらしい。

9:33中岡崎駅発<愛知環状鉄道>






出発すると盛土や高架の連続で景色がいい。
とはいえ郊外を走る続けるため、見えるのは住宅と田畑。背景の山々が雪化粧している。
ここまで高い建物がないと、電柱という物体がいかに目立つか分かる。

車内はセミクロスシートで乗り心地は良い。
シートは緑系に統一されている。イメージカラーなのだろうか。

基本は単線なのか、時々複線になったりする。
気付いたあたりからちょっと注意して見ると、しっかり複線にするための要地が確保されている。
未来を見据えて準備だけはしてあるのだろうか。
今は寂しげだけれど、いつかはベッドタウンとして発展するのかもしれない。

途中の三河豊田駅はトヨタ自動車の本社があるらしく、目の前には立派な建物が続く。
天下のトヨタの本拠地があっては鉄道は栄えませんなぁ、と思ったりもする。

このあたりの地名は昔、「挙母」という地名だったようだがトヨタ自動車にあやかって「豊田」にされた。
一つ先の「上挙母駅」はどうにか旧地名が生き残っている。

三河豊田駅から2つ先の新豊田駅までは複線のようだ。
新豊田駅に近づくと遠くに何やら前衛的なスタジアムが見えてきた。
豊田スタジアムだろうか。

スタジアムに向かう道にある豊田大橋という橋が、恐竜の骨をイメージした黒川紀章氏の前衛的作品だということは聞いたことがある。
ワンダーJAPANで読んだ。






新豊田駅で下車。
結構高いところに駅があり、階段を下りて改札を出るとデッキになっていて名鉄線の豊田市駅と繋がっている。
乗換駅なのにまた駅名が異なるのか。




デッキに導かれて歩くと、距離はほどほどにあるが乗り換えはしやすい。
デッキ上空に連絡橋を伸ばし、左右に分かれて建つ大型ビルの最上階は回転展望台?

もちろん稼働はしていないだろうが少し前世紀を感じる建築だ。
回転展望台はその奇抜な外観と発想で1960年代前後に流行したが、思いのほか維持費がかかるため20世紀のうちに早々と姿を消していった。

八景島のシーパラダイスタワーのように昇降式の回転展望台は体験したことがあるが、
ホテルニューオータニやこの建物のように建築物のてっぺんに付いた形のものは乗ったことがないので一度は体験してみたいものだ。

今は何に使われているのだろう。
例え「回転しない展望台」でも、それなりの見晴らしを得られるのならば十分価値はあると思うのだが・・・






名鉄の豊田市駅に到着。
今回乗車をパスした三河線と今から乗車する豊田線が乗り入れる。
持参した地図を見たところ三河線は支線の雰囲気が色濃いが、豊田線は地下鉄と乗り入れる都会派路線のようである。
ここから豊田線に乗れば折り返すことなく、そのまま地下鉄にも乗れる。






高架駅はなんたって寒い。
待ちわびていた始発の豊田線が早めに入ってきた。
真っ赤な印象の名鉄の中、来たのは爽やかなアクアブルーの帯をまとったステンレス車。

10:11 豊田市駅発<名鉄豊田線>

豊田市を出た列車は西へと方向を変えて、新興住宅地らしい切通しと高架を走りつつ、ちらちら見えるのは未だ未開拓の雑木林。
走っている車両だけは都会派の地下鉄車両。なんともチグハグのような気がするけど、何年かすると変わるのかしら。
千葉みたいに変わらなかったりするかもしれないが、名古屋の交通事情も近年変わりつつあって公共交通機関を利用する人も年々増えているという。


豊田線は豊田市から赤池までの区間を結んで、赤池から先は市営地下鉄鶴舞線に直通する。
赤池駅は地下になっていていかにもな地下鉄駅。

それにしても、「赤池」って地名の由来が気になる。
その昔、この付近には悪い大蛇が住んでいて・・・・・とか始まるかもしれない。
想像が膨らんで楽しい。


数分停車しそうなのでホームをふらつくと、地方の地下駅ってやはりどこか暗い気がしてならない。
タイルづくりや剥き出しコンクリートの壁面と蛍光灯の仕業だろうか。
もしかしたら東京の地下が明るいだけなのかもしれない。


名古屋のりものづくし ちょっと寄り道

2014-01-12 23:26:53 | とらべる!

