Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

大蔵運動公園

2015-05-18 19:28:26 | 東京都

世田谷区の大蔵にある大蔵運動公園は、各種運動施設が揃った総合公園です。
バス通りを挟んで砧公園が隣接しているため、緑の多いエリアです。

公園内入り口には立派な門が建ち、世田谷区総合運動場体育館に向かって噴水のあるメインストリートが造られています。
この体育館、直方体をしているのですが、正面から見るとピラミッドのようにも見えます。

砧撮影所が近いため、円谷作品の「帰ってきたウルトラマン」や「ウルトラマンレオ」のロケにも使われていました。

その他にも、陸上競技場をはじめ野球場、野外テニスコート、近年リニューアルされた温水プールなどがあります。
土日にもなると、試合でやって来た中学生などで賑わっています。





児童遊具のある広場にはD57が静態保存されています。
近くまで寄って見学できるのがうれしいです。





よく団地などの小さな公園にあった謎の遊具は同じ向きで3つ置かれています。
子供ながらに使い方がよくわからずに遊んでいた記憶がありますが、3つも並べられてしまうともっとわかりませんね。





目つきの悪い猫がこちらを伺っていました。







公園内にはいくつか公衆トイレが設けられていますが、陸上競技場裏のトイレがちょっと不思議。
手前の花壇部分に砂と石が置かれ、枯山水のようになっています。

背景の光沢タイルとの対比も面白いです。
誰が考えたのでしょう。


氷川丸 機関室

2015-05-17 23:38:20 | 神奈川



横浜の山下公園に気づいた時から停泊しているのが、氷川丸。
舟の行き交う港でも、日常風景となっています。

この氷川丸は、今から約85年前の1930年に建造された貨客船です。
当時の最新式であったこの船は横浜-シアトル航路に就き、戦中は海軍の病院船としても活躍しました。

戦後はシアトル航路に復帰し、就航30年後になる1960年に引退しました。
30年の間に太平洋を横断した回数は254回に上りました。

翌年の1961年からは、この山下公園で第二の人生を送っています。
2003年には横浜市の有形文化財にも指定されました。
現在では第二の人生の方が長くなってしまいましたね。


船内は「日本郵船氷川丸」として公開されており、一般300円で見学可能です。

内部では一等客室や操舵室などが見学できますが、そのなかでも圧巻なのが当時の機関室です。
30年間氷川丸を動かしてきた大規模な機械類を間近で見学することができます。

四層にもわたる機関室は氷川丸の心臓部。
近代産業遺産としても価値が高く、ダブルアクティング・ディーゼルエンジンと呼ばれる当時最新鋭の技術が導入さていました。
無骨な機械たちは男らしく感じます。

機械たちが音を上げて動いていたのは50年以上前のこと。
往時に思いを馳せながら、静かな機械を眺めましょう。













 

 




日本郵船氷川丸

2015-05-16 01:00:32 | 神奈川




横浜の山下公園に気づいた時から停泊しているのが、氷川丸。
舟の行き交う港でも、日常風景となっています。

この氷川丸は、今から約85年前の1930年に建造された貨客船です。
当時の最新式であったこの船は横浜-シアトル航路に就き、戦中は海軍の病院船としても活躍しました。

戦後はシアトル航路に復帰し、就航30年後になる1960年に引退しました。
30年の間に太平洋を横断した回数は254回に上りました。

翌年の1961年からは、この山下公園で第二の人生を送っています。
日本近代化の産業遺産としても価値が高く、現在では横浜市の有形文化財にも指定されています。


船内は「日本郵船氷川丸」として公開されているので、誰でも見学することができます。
入館料も一般300円と良心的なので、おすすめです。










桟橋から、船内に入るとエントランスロビー。
ロビーはリニューアルされて広い印象を受けますが、回廊へと進むと天井は低く、幅も狭いです。
壁面もペンキは上塗りしてありますが、年季が入っていることを伺えます。





 

突き当りにあるのは一等食堂。
床は中央が高く、両端に向かって低くなっています。
決して広い空間とは言えませんが、落ち着きのある空間です。

吹き抜けの階段を上がると、一等社交室があります。






シアトル航路に就いていた時代の実物資料を展示したコーナーでは、乗客が船旅をどのように楽しんでいたかよくわかります。
ダンスパーティにトランプゲームと、到着までの間は優雅な?船旅を満喫していたようです。







