Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

山陽オトナの修学旅行 車内篇

2015-06-24 01:02:54 | とらべる!




さてさて、私たちを乗せたのぞみ号は新横浜駅を出発すると次は名古屋まで停まらない。
静岡全スルーという奴である。

とりあえずは相模の平野をまっすぐ進む。
丹沢の山々背後に富士山が見え隠れするのだが、ビルがいちいち邪魔をしてくるので写真は撮りづらい。

小田原駅を過ぎてトンネル区間に入れば、いよいよ始まる長い長い静岡県。
車内の電光掲示板は丁寧に通過した駅を教えてくれるのだが、熱海からはじまり浜松まで静岡県内には6つも駅がある。
座席が通路側だったこともあり、デッキも近いから時折はデッキに赴いて景色を眺めることにする。





 

三島駅あたりから進行方向右手には富士山が見えるのだが、先程神奈川県内で見えていたにもかかわらず、雲がかかってしまっている。
見えるのは長い裾野だけ。

新富士駅までの区間はは、沿線に工場が多い。
紙の工場が多いと何かの本で読んだことがある。

近隣の田子の浦は1960年代に公害問題にもなった場所である。

そういえば、1971年に公開された『ゴジラ対へドラ』という作品を以前に観た。
田子の浦のヘドロ問題を扱った特撮映画で、劇中では駿河湾からヘドロ怪獣が誕生し、静岡県を舞台にゴジラと死闘を繰り広げる。

この映画はゴジラ作品の中でも異端の存在で、劇中にゴジラが空を飛ぶのである。
これには賛否両論があるらしい。

というような、どうでもいい記憶が景色と共に流れ去っていく。


 

 

しばらくは座席に戻って、もう一度デッキを訪れるころには天竜川を渡っていた。
富士川、大井川を渡って、最後に天竜川を渡れば、静岡県もあと少し。

浜松駅を過ぎれば、浜名湖が見えてくる。
広々とした湖と別れを告げれば、県境はもうすぐ。


豊橋を過ぎると名古屋都市圏に突入。
並走する東海道線や名鉄電車を眺めているだけでも楽しい。

ビルの広告も見慣れないものが多くて、追う目が忙しくなる
もうちょっとゆっくり走ってほしいのだが、そうはいかない。

名古屋駅で降りる人がデッキに向かい始めたので席に戻ろう。






席について、持参した柳田國男をぺらぺらと読んでいても、なんだか落ち着かない。
というよりも本のチョイスを間違えた感がある。
高速で走る乗り物と柳田國男がまず似合わない。

スーパーで安売りしていたひな祭りチロルが可愛かったので買ってきたのだが、どうやら箱がひな壇になるらしい。

 

 



こういう旅行の時にはみんなでシェアするのが楽しいので買ってきたのだが、皆はぐっすり眠っている。
それはそうだ、オールでカラオケ行って、その前の日の夜は打ち上げでこれまた朝方まで起きていたのだから。

1日休んで元気いっぱいな自分の目だけが冴えまくっている。
気付けばチロルを積んでいた。


席とデッキのうろうろを続けて、ついに山陽新幹線に入るとトンネルが続くので諦めて寝た。

 



11:14
広島駅に到着。
電車を降りると、大きく伸びをして、ほっと一息。

この場所に降り立つのは実に6年半ぶりのことだ。
私は中学の修学旅行が広島と京都であった。

その時は新幹線も広島も初めてだったものだから、よく覚えている。

これから向かうのは、あの時と同じ、宮島である。

 


山陽オトナの修学旅行 はじまり篇

2015-06-21 01:03:25 | とらべる!


大学に入ってからというもの、春休みというと部活の人たちと旅に出る。
長い春休みを利用して出かけられるのは高校3年生と大学生の特権である。

1年の頃は京都を朝から夜まで楽しみ、2年では贅沢にオーシャンビューの旅館に泊まった。
今回はどうやら食べまくる旅になりそうである。
参加者ももちろん違うから、それぞれに影響し合って、毎回テーマが変わるのは楽しい。

目的地は山陽地方。
広島県と岡山県の周遊である。

個人で出かけるのであれば、もちろん新幹線など贅沢な乗り物は利用しないが、大勢で行く場合は安かったりもする。
近畿日本ツーリストのWEBプランで新幹線往復とホテルがセットになったプランで2泊3日25000円ぽっきり。
これは安いということで、久々に山陽新幹線に乗車することになった。