 

豊川稲荷駅はJR豊川駅と乗換駅なのに名前が異なる変わった駅。
駅前ロータリーから静かな商店街を進んでいく。
「流石は門前町」といった様子で昔ながらの店看板を並べた店が多い。
とはいっても朝早いので、まだお店は開いていない。







正月飾りで彩られた総門をくぐると、境内。
参道の両端には屋台がずらりと並んでいる。
元日はさぞ賑やかなことだろう。と空いているのでぼんやりと想像する。
元旦の初詣など久しく行っていない気がする。







本殿に近づくにつれて、何となく違和感を覚え始める。
自分の中の常識と目の前に広がる事実が少しだけ合っていない。

ここ、寺院ではないか。

稲荷と聞いて思い浮かぶのは稲荷明神とか稲荷社だった。
会社や街角に佇む赤い鳥居と小さな御社のあれである。
大方、宇迦之御魂命を祀る神道系が一般だ。

しかしながらここは寺院である。
法堂があり、納経所もある。

豊川稲荷は豐川閣妙嚴寺という列記とした曹洞宗の寺院だそうである。
なぜ稲荷なのかと言えば、寒巖禅師が宋から帰国する際に海上に白狐に乗った吒枳尼真天が現れ神託を受けたことに始まるという。
聞きなれぬダキニ天という天部は狐に乗って現れる事から稲荷信仰と習合したのだろう。

そのため境内は神仏習合の色が濃い。
本堂の手前には巨大な鳥居が建ち、大黒天を祀る大国堂もある。






本堂で参拝して、ひととおり境内を巡礼。
総門から本殿までと、本殿から奥は違った雰囲気である。

奥に進むにつれて木々に覆われて薄暗い。
ひょっこり狐が現れそうな気さえする。


本堂から奥院までの参道両脇には幟がずらりと並んでいる事に気づく。
ここ、豊川稲荷では信者が幟を奉納する風習があるらしい。
伏見稲荷の千本鳥居のごとく信仰の厚さを数で感じる事ができる。(後に調べたらその名も「千本幟」)

朝早くから幟を担いだ人々とすれ違う。
信仰するものがあるっていうのも羨ましいな。

それにしても朝早くっていうのは空気も澄んでいて、参拝にはちょうどいい。


さて、じっくり見て回るとキリがないので、寄り道はほどほどにして駅へ戻る。
先ほど通った商店街は開店の準備を始めている。
初詣客を見越してか、そもそもこの時間に開店するのか、どうなんだろう。

そういえば来るときよりも稲荷に向かう人が増えてきているような気がする。

達磨や破魔矢も欲しいけれど、この先があるので我慢。
乗って来た路線を戻るのも味気ないので、豊川駅から豊橋駅までJR飯田線に乗ることにする。


名古屋のりものづくし[名鉄名古屋本線-豊川線]

2014-01-12 23:15:59 | とらべる!



名古屋に降り立ったのは太閤口。高速バスのターミナルはここにある。
京都駅なら八条口と似た、新幹線駅に寄り添った横に長い駅前の印象。

とりあえず、荷物をロッカーにでも預けて乗り歩きをはじめよう。

 


名鉄や近鉄・地下鉄などが揃うのはJR名古屋駅を越えた反対側の桜通口なので、歩いて桜通口に移動。
駅前からJRのセントラルタワーを仰ぎ見る。
名古屋ってスタイリッシュなビルが多い気がする。
どうやって造ったのか謎なスパイラルタワーなんてのもカッコいい。


名鉄の改札口に近い場所に荷物を預けてたらまず、名鉄に乗ることにする。
名鉄は愛知県を中心に路線網を敷く大手私鉄。真っ赤な電車のイメージで、一度も乗車したことはない。

名鉄名古屋駅のきっぷ売り場で「名鉄2Dayパス」が販売されていたので購入。
3800円で名鉄全線が2日間乗り放題のきっぷで、長距離乗車をする際はお得だろう。

名鉄名古屋駅は地下駅。
日曜の朝ということもあり、構内は静か。






そして名鉄名古屋駅は不思議な駅であると聞いていたが、その噂は本当だった。
岐阜-豊橋間の本線の他、犬山線や中部国際空港方面の常滑線など各支線の列車も発着する大ターミナル駅であるのにホームは3面2線しかない。

また、名古屋駅は終点ではなく、すべての列車が通過する形になっている。
よくもまぁ、行先種別の異なる過密ダイヤを2本の線路でさばくことができるなと感心する。



ホームの電子表示板を見ると、行先の異なる列車が続々とやって来る。
しかも快特やら急行やら運行形態も複数あって迷いそう。
とりあえず、名鉄名古屋本線を走るであろう快特の豊橋行に乗ることにする。


快特はきっと快速特急の略で、「一部特別車」とある。
この特別車というのが、小田急や東武で言う「特急」の事であり、別途特急料金がかかる。

ひとつの列車の中に特急料金のかかる車両とかからない車両があるということらしい。
なんだか京急と小田急の特急を合わせた感じ。



この特別車に乗るための特急券のようなものが名鉄では「μチケット」と呼んでいる。
大人子供全区間一律350円。

せっかくだから特別車に乗ってみようと思い、一度改札を出て専用の自販機でミューチケットを購入。

時刻から行先を指定して、座席は窓側か通路側かなども選べる。
野の選択肢の中に「展望車」があったので迷わずに購入。表示された座席は1D席!