お手洗いの看板や禁煙室のガラスなど細やかな意匠がお洒落。
一等客の利用するエリアは、全体的にアールデコ調の装飾がなされており、眺めるのも楽しみです。






一等客室も内装に凝っています。
特に一等特別室はリビングと寝室、シャワールームの3室から成っています。
どのような人が利用していたのでしょうか。




ひととおり内部を見たあとは、屋外デッキに出ます。
晴れた日は気持よいであろうデッキにはベンチが用意されており、みなとみらいを眺めながら寛ぐことができます。

急な階段を上ると船長室と操舵室があります。









海上を見渡すことのできる操舵室は年季の入ったごちゃごちゃしたものが備え付けられ、この船の司令塔といった雰囲気。
奥には無線室も備え付けられています。

操舵室中央にある神棚には氷川神社の御守が飾られています。

操舵室の直下が船長室になっており、パイプを使って直接連絡が取れるようになっていました。
今では考えられないほどアナログな手法・・・
現在の船舶はどのような操舵室があるのか気になってきます。







もう一度内部に戻ると、階段を2階分下って機関室へと行きます。
ここはこの氷川丸見学コース内で最後のハイライトとなっており、壮大な内部空間に圧倒されてしまいます。

いわば、この氷川丸の心臓部となっており、無言の機械が85年の歴史を物語ります。

優美な客室階もいいですが、無骨な機械室も素敵です。


 

そして、最後には3等客室。
一行客室を見て来た後に見ると、なんとも窮屈そうな空間でしょうか。
これが一般人の世界です。

機関室も近く、音も響きそう。

 


荒川土手にて空を見る

2015-05-14 23:25:07 | とりっぷ!



大学に入ってからは「ただただ自然を前にぽかんとする会」的なのを立ち上げようかと思っているくらいに、落ち着ける場所を求めて彷徨ったりもしている。
目に前に広がる大きな自然を、ただただ見つめたい。

小田急線から見える多摩川の河川敷も素敵だが、たまには遠征してみようと、東の方へ行ってみよう。

スカイツリーの御膝元の押上駅から、京成曳舟線という聞きなれない電車に乗る。
ホームに滑り込んできた列車は、親しみやすい顔をしたちょっと古そうな車両。
薄暗く感じる車内も何となく落ち着く。

押上駅から地上に出て、下町をゆっくりと走っていくと荒川を渡る。
今回はこの、荒川に行ってみよう。







下車するのは四ツ木駅。
綺麗な高架駅だが、駅前はしんみりとして寂しい。

それもそのはず、すぐそばには綾瀬川が流れていて、その先は荒川である。
綾瀬川に沿って首都高速の高架橋が立ちはだかっている。

しばらく綾瀬川を南下すると、対岸を結んでいる木根川橋を使って中洲に渡ることができた。









綾瀬川と荒川に挟まれた中洲は一応、荒川河川敷と呼ばれてサイクリングロードが設けられている。
そのため、基本的に歩行者と自転車しかいない世界である。

この条件がまた落ち着く。







対岸の土手まではざっと400m。
それだけの距離でも視界はずっといい。

スカイツリーをはじめとした高層建築のシルエットが地平に広がって、あとは空だけ。

よく晴れた日には富士山が見えるらしい。
そう簡単に山が望めないのが、東京の東側の特徴であろう。



 

背景を貫いているのは首都高速中央環状線。
少し下流で綾瀬川が中川に合流するため、高架橋が河川敷の方に渡って来るようで、ゆるやかにS字を描いている。
この部分はかつしかハープ橋といって世界初の曲線桁斜張橋らしい。
確かに、シンプルながらも美しい橋である。



 



土手の草むらに腰を下ろして移りゆく空の色を楽しむ最高のひと時。
雲が流れている合間に、対岸の街に明りが灯り始めていく。

時が動いていることが、ゆっくりではあるけれども実感できる。


今日のスカイツリーは紫色だ。








周囲には散歩をする人や、写真を撮影に来ている人など、宵のうちは人気もあって安心である。
河川敷を南下すると、知る人ぞ知る「東京タワーとスカイツリーが同時撮影できる」場所がある。