私は旅に出るときは必ずタイトルをつける。
今回のタイトルは「山陽オトナの修学旅行」。
先程、食べまくる旅といったが、それ以上に山陽地域には世界遺産をはじめ多くの名所がある。
それこそ修学旅行のようにあまりにも有名な名所も見学する一方で、時間制限や門限に縛られることのない自由なオトナの旅行。
春の訪れを告げるような、西への旅が始まる。



3月17日。
空はすっきりと晴れ渡っている。
6時台の中央線はすでにもう混雑しているが、集合場所となる東京駅の八重洲口は意外にもすっきりとしている。
もしかしたら他の人は京葉線の地下ホームとかに吸い込まれたり、さっさと新幹線に乗り込んでいるのかもしれない。

この部活の人たちのよくわからないところは、旅行の前日に前夜祭を行うところである。
池袋のカラオケボックスで一夜を明かしてこの場所へ来た人が半数以上というから驚きである。

今回の参加者は10名、うち1人は2日目の現地合流となっている。
適当に買い物を済ませたら、東海道新幹線のホームに上がって、7時10分発の「のぞみ9」号に乗車する。
車両の入り口には「N700A」と書いてあるので、ちょっと新しいやつである。







広島到着時刻は11時14分。
乗車時間は4時間あまりである。

新幹線の車内はやはりサラリーマンばかり。
高速化を求めてしまうあまり、新幹線の車内ではみんな到着するのを待っている感じがあまり好きではない。
旅は行程も楽しみたいところ。
快適ではあるけど、窓は小さいしなあ。

しかし、都市圏を結ぶ大動脈であるから仕方ない。
広島に着くのを大人しく待とう。


埼玉こども動物自然公園

2015-06-20 00:03:20 | 関東地方



埼玉県の東松山市にある埼玉県こども動物自然公園。
埼玉の動物園というと、東武伊勢崎線(近年はスカイツリーラインというらしい)の駅名にもなっている東武動物公園が有名ですが、
この動物園は同じく東武の東上線沿線にあります。最寄りは高坂駅。
川越や坂戸駅の先なので、起点の池袋駅からですと1時間弱で到着します。

駅から徒歩30分ですが、鳩山ニュータウン行きのバスに乗ると5分程度で到着します。
広々とした森の中に動物が飼育されているので、ピクニック気分で1日楽しめるスポットです。

目玉となる動物というと、今年に1月に来日したコアラ3頭。
また、冬季にはカピバラ温泉も行っています。

また園内には児童館「こどもの城」や大東文化大学が運営する「ビアトリクス・ポター資料館」があります。どちらも別料金。
資料館ではピーターラビットをはじめとする書籍・絵画資料の展示を行っており、ピーターラビット好きにはたまりません。




 



入園料は大人510円。
公的な施設なので料金は良心的です。

大きな入場ゲートと動物たちのハリボテは動物園らしいです。
大階段を登ると、埼玉県のマスコットキャラクター・コバトンがいます。

園内は東園と北園に分かれ、効率よく回らないとかなり歩くことになりそうです。
メインストリートの噴水広場左側にはポニーやシマウマがのびのびと暮らしています。







のどかに暮らすキリンたち。
キリンたちはここで出産も行っているようで、現在は6頭のキリンがいます。






高いところの木の枝を捕ることができてご満悦なキリン。
木枯し次郎のようにキメています。








馬屋に入ると、ポニーたちは出張中。
内部には馬屋を守るフクロウがいて、こっちを見てきます。
こんな昼間から起きていて眠くないのでしょうか。







園内を反時計回りで巡回。
廃墟となったフライングゲージを過ぎて、仲良しコーナーに至ると
ヤギや子豚、なんかよくわからない鳥など有象無象の動物たちが気ままに闊歩しています。

時々悲鳴を上げる子ヤギや咀嚼を続けるアルパカさんなど1ヶ所に様々な動物がいて目が回ってしまいます。

たぶん動物園で一番動物密度の高い空間かと。






続いては乳牛コーナーです。
牛たちは牛舎から出て、日光浴をしているようです。

ここの牛から採れた牛乳などの飲料を販売する専門の自販機では、購入すると牛の声が出ます。(驚いた)
歓喜の声でしょうか。








高い岩山に住むといわれるマヌルネコ。
せかせかと歩き回ってはちらっとこっちを見てきます。
その顔は2時間ドラマで真犯人が親身になってくれた身内の人だったと知らされた時のような驚きに満ちた表情をしているので、
マヌルネコは役者向きなのかと思います。