名鉄の中には、パノラマ席と呼ばれる俗にいう展望席の付いた魅力的な特別車もあるのだ。
その1D席とは先頭車の最前列を意味しているはず。
楽しみにしながらホームで豊橋行を待つ。


しかし入線間近に気付いた名鉄名古屋駅の特別ルール。同じ方面の列車でも特別車だけは乗車ホームが違うのだ。
豊橋行の場合、先頭の2両だけは反対側のホームから乗車する仕組みになっている。
なんとややこしい・・・・

 





なんとか隣のホームに急ぎ移動すると、列車が到着。
特急っぽい丸窓が印象的!
特別車に乗車する人は少ないようで、ホームには人が少ない。







6:44 名鉄名古屋駅発

先頭車の前半分がハイデッカーの展望席。乗車すると、展望席まで階段を登る。
進行方向に向かって、シアターのように座席が並ぶ。
1D席は進行方向右手最前列。おおお、感動。







名古屋駅を出発すると、地下区間を抜けて、地上へと出る。
しばらくはJR線と並走。遥か上をオーバーパスする高速道路など、都市風景が続く。


車内に乗客は3人ほど。
ここまで簡単に展望席に座れるとは・・・

1枚ガラスでできた窓は上部に長く伸びて空が良く見える。
通常の車両より高い位置にあるため、見晴らしもいい。
ガラスは多少曇っているものの、景色を眺めるには特等席。

もう夜は明けようとしていて、遠くの空が色づいてきた。





列車はまっすぐ西に向かって進んでいる。
進むべき鉄路の遥か先にひょっこり出てきた太陽。
線路に太陽光が射していい感じ。

うーん、太陽へ向かう特急。サンライズだね。
そういえば朝日を見たの、今年になって初めてかもしれない。
初日の出だ。なむなむ。

本当にこの展望席は空を見るのに特化している。


といってもずっと眺めていては眩しい。
下で運転している人も大変そうだ。

名古屋駅でもらってきたパンフレットに「豊川稲荷」の案内があり、初詣シーズンだが少し気になったので行って見ようと思う。
最寄り駅はJR飯田線の豊川駅か、名鉄豊川線の豊川稲荷駅となる。
せっかく名鉄フリーパスを持っているのだから名鉄で行きたい。
乗換駅となる国府駅にこの快特は停車するというのでちょうどいい。(通常は停まらないらしい)


 


7:28 国府駅着

ここから支線の豊川線に乗り換え。
手前に停まっているのも後ろで停まっているのも真っ赤な車両。
豊川線は通路を渡って反対側のホーム。

支線だが、乗客はわりと多め。座席はほぼ埋まって、ドア付近から景色を眺めつつ出発。


7:31 国府駅発

快特列車に乗った後なので、のろのろと単線の線路を走って2、3回駅に停車するとすぐに終点に到着。


7:43 豊川稲荷駅着

まだお正月ムード!


名古屋のりものづくし[ドリームなごや]

2014-01-12 00:30:43 | とらべる!

 

 


夜行で出かけるときは、朝早く起きて出かけるときよりも少しだけ気持ちがたかぶる。
もう世の中の人は一日を終えようとしているのに、これからがはじまり。なんとなく楽しい。

お正月が過ぎて初めての土曜日。
今年は元日が水曜日だったから世の中はまだお正月ムードが抜けきっていないようで、いつもの小田急線の駅もなんだか空いている。
22時頃、上りホームで待っていた始発の急行に乗ると私以外には誰も乗っていない。

がらがらの小田急線なんて本当に稀なことだ。
隣駅の町田まで貸切を十分に満喫して、目指すのは東京駅。

JRバスのターミナルは大体、新宿駅と東京駅にわかれている。
新宿駅の方が近くて便利なのだが、今回乗車するバスは東京駅を出発すると朝まで停まらない。
馴染のない東京駅は気持ちが少し遠い。
新宿駅からこれまた馴染のない中央線に乗り換える。
快速運転は終了しているようで、乗車した列車はのろのろと代々木や飯田橋に停車しつつ終点の東京へ到着。