しかし、高さの低い東京タワーの方が遠い距離にあるため、小さすぎていたたまれなくなる。

 

歴史的に見てしまえば、東京を流れる荒川も人工的につくった放水路。
人為的な自然でも、時を経た現代の東京では私の心を癒してくれる。


川は地域区分はあるものの、何処にも属さない空間である。
文化や人が分断され、流れを止める。(正確には下流に流してしまう)

だからこそ、何も残らないぽっかりとした空間がずっと残っていていい。
毎日の生活とは、ちょっと距離を置ける場所でもある。


児玉神社 狛犬

2015-05-12 23:31:39 | 鎌倉日和

 


江ノ島の隠れた神社である児玉神社。
参道商店街を登りきったあと、江島神社の大鳥居からまっすぐ参道も登らず、エスカーにも乗らず、左手の階段を登っていく途中に石鳥居と看板があります。
ここが児玉神社の入り口で、観光客は見向きもせずに通り過ぎていきます。

鳥居の先にある木々に囲まれた長く細い参道をしばらく歩くと、社殿に着きます。
最初の鳥居をくぐるときは北を向いていたはずが、社殿に着くころには南を向いているという不思議な構造です。

この児玉神社は1921(大正10)年創建の神社で、御祭神は児玉源太郎(1852-1906)です。
陸軍参謀であり、台湾総督でもあった児玉の功績をたたえて創建されたといいます。

神社の設計を担当したのは伊藤忠太です。

 





この神社で特徴的なのは狛犬。
狛犬と獅子はどこの神社でも必ずいるものですが、ここの狛犬は少し仕様が異なるのです。

まず、どちらも口がぽっかりと空いています。
そしてその口の中を覗いてみると、玉が入っており、転がすことができます。




初めに見たときは驚きましたが、
この狛犬は祭神が台湾総督として台湾の近代化に尽くした経緯から、地元から寄贈されたもののようです。

台湾ではメジャーなのでしょうか。
日本でもいくつかの神社に残っているようで、大変不思議な狛犬です。


それにしても、ころころと転がすのは楽しいので是非体験してみてください。


清春芸術村

2015-05-09 00:11:45 | 甲信越

近年、書店の観光情報誌のコーナーに年に一度くらいは「美術館」を特集した雑誌が置かれているような気がします。
例えば、現代美術館や芸術祭で地域の活性化が成功していることも多く、「遠くとも訪れたい!」魅力的な美術館が日本にはたくさんあるのです。

私も、青森県の十和田市現代美術館や岐阜県のMIHO MUSEUMには是非とも行ってみたいと思っているところです。
遠いのでなかなか機会を見つけることができないでいるのですが・・・

関東からもほど近い山梨県の山間にも、魅力的な美術館がありました。





JR中央本線の長坂駅からバスで10分、駒ヶ岳を望むことのできる静かな場所にある清春芸術村は廃校になった小学校の敷地を利用した芸術空間です。
桜の木々に囲まれた敷地内には、美術館を中心として建築が集う空間となっています。

この芸術村を設立したのは吉井画廊のオーナー、吉井長三氏でした。
芸術家たちの創作活動の場として、この地を選んだ吉井氏は、1981年に中心となる施設「ラ・リューシュ」を建設。
現在は2つの美術館、6つの建築、5つのモニュメントがあります。


現在中心となっているのは、小学校時代は校舎があったであろう高台に位置する「清春白樺美術館」。
設計は谷口吉生氏で、白樺派の作家たちの作品を展示しています。

芸術村の設立者であった吉井氏が、武者小路実篤や志賀直哉と親交があったため、彼らの夢であった美術館構想を実現させたのがこの美術館だそうです。
小規模ながらも、高低差のある回廊など谷口氏の凝ったデザインが随所に感じられます。

 



正門から、目の前にあるのは初期に建てられた「ラ・リューシュ」。
なんだかカルーセルのような円筒形をしていますが、これはフランスに実際にある建築の模造です。
パリ万博のパビリオンとして建てらた、ラ・リューシュは、その後多くの芸術家を輩出した集合アトリエとして利用されてきたそうです。
オリジナルの設計はギュスターフ・エッフェル。

創作活動の場としてふさわしい建築をこの地にも建てたのでしょう。
建物背後にはいくつかの建築が建つ、広々とした芝生が広がります。

 