北園にはミーアキャット・プレーリードック・フェネックなど「ぼのぼの」に出てきそうな動物たちが勢ぞろい。
斜陽に当たってとても気持ちよさそうです。
ミーアキャットはたまに白目を剥くので怖い。










プレリードックは上からも下からも眺めることでできるのでおすすめです。
前足で器用に餌を食べるのが可愛らしいのです。







とても眠そうなフクロウ。
もふもふで暖かそうです。








ラクダ・小動物舎では暗所で暮らす小動物を中心に展示しています。
トカゲやアルマジロといった動物から、キモ可愛いことで有名なハダカデバネズミの展示もあります。

ハダカデバネズミの展示には詳しいパネル展示もあって、その珍しい生態について知ることができます。
女王を中心として、ソルジャーやハウスキーパーといった役職が割り当てられているそう。
ここまで階級制が整った動物は珍しいとのことです。

 




北園の坂を登りつめた西端の場所はペンギンヒルズです。
フンボルトペンギンが飼育されていて、人工波うねるプールには波打ち際もつくられ、その背後には巣穴となる丘も造成されました。

写真では死んだようにぷかぷか浮かんでいますが、元気よく泳ぐペンギンもいます。








ここでは毎日2回、餌やり体験のプログラムがあるそうで、時間が近くなると水から上がって波打ち際をうろうろするペンギンたちが多いよう。
葛西臨海水族園ではよくペンギンが脱走するようですが、ここのはおとなしそうです。








突如森の中に現れる恐竜。
木の葉を食べているようなので、草食系です。

何の縁あってか、恐竜コーナーと呼ばれる地域には多くの恐竜がいます。
逆光で撮るとなんとも本物っぽい。









順光で撮るとこのようにちょっと残念。








ワオキツネザルは広い飼育小屋の中でほとんどが一緒に集まっています。
もはや何匹いるのかわかりません。


 



園内にある児童館、「こどもの城」はヨーロッパの城郭を模した立派な建物です。
森の中にありますし、メルヘンチックなのですが有刺鉄線と共に撮影するとどうにも廃墟のようになってしまいました。

橋を渡ると東園に移ります。
橋の下には一般道路が通っているようです。




 



この日のコアラ展示は記念すべき日でした。
図らずも、オーストラリアのクイーンズランド州から友好提携30周年を記念してはるばるやって来たコアラ三頭の公開初日なのでした。

入場時に先着500名のステッカーもいただくことができました。

コアラは20時間ほど寝ると聞いていましたので、寝ているだろうと思いきや目がぱちりと空いている・・・








そしてポージングにも気合が入っています。
こんなにキメているコアラを始めて見ました・・・

どこか遠くを見ているようなところがかっこよいです。







寝ている方もいますが。








最奥はカンガルーコーナーです。
池のある広々とした空間で多くのカンガルーがのんびりとすごしています。

のんびりしすぎて休日のお父さんのようなカンガルーも見受けられます。








まだ若そうな顔をしていますが、どうにもやる気のない姿勢が伝わってきます。
西日が当たって気持ちよさそうです。




 



カピバラ・ワラビ―コーナーではやはりカピバラが大人気。
この動物園では冬季には石風呂にお湯を張り、カピバラの湯として公開しています。

寒い時期になるとぬくぬくとお湯に浸かるカピバラが可愛いです。

カピバラを湯に入れることは伊豆シャボテン公園がはじめたようで、現在ではいくつかの動物園でこういった展示をおこなっているようです。









ここではカピバラが家族で暮らしており、仲睦まじげな光景が魅力です。
湯に浸かるカピバラは目がとろんとして温泉に入った中年のおじさんのような顔をしています。

湯船でひっくり返ったり、打たせ湯に当たったりと楽しそうです。

また、お湯に興味を示さずに藁の上でうたた寝を続けるカピバラもいます。
自由な感じがいいですね。


都心からは遠いですが、のどかに暮らす動物たちが魅力のこども動物自然公園でした。
夏にはナイトズーも開催されるようなので注目です。


夜の車庫 その2 馬込車両検修場

2015-06-16 22:49:05 | 発見!不思議な世界




都営浅草線は相互乗り入れ先が多く、行先も種別も多種多様で目が回ってしまう。
泉岳寺駅で京急線分岐すると、すっかり本来の地下鉄としての落ち着きを取り戻したような感じで落ち着いた雰囲気になる。