高速バスターミナルは八重洲南口の目の前。
昔はこんなんだったっけなぁ、と思うほどに美しく改良された東京駅。
各方面のバスが発着するターミナルに続々とバスが入線、発着を繰り返している。

高速バスは乗りなれない故、周囲を見渡しては発着番線ごとに表示された行き先を見て回る。




列車と異なり同時刻に幾本ものバスが発着する。
東北方面、中京・関西方面に加えて、ひたちや鹿島と言った中距離のバスもある。
それにしてもバスの愛称がちょっとカッコ悪い。ドリームササニシキって・・・(笑

乗車するのは23:40「ドリームなごや5号」。
同時刻には「ドリームなごや5号2号車」、「レディースドリームなごや1号」も同時発車する。
ということは、この先3台のバスが仲良く名古屋に向かうということか。
高速バスって面白い。

ややこしいのが同じ「ドリームなごや5号」にも1号車と2号車があるということ。
列車なら当然のことなのだが、バスでもあるのか・・・
どうやら2号車以降は増発という形が多いらしく、バスそのものの座席配置やシートが異なる場合もあるとか。


先発のドリームなごや号が遅れて発車すると、次に3台続いてバスが入線。
WEB乗車表に記された通り、1号車の改札を済ませて乗車。バスは2階建てで席は2-10A。





私の乗車するバスは3列デラックスシートで運行される。
一人旅の時は3列シートが嬉しい。といっても3列シートに乗車は初めて。
長身の私にとって天井は低いしシートピッチも決して広いとは言い難いが、各座席にコンセントやブランケットが付く。
足置きや背もたれに安定感があっていい感じ。

4列シートとさほど変わらぬ料金で利用できるなら嬉しい。

23:40 東京駅発

夜行バスの為に外の景色は見えない。
それならば早いところ寝て、明日へ備えようと思うのだが、車内は暑いのに窓に近い左上半身だけは寒いという難しい環境でなかなか寝付く事が出来ない。
結局、足柄SAの休憩まで一睡もできなかったので、空気を吸いにバスを降りたついでにコンビニで中華まんを食べる。

それからもうとうとを繰り返して寝た気にはなれないまま車内は明るくなってしまった。
初日は疲労が少ない事に加えて、旅先の楽しみが気持ちを高揚させてなかなか寝付けない。
やはり、夜行バスはもういちど検討する余地があるなと思ったり。


名古屋市街に入ると、こまめに停留所に立ち寄る。
星ヶ丘や本山、栄に停車してついに名古屋駅に到着。

到着予定時刻より前の到着。
外はまだ薄暗い。


名古屋のりものづくし・序章

2014-01-10 23:40:03 | とらべる!


誰でも目的を持ってして乗り物に乗る。
目的もないのにバスや列車に乗る人は相当のマニアか内田百くらいなものである。

旅という行為に現在、乗り物の存在は欠かすことはできないだろう。
旅の目的地まで乗り物は私たちを連れて行ってくれる。
もちろん、列車などに乗ることも旅の一つの楽しみではある。

近頃は何処かへ出かけたいが、何処へ出かけたいというわけでもない。
あまり多くの日にちを割くこともできずに思いついたのが、乗り物に乗る旅である。
バスや列車に揺られるのは好きだし、地図を見ながら建物や川をなぞるのも楽しい。

しかし乗車済みの路線に乗っても面白くない、なるべく乗ったことのない乗り物に乗りたい。

そこで名古屋は手ごろだった。首都圏と関西圏に挟まれた中京圏は他の2都市圏と明らかに異なる発展をしてきた。
比較的発展が緩やかだったこともあり計画的都市と評される名古屋周辺では自動車産業が盛んでマイカー普及率が高い。
それにもかかわらず(いや、だからこそか)公共交通機関では新たな試みがなされている。
記憶にも新しい愛・地球博の輸送を担ったリニアモーターカーもある。ガイドウェイバスもあるって聞くし、真っ赤な名鉄も魅力的だ。

ということで乗り物に乗るために、名古屋まで行くことになった。乗り物尽くしの旅である。
トヨタの御膝元でセントレアのある名古屋周辺だが、自分の好きなように乗って降りて旅する事ができる乗り物に限る!
乗り物に乗って見知らぬ地名の並ぶ町をたどりながら迷路のような路線網を通り抜けることを楽しみとしつつ、気になれば下車して観光だってできる。