ラ・リューシュの背後にはセザールによる「エッフェル像」とエッフェル塔階段です。
エッフェル塔完成100年を記念して、老朽化により取り替えられることになったエッフェル塔のらせん階段が24分割されて配られました。
そのひとつが、この芸術村に設置されています。
頂上にはフランス国旗がたなびいています。



 



この施設で最も新しい建築は「光の美術館」。
設計は安藤忠雄氏。打ち放しのコンクリートの仕様は安藤建築らしいです。
規模は一戸建て住宅くらいなもので、箱のような美術館です。

一見、面白みのない建築ですが、この美術館の個性は建物裏側に回ってみると分かります。



 



直方体の西南方向の角が、スパッと切り取られています。
この建物内部には照明は無く、自然光のみで作品を鑑賞することができるのです。
館内の雰囲気が、四季や時間の移ろいで表情が変わるという構造がおもしろいです。

コンクリートの静謐とした雰囲気と天井から射し込む温かみのある自然光の対比が素晴らしい・・・
館内ではスペインの画家 アントニ・クラベーの作品を展示しています。


 



桜の木に混ざって建っている「茶室 徹」は藤森照信氏の作品。
藤森氏の作品は独創的であって自然に近い作品が多いような気がします。
この茶室も、ムーミンに出てきそうな雰囲気があります。

作品を見るだけで、楽しくなってしまって登ることができないのが残念。

氏は生まれが長野県茅野市のため、同市に多くの作品を建てています。

 



白樺の木々の先にある小さな礼拝堂は、白樺美術館と同じ谷口吉生氏の設計。
題名は「礼拝堂」ですが、ジョルジュ・ルオー記念館と副題がついています。

20世紀の宗教画家であるジョルジュ・ルオーの遺族から寄贈された作品を展示しています。
この建築もコンクリート打ち放しで、宗教画家の作品展示にふさわしいシンプルかつ静かな空間をつくり出しています。

間接的に外光を取り込む天井も素敵です。






芸術家たちの創作の場としての芸術村。
都会の喧騒とはかけ離れたのどかな環境はまさしく桃源郷であり、その雰囲気の中で芸術鑑賞することができるのもまた贅沢なものです。

観光客も多くなく、日本でも有数の居心地の良い空間であると思います。




◆ひとことメモ◆
JR中央本線長坂駅からのバスは1日3本程度です。
高低差が大きく人気の少ない道ではありますが、徒歩40分程度で着きます。

小淵沢駅からもバスが1日3本出ています。


タワーホール船堀 展望室

2015-05-08 01:22:10 | 東京都




 

 

 

 


都営新宿線・船堀駅の目の前にあるタワーホール船堀。
ここは地上7階建ての複合施設で、会議場やイベントホール、地下には映画館も入っています。

施設上部は高さ約120mもの塔になっており、地域のシンボルとしても知られているようです。
ビルに乗っかるように建てられたタワーは付け根部分を見ると非常に不安定な形をしています。
左右に2ヵ所を鉄骨で支える構造も無骨な感じがしておもしろいですね。

このタワーが造られた目的はわかりませんが、地上115mの位置に展望室があります。
区民でなくとも、誰でも無料で登頂することができるのです。

展望台の利用時間は9:00から21:30。
無料展望室にしては夜遅くまで開館しているので、季節を問わず夜景も楽しむことができます。

 



船堀駅の改札を出て、徒歩1分。
展望室へはまず施設内のエレベーターで7階まで登り、そこから展望室行きのエレベーターに乗り継ぎます。
エレベーター内にはエレベーターガールがおり、展望からの眺望などの説明を行ってくれます。


展望室はブルーを基調とした落ち着いた空間。
塔に備え付けられた展望室のため、やや狭い印象を受けますが、360度のパノラマは見ごたえがあります。

また、江戸川区など東京の東部にあたる地域には高い建物が少ないため、街並を眺めることができる希少な場所でもあります。


 

眺望のほとんどはびっしりと地上を埋め尽くす住宅地。
もともと低地だった場所なので、川は多くても森林は少ない地域です。

窓には主要な建築や名所の場所を説明したシールが貼られているので、実際に探してみるのも楽しいかもしれません。
 

 