終着駅まで、五反田・戸越・中延と活気のある雑多な街の下を通るのはさすが都営地下鉄である。
国道1号線に沿って西へ進む浅草線は、他線の乗換駅でもない西馬込駅でなくぷつりと切れてしまう。

丸ノ内線の方南町駅や、都営三田線の西高島平駅のように終着駅らしからぬ単調な駅はわりと好きではある。
この西馬込駅も中心となる大きな改札のない構内や、ロータリーのない単なる地下鉄駅だ。


地上に出ると、目の前が第二京浜で、自動車がびゅんびゅん走っている。
出口から第二京浜を川崎方面に徒歩5分程度。
日蓮終焉の地としても知られる、池上本門寺に程近い場所に馬込車両検修場がある。

ここは都営地下鉄浅草線の検車や修車を行う大規模な車両基地である。





広大な基地を横断する歩行者用の跨線橋が架かっていて、西馬込駅から池上本門寺への最短ルートともなるので利用者もほどほどにいる。
100mほどの歩道橋の下はすべて線路。
学校帰りの子供は何の興味も示さずに橋を渡っていく。







線路があるだけ架線もあるため、全体を見渡しづらいが敷地は広大である。
西馬込方面に向かって広がる構造になっているため、跨線橋から川崎方面を見ても車両は少ない。






唯一停車しているのがE5000系。
日本の地下鉄では唯一の電気機関車であり、この馬込車両検修場に都営大江戸線の車両を回送するために2005年に導入された。

都営大江戸線はリニアモーター駆動なので、浅草線内を自走することができないためにこの電気機関車が牽引して運んでいるという。
ちなみに浅草線大門駅と大江戸線汐留駅間に業務用の連絡船が結ばれており、両線間を行き来している。

そんな裏方の電気機関車はさすがに地下鉄内で見ることはできないから、かなりのレアキャラである。






跨線橋から西馬込側を望めば留置線と車両工場がある。
いわば検修場の中枢部。





もっとも第二京浜に近い場所には西馬込駅と検修場を繋ぐ引き込み線がある。
西馬込駅から先の留置線から分岐してきたこの引き込み線は、一旦川崎側まで進んでから折り返して検修場内に入る。





薄暗い工場の扉は開いており、浅草線5300系が顔を出している。
浅草線は多くの鉄道会社相互直通運転を行っているが、自社車両はこの5300系のみである。
先述したように、電気機関車に連れられた都営大江戸線の車両もこの工場で検査を受ける。



外の留置線にも5300系。
留置線には相互乗り入れ先の車両が留置されることもあるらしいが、見る限り5300系のみである。
それにしても、この車両の前面は地下鉄らしからぬ重厚さだと思う。





同じ顔をしていても、スカートがあったりなかったりと若干の違いが見て取れる。
なんだか間違い探しのようでもある。





車両の種類は少ないが、検修場全体を俯瞰できるのは素敵だ。
地下鉄は狭い地下空間を走っていることもあり、ゆっくり眺めることはないからなおさらである。

久々の空気を吸って、のびのびとした車両たちに会うことができる。

 


下町夜歩き ビギナー編

2015-06-16 00:28:28 | とりっぷ!


たまには夕方からふらりと出かけるのもいい。
この季節は夕方から少しだけ涼しい風が吹いて、足がよく進む。

ゴールデンウィークは日中はどこも混んでいるので、毎年出かける気が起きないのだが夜ならいいか。
そうだ、夜の下町に行ってみよう。

誰もが知っている観光地でも、いつもとは違う景色に出逢えるかもしれない。




5月5日の火曜日、急に思い立って始まった「夜の下町さんぽ」。
集合場所となった地下鉄押上駅には9人もの参加者が集まった。
3時間前に参加者を募って、ここまでの人数が集まるのだから驚きである。
後々に2名合流して最終的には11人となった。

顔ぶれはお馴染みの方から、フレッシュな1年生まで様々。
半袖Tシャツで着てしまった子はユニクロでパーカーを買っていた。
さすがにまだ半袖では寒いようだ。



押上駅といえば、スカイツリーとソラマチの最寄駅である。
東京メトロ半蔵門線が押上まで延伸したころには、殺風景な場所で、近ごろの賑わいには想像できなかった。

とりあえず、このようなミーハーな場所ではあるが一度スカイツリーの夜景も見てみたかったのでちょうど良い。
北十間川と、東武伊勢崎線(最近ではスカイツリーラインといらしい)に沿って、隅田川まで歩いてみよう。