思いついたらすぐ予約。
予算を削りたいため、現地までの往復はあまり馴染のない高速バスを使うことにする。
調べてみると高速バスにも幾通りものパターンに合わせて料金が設定されており、なかなか判断が難しい。
東京-名古屋間は昼便夜便それぞれ多くのバスが運行されており、片道約6時間あまりかかる。どちらにするか迷いどころである。
夜行バスは寝ながらに移動する事が出来るが景色を眺める事が出来ない。逆に昼行は日中の活動時間を割かれてしまう一方景色を楽しむ事が出来る。
一晩中悩んだ挙句、往路を夜行バス復路を昼行バスで予約することにした。
会社はJR東海バス。運行する便によって経路やシートが異なっている。
大概は3列シートか4列シートなのだが、3列シートの中にもスタンダードとデラックスがあるではないか。
料金が変わらないのであればぜひとも良いものに乗ってみたいと、デラックスシートで運行される便を選んだ。
復路は出来れば2階建ての最前列に乗ってみたいなぁ、と思っていたら簡単に予約できてしまった。こちらは3列スタンダードシートである。

てなわけで、高速バスの勉強もしながら予約は完了して出発を待つのみ。

名古屋は馴染がないので、地理と路線を事前に少しでも知っておこうと思い中部地方の路線図を購入。
朝日新聞出版の『路線別地図帳』と昭文社の『Railway mapple』で迷ったが結局買ったのは後者。
路線以外の地図も詳しく駅施設や遺産などの情報も載っていてB5版のために当日もお世話になった。
惜しい点は運行種別ごとの停車駅などが載っていないこと。これがあれば便利なのに。

朝日新聞出版の方は地図は簡素だが、路線別の紹介文や運行種別が載っていて何に乗ればどこに停車するかが分かり便利。こちらはA4版。

事前学習を済ませ、ぼんやりといくつかのルートを浮かべながらあとは当日巡りながら考えることにする。
ひとりで出かけるときの特権。それ以上に自分でどうにでもなる自由とダイヤというどうにもならない制約に挟まれた楽しさ。
ダイヤの制約を楽しむのが鉄道好きって、酒井さんも『女流阿房列車』で言ってたっけなあ。

楽しんでやりましょうとも。


京都探訪記30~六道の辻~

2014-01-10 02:00:43 | とらべる!

 

 

前回


バスを清水道で降り、清水方面とは反対側に伸びる路地を入ると実に怪しい石柱を目にする。
六道の辻・・・

六道というのは地獄道・餓鬼道・修羅道・畜生道・人道・天道の総称。
ということは、ここはこの世とあの世の交差点、、、、

そういえば、一昨日にも自転車でこのあたりを訪れた。
六道の辻のすぐ近くには六道珍皇寺が建っている。

お寺の入り口にも「六道の辻」の文字が刻まれている。
このお寺も実に怪しい。
ゆかりの小野篁という人物は冥界へ旅したと伝わる人物であるし、
境内にある篁の像の隣には恐ろしげな閻魔大王の像が鎮座している。

かの小野篁は境内の井戸から冥界へ向かっていたとも伝わっており、
今も「冥界通いの井戸」がひっそりと残っているのである。

 



本堂横からちらりと庭を覗く・・・
蓋をされたあの井戸がきっと冥界に繋がっているんだなとか思ってみる。

1000年もの時を経て今に伝わる怪しい噂。
きっとみんな信じてはいないけど、それでいて疑わない噂・・・



なぜこんな噂が語られたのかと言えば、ここは京都に渦巻くアンバランスゾーンのひとつ。
今は住宅寺院が連なる六道の辻界隈も古来は鴨川以東の辺境の地。

この先、東へ足を進めると風葬の地・鳥辺野が広がっていた。
現実と非現実、生と死の境が目に見えてここらへんに引かれていたに違いない。

時間の流れる生活空間から、時の止まった死の空間へ・・・
ここから送り出される者が立つ場所が六道の辻なのだろう。


きっと多くの人の行先は決まっている。
生きているうちに迷わないようにしよう。

 




辻付近では往来も気にせず歩道で猫がひなたぼっこ。

共にたわむれる山口氏だが、
ゆすっても、撫でても気持ちよさそうに眠る猫。

夢ごこちで意識がもうふらふらしている。
もしかしたら夢の中で六道の辻をさまよっているのかも?
猫が無事に起きられますように。




六道の辻を迷うことなく抜け出すと、右手にはなんだか見たことのあるお寺が。
小さいながらも独特の雰囲気・・・・
これが、平清盛ゆかりの六波羅蜜寺だ。

六波羅蜜寺といえば日本史の資料集に載る空也上人像を安置することで有名。
魅惑の上人像に導かれて六波羅蜜寺へ参拝。

本堂の廊下を進んだ宝物館で上人像が待っている。