西の方角には船堀の巨大団地群が広がりを見せ、中川と荒川に隔てられた彼岸にはスカイツリーが孤立しています。
墨田区や江東区などの下町には、まだタワーマンションは少ないようです。

数分おきに、新宿線の電車が高架線を走っている姿が見えます。

 



北西に目を移せば、蛇行する荒川と中川が見えます。
中洲を走るのは首都高速中央環状線。
東西方向に走る首都高7号線や京葉道路をオーバーパスするように走るため、眺望は良さそう。
ビルが立ち並んでいるのは総武線沿線でしょうか。

 



北の方角は遠く茨城県まで続く平野。
タワーの下から北へ伸びる道路は船堀街道です。
空気の澄んだ日には筑波山も見えるといいます。


 





東の方角には東京湾も望むことができます。
江戸川区は東京でも最東端に位置しているため、江戸川から先は千葉県です。
団地やタワーマンションが林立していて、旧江戸川や江戸川を確認することは難しいです。

直下にはタワーホール船堀の屋上が見え、その姿は空母か宇宙船のようにも見えます。
都営新宿線は船堀駅を出ると、再び地下へと潜って行きます。

 






最後に南の方角。
葛西まで伸びる船堀街道と、東京湾にそそぎこむ荒川が望めます。

湾岸部には見えにくいですが、葛西臨海公園の大観覧車や若洲の東京ゲートブリッジの姿も確認できました。
さらに遠く西南の方向には、京浜工業地帯を抜けて、横浜ランドーマークタワーのシルエットも見えます。

 



都内にはいくつかの無料展望室がありますが、360度の景色が楽しめる場所は意外にも少ないのです。
住宅地ばかりではなく、河川や海などの自然もあり、鉄道や高速道路なども眺めていていて飽きません。
休日でも比較的すいている穴場スポットなので、気分転換にも利用するといいかもしれません。


東京都現代美術館

2015-05-05 01:33:30 | 東京都





 

 

 

 



東京都江東区にある東京都近代美術館は現代美術館としては国内最大級です。
開館は1995年。開館20周年を迎えた現在でも、古さを感じさせない建築も見事。

三ツ目通りに面した入り口から、常設展示室まで続く回廊は自然光が射し込む明るいつくり。
木場公園に面した南側がガラス張りになっていて、木々を眺めることもできます。

最近では色とりどりのソファが置かれていて、来館者の人気を博しているようです。



常設展はMOTコレクション展と呼ばれ、常時開催されています。
展示室は館内の1階と3階にあります。

この美術館は約4700点と、非常に多くのコレクションを有しており、常設展も企画展開催期間に合わせて展示替えを行っています。
そのため、何度訪れても新しい作品に触れることができ、リピーターも多いよう。

2015年は開館20周年にあたる年なので、コレクション展でも様々な企画が行われています。
中でも、「東京コレクション」と呼ばれる展示では、世代を越えた東京にまつわる作品が集められています。
多様なコレクションを有している美術館ならではの展示です。








企画展示室は地下1階、地上1階、3階の3ヶ所にあります。
2階分を同じ展覧会で使用する場合もあれば、3ヶ所とも別の企画展が行われていることもあります。


国内外の幅広いテーマ・ジャンルの企画展を開催しており、2つ以上の企画展が催されているときはセット券も発売されています。
展示室は天井が高く、広々とした印象で、巨大なインスタレーション展示にも対応しています。

時折、写真撮影が可能な展覧会も開催されているので、コンデジがあると嬉しいです。






企画展・常設展とも入館料が必要ですが、ミュージアムショップやカフェなど誰もが利用できる施設もあります。
建築を眺めるだけでも見ごたえあり。
野外にいくつかのパブリックアートも設置されているので、散策もおすすめです。

 


高さ1.5m! 高輪橋架道橋

2015-05-04 21:49:07 | 発見!不思議な世界



JR東日本は、山手線の品川駅と田町駅の間に新たに新駅を設置するということを発表した。

この区間もともとは山手線内でも駅間距離が長い場所であった。
それもそのはず、品川-田町駅間には東京総合車両センター田町センター(旧田町車両センター)と呼ばれる広大な車両基地があったからである。

田町センターは長らくの間、東海道線を中心とした車両の点検・整備の場として活躍したが、2014年3月に上野東京ラインの運転が開始されるの機に、規模を大幅に縮小することになった。