スカイツリータウンから少し離れれば、閑静な住宅街が広がっている。
高架線を走る鉄道と電信柱にくっついた街路灯をみるとほっとする。






ぼんやりと歩いていたら、すぐに隅田川のテラスに到着。
行き交う屋形船と、橋を渡っていく東武線。遠くにはライトアップされた吾妻橋が見える。
いよいよ対岸は繁華街の浅草である。

隅田川の両岸は下流までテラスとして整備されているので、居心地がいい。
何故か勝海舟の像があったりと観光情報誌にはあまり載らないが、おすすめの場所。



すぐ近くにはアサヒビールタワーと、スーパードライホールが建っている。

浅草に来ると必ず見える、金色のアイコンはこのシンボルと言ってもいい。
こどもは必ず、「ウ〇コ」と覚えるのだが、燃える炎をデザイン化したものらしい。

お隣のアサヒビールタワーはビールジョッキをイメージしているのだが、知らない人が多いだろう。

吾妻橋を渡っている最中はスカイツリーが並んで見えるのだが、アサヒの存在感が凄まじく、スカイツリーが霞む。
完成から25年以上経っているが、色あせない存在感である。






橋を渡りきれば、浅草駅。
近年改修工事が行われ、美しさを取り戻した東武浅草駅兼松屋浅草店。

東武鉄道が、無理やり進出して起点としたほど、前世期の浅草は栄えていたらしい。
ビルの3階に東武線のホームがある構造はいかにも私鉄ターミナルっぽくて好き。

日本はヨーロッパのような櫛形のターミナル駅を造らずに、通過型の駅が多いのは鉄道が軍事輸送に重宝されていたためだという。
最近では、東急東横線の渋谷駅のように相互乗入れを重視して櫛形ターミナルを捨てるケースもある。





しばらく歩けば、浅草寺の雷門に到着。
小中学生の頃は幾度も訪れたが、夜に来たのは初めてだ。

夜の寺院など何もないような気がするが、意外と人は多い。
浅草寺に続く仲見世も、大半の店舗は閉まっているが、雷おこしや人形焼のお店はまだ商売をしている。
19時半を回っているのにご苦労様です。

 







浅草寺境内も本堂は閉まっているものの、主要建築はライトアップされている。
仁王様までライトアップされていて幻想的な雰囲気である。

右を見ればスカイツリーが、左を見れば五重塔がある。
100年前には浅草十二階こと凌雲閣もあった。

浅草は塔の似合う街である。



そろそろ夕食でもとろうかとフラフラ歩いていると、呑みが好きな人々は旧浅草六区近くの飲み屋に吸い込まれていった。
確かに、これからの時期は露店のように道路に席を出したお店で飲むのも一興。
残った我々も、夕食を探そう。






ふらふらと伝法院通りや観音通りを渡り歩いて、辿り着いたのは創業明治十三年の神谷ビルである。
登録有形文化財にも指定されている本館1階は電気ブランで有名な神谷バー。

私たちは2階に上がってレストランカミヤにお邪魔してみる。
カレーライスやチキンライスを頼んで、ほっと一息。

ノスタルジックな店内、暖かい電球の下ではなんともお酒を飲みたくなってしまうが今日は我慢。

 



夕食後は隅田川沿いの隅田公園で一休み。
呑み屋に入っていた人たちがすぐに切り上げて帰ってこないことはうすうすわかっていた。

それだから、スカイツリーでも見ながらのんびりと散策。

隅田川とスカイツリーの周辺にはGTS観光アートラインと呼ばれる観光ルートがあって、多くの野外アート作品がちりばめられている。
GTSとは藝大・台東・墨田の頭文字を採ったものらしい。

現代アートというものはよくわからないが、出会えたら何となく楽しいから好き。






グリーンプラネットという作品も不思議だ。
台東区の観光サイトによれば「宇宙の気を集めるお椀の形は隅田川と調和し、この場所を、一つのパワースポットに変えてしまうような作品です。」とある。
御椀の中を覗く友人は宇宙へトリップしているようにも見える。



さてさて、呑み組が満足したころには解散しようと思っていたのだが、まだまだ元気なようなので次の目的地へと向かう。
行先は夜の上野公園。
上野なら銀座線で一本だが、都営ワンデーパスを持っていたので蔵前駅経由で上野御徒町駅から歩く。