縮小した際に出る創出用地は、2020年に開催される東京五輪に向けて再開発が行われる。
その中心となるのが、山手線の新駅設置である。


前置きが少し長くなってしまったが、この車両基地の地下には高輪橋架道橋と呼ばれる1本の道路が通っている。
広大な車両基地に分断された東西を結ぶ唯一の道路でもある。
その道路が色々と個性的なので、再開発が行われないうちに行ってみることにした。




やって来たのは都営浅草線泉岳寺駅。
A4出口から地上に出て、第一京浜沿いにある高輪大木戸跡を過ぎると、一方通行の道路が並走する山手線の線路方面へと伸びている。
ここが高輪橋架道橋へと繋がる道路なのだが、まさか通り抜けられる道だとはわからないだろう。

少しばかり道沿いに進むと、ガード下の制限高を告知する規制標識が立っている。
その数字は1.5m。自動車なのでぴんと来ないかもしれないが、人間で考えると非常に低い。
日本人の平均身長は男性で1.71m、女性で1.58mだというから、平均身長を大きく下回っている。

気を引き締めて、先へ進むと、道路はクランク状に折れ曲がりながら、高架下へと潜っていく。

手前から山手線、京浜東北線の順に高架橋が並んでいる。
営業路線だけではなく、先述の通り車庫や新幹線の高架橋も連なっていることから、200m以上の距離があるのだ。






一番手前の山手線の錆びた高架橋には再度確認するように制限高1.5mの文字が書かれている。
ここからはこうべを垂れて歩かなくてはならない。

自転車に乗った地元の少年たちは、スピードをあまり緩めることなく突入していったから驚いた。






鉄骨剥き出しの橋梁のため、振動はもちろん風圧や走行音がそのまま伝わってくる。
レールはわずか5cmほど上にあるのだから当たり前のことではある。

どうにか真下を歩行中の高架橋に電車が来ないことを祈るしかない。
山手線は日中3分から4分間隔で走っているので、高確率でやって来るから怖い。





山手線を潜り終えると、京浜東北線の高架橋はやや高い位置を走っているため、小休止区間がある。
最初の山手線はお試し的な感じで、ここからが本番ということだろう。
TDLのスプラッシュマウンテンが序盤で少しだけ降下するのと似ている。

ここから先は継続的に高架線が続くので、外光は射し込まないトンネルのような区間だ。






カメラで撮影すると明るく映ってしまうが、内部は非常に暗い。
照射灯も1.5m以下の場所から照らしているためであろう。
道路は一方通行のため、歩道スペースは十分に確保されている。

上空から聞こえてくる轟音に脅かされながら、200m歩くのは正直つらい。
人気がないのも少し不気味だが、かといって向こう側から人が頭を垂れて歩いてくるのも怖い。

奥へ進んでいくにつれて、少しづつ天井が低くなっているようにも思えてくる。






この道は以前、水路であったらしく、それを道路へと転換したらしい。
それならこの低い高さも頷ける。

コンクリートで埋め立てられてしまって、水はけは悪いらしく、入り口付近には「冠水注意」の標識もあった。






抜け道として利用されているためか、自動車は頻繁に通る。
特に多いのはタクシーで、昔は自動車上部に取り付けられた社名表示灯がこの高架橋で無残にも散る事故が多発した。
そのため、「行燈殺しのガード」の異名を持っていたらしい。

現在では、この道路を通ることができるように表示灯を改良したタクシー会社もあったという。
東京都下にまだ、このような場所が残されていることが不思議である。


ちなみに、この制限高1.5mという数字は国内で最も低いわけではなく、大阪には1.4mや1.2mといった強者が現在でも残っているという。
自動車の通ることのできる道としては、都内で最も低いであろう。

新駅設置と再開発によって、今後の動向が気になるところではあるが、ひそかに残ってくれることを期待している。


週末の地下たび

2015-05-04 01:15:47 | とりっぷ!