御徒町方面から北上すると、まず上野公園の入り口となる大階段が現れて、上り詰めると西郷さんがいらっしゃる。
この上野公園を船に例えれば、西郷さんは船頭といったところである。

普段は賑やかな西洋美術館も、動物園前もすっかり静まり返っている。
大噴水の先には国立博物館の本館が堂々と建っている。


上野動物園のほど近くに、立派な台座付きの銅像が立っているのを見つけた。
こんなものがあったろうかと思った矢先、友人からの「誰?」という問いに言葉を失ってしまうのであった。

それにしても月明かりが綺麗だ。
(後に調べると小松宮像でした)

 

さらに奥へ進むと、こども遊園地。
昭和時代の小型のライドアトラクションが静かに眠っている。

井の頭自然動物園の園内にもこのような小さな遊園地があって、いつかみた雨の中、屋根付きのカルーセルで遊んでいた小さな男の子の姿が忘れられない。
眺めていると物悲しくなるのは、懐かしさ故なのか、それとも無人の機械たちへの憐れみなのか。

人を乗せるための機械のそばに人気がなくなると、存在意義が宙ぶらりんになってしまって不思議な異世界が出来上がる気がする。


気付けばもう1日が終わろうとしている。
花園稲荷や清水観音堂を横目に、帰路へ着こう。

日中、365日賑わっている場所を、あえて夜間に歩いてみるのもいい。
浅草が日没以降も楽しめる街だということを知って、東京の光のしぶとさを感じてしまったのだが、上野公園はひっそりとしている。
丸の内と同じく、昼夜の人口差の激しい場所である。

さて、次はどの街を歩こうか。


KITTE 屋上庭園

2015-06-15 00:10:20 | 東京都



東京駅丸の内駅舎が復元されたのと同じ2013年、駅舎の目と鼻の先にある東京中央郵便局が取り壊され、JPタワーが落成しました。
丸の内駅舎が建て替えを免れて復元されたのに対して、中央郵便局は外観と内部の一部保存という中途半端な結果になってしまいました。
どちらも近代建築として歴史的価値の高いものでしたので、両者の取った方針は注目されました。

そんなわけで、元東京中央郵便局はJPビルの1階から6階部分に外観とどめており、内部は日本郵便が初めて手掛ける商業施設となっており、KITTEと呼ばれています。
外観の近代建築からは想像もつかない現代的なオシャレな空間に仕上がっています。

商業施設はいいとして、6階の屋上庭園と2階3階ににあるインターメディアテクはおすすめです。
インターメディアテクとは日本郵便と東京大学総合研究博物館が共同で運営するミュージアムであり、東京大学のコレクションを中心に展示されています。
生物や地学などの標本から民族美術作品まで陳列され、展示物への興味もさることながら、19世紀風の海外の博物館のような統一性のある空間デザインも魅力です。








さて、続いて6階の屋上庭園ですが、東京駅の丸の内駅舎をを望むことができることで有名です。
地上6階なので、標高がさほど高いわけではありませんが、再開発最中の丸の内ロータリーや東京駅を発着する新幹線や在来線を眺めることができます。

屋上庭園内には芝生やベンチが整備され、憩いの場となっているようです。
様々な種類の車両が見れることもあって、親子連れの姿も見受けられます。






見所はやはり丸の内駅舎です。
辰野金吾の代表建築はドームを復元することにより威厳を取り戻したかのようです。

東京駅や横浜駅などの巨大ターミナル駅では、いつもどこかで工事が行われています。
それでも駅舎の復元が終了し、いよいよ駅前ロータリーの工事を残すのみとなりました。

重機や資材が置かれたごたごたした光景も、そろそろお別れかもしれません。
工事が終わったら、東京には数少ない広々とした駅前になりそうです。




斜めから鑑賞する駅舎もなかなかです。


復元されたドーム部分。


駅舎だけを切り取るとロンドンのようです。


地上6階と言えど、遮るものはなく見晴らしはよいです。


駅舎の背後がホーム。
手前のはとバスと奥のE7系新幹線が目に留まります。


八重洲口方面を望む。
東京駅周辺の開発は比較的遅かったため、高層ビルはガラス張りのスタイリッシュな建築が多いです。


東海道新幹線がひっきりなしに到着しては出発していきます。


在来線も忙しそうに流れていきます。



電車以外にも働く車もたくさん眺めることができます。