フリーパスを購入して、久々に1日周遊の旅。
都営交通では土日祝日に地下鉄が乗り放題になるワンデーパスを販売していて、500円と安いのが嬉しい。

都営地下鉄は4路線と東京メトロよりは少ないが、郊外まで路線を伸ばしているのが特徴である。
今回は目的地をあらかじめ決めることはしないで、気ままに東京を巡ってみた。






まずは、先約あった東京都現代美術館。
講義の一環で、現代美術のお勉強である。

清澄白河駅が最寄り駅であるが、若干遠い。
それでも木場公園に隣接した施設は大きくて見ごたえがある。
常設展、企画展共に何度か訪れたことがあるが飽きることがない。

今回は常設展のMOTコレクション展とバックヤードを裏側からの視点で解説していただいた。

ここの常設展は企画展が変わるごとに展示替えをしているから、毎度異なる作品を鑑賞することができて好評だという。





企画展として行われていた「ガブリエル・オロスコ」展は日本における自身初の個展。
名前は知らなかったものの、作品はおもわず見入ってしまうものが多い。

パンフレットにも載っている変型した自動車は、彼が1950年製のシトロエンDSを実際に分割して張り合わせたもの。

溶接も上手くできており、眺めていると惚れ惚れしてしまう。
レーシングカーにも見えてくる。

現代美術はただ、ぼんやり眺めているのが楽しい。
展示室も広々としているので、鑑賞もしやすくて好きだ。





現代美術館で知識を満たしたあとは、菊川駅まで歩いて、都営新宿線に乗る。
新宿線は地下鉄では珍しく急行運転を行っている路線。
ホームで電車を待っていると、勢いよく通過したりするから驚く。

次に向かったのは船堀駅。
大島駅を出ると、いきなり地上に出てそのまま高架線を走る。
東京の東側には河川が多いためであろう。

荒川の鉄橋を走り抜けると船堀駅だ。
駅前にはタワーホール船堀という江戸川区の複合施設が建っていて、ちょっとおもしろい形の塔があるのだ。

改札を出た右手には予想以上に大きな塔が聳え立っている。
しかも、ちょっと太い棒がビルに突き刺さっているよな不思議な塔。

この塔はなぜつくられたか経緯は不明だが、塔には展望室が備え付けてあり誰でも無料で登頂できる。






展望室内は狭いものの360度のパノラマが楽しめる。
周囲に高い建物が少ないため、見晴らしは最高である。

荒川より西に目を向ければ、高層ビル群とスカイツリー。
南方向には観覧車とゲートブリッジなど東京らしい風景を望むことができる。

夜は21:30まで空いているという懐の深い施設なので、いつか縁があれば夜景も眺めてみたいものだ。





次はもう一度、新宿線で都心部に戻る。
神保町で下車して、いくつかの古書店の品をチェックしつつ軍資金がないことに嫌気がさして、すぐに地下にもぐる。

新宿線より深い場所を走る三田線に乗る。
高島平まで足をのばして、高層団地群を鑑賞するのもいいが、片道30分は遠い。
団地はあきらめて、三田駅乗り換えで浅草線の泉岳寺駅で下車。

駅名の通り、忠臣蔵の赤穂義士46名の墓地がある泉岳寺の最寄駅でもあるが今回は立ち寄らない。
私がかねてから訪れてみたかったのは高輪橋架道橋だ。





JRの田町車両センターの下を潜る、高輪橋架道橋は天井が非常に低いことで有名な道路。
近年では様々なメディアでちまちまと取り上げられているので知っている人も多いかもしれない。

制限高はなんと1.5m。
日本人の平均身長を大きく下回る数値である。
狭い道路なので利用者は少ないかと思いきや、タクシーが頻繁に通る。
学生と思わしき人々も頭を下げながら吸い込まれていく。
意外と利用されているようだ。





近隣には高輪大木戸跡もあった。
江戸時代、東海道に位置する高輪には治安維持と交通規制のため、大木戸と呼ばれる門が設けられていた。
他に四谷にも設けられていたようだが、痕跡が伺えるのはここだけのようである。
東海道の隅に、石垣だけが残っている。


最後に浅草線に乗って、戸越駅へ。
夕暮れ時の戸越銀座の活気に触れてから、東急線で帰宅。

久々に休日の気ままな旅。
地下鉄は景色が見えないし、狭苦しいが、目的地へのワープ手段だと思えば非常に便利である。
東京の地下を縦横無尽に走り回っているから、気になった場所へすぐに向かうことができる。

気になる場所は日に日に貯まっていくから、たまにはこうして消費しよう。
疑問を知識へと還元しに出かけよう。