Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

夜の鎌倉〈ちょっぴり怖い夜〉 その2

2015-11-28 23:42:05 | とりっぷ!



夜の鎌倉の闇は深い。
いよいよ名越の切通へと足を踏み入れると、獣道さながらの散策路には容赦なく大岩が転がっていて足元はおぼつかない。

耳を澄ますと虫の声がする。
それ以外は静まり返って物音がしない。

遠くで軽い金属音がするのは横須賀線が走っている音だろうか。


夜の闇に中世来からの歴史がのしかかってきて重苦しいのは気のせいではないだろう。
そこに現れる不気味な顔。
幼い頃に懐中電灯を持たされると必ずやってしまうチープな演出も、この場所だとなかなかの迫力を持っている。


上り勾配が一段落すると、名越切通を示す杭が立っていた。
そこからは蛇行した道を進む。

途中には左手にまんだら堂、右手の崖下に火葬場を眺めながらのコースとなる。
まんだら堂は鎌倉最大規模のやぐら群で、やぐらとは中世鎌倉特有の墓地である。
言い換えれば、鎌倉時代最大の集合墓地だ。

整備のため長らく立ち入り禁止であったが、最近は日を限って公開しているという。
いつか見てみたいものだが、きっと中世は土葬だろうなあとか思いつつ、そそくさと、入口を後にする。


ここ、名越切通は以前に一度、もちろん昼間に訪れたことがあるが、夜間に来ると記憶が全まったく頼りにならない。

気がつけばまた若干の上り勾配になっていて、上りきったところに、小坪方面へ降りる分岐点があった。









その先は下り勾配、いよいよ逗子方面へと繋がる道である。
ここから逗子に出てしまっては帰りが遅くなるので、途中の断崖だけを見にいく。

切通しの醍醐味である狭く競り立った崖。
三方を崖に囲まれ、洞になった空間。通路は恐ろしいほどに狭くなっている。

中世の防衛線の跡が、現在でも見てわかるほどに残っている。
今にも武者が崖の上から立ち現れて、弓矢をよつぴいてひやうと放ってくるかと思えるほどである。


鎌倉七口の中には極楽寺坂のように自動車道路に開削されたり、巨福呂坂のように廃道になってしまったものもあるが、
比較的標高が高く、険しかった名越は幸運にも残ったのであろう。


さて、もう一度分岐点へ戻って小坪方面を目指そう。







つづら折になった急な階段を降りていくと、謎の巨大な広場へと到着した。

用途の分からぬ、ぽっかりとした空間。
三方を崖に囲まれた四角い敷地の先には家々の明かりも見える。
木々の繁る闇夜を潜るように抜けてきた私たちは少しばかり、狐につままれたような感じがした。


人里に降りてきた安心も束の間、広場の隅の方に何か柵で覆われた怪しい場所がある。
これはWEBをはじめとして知られている古井戸であった。

柵で覆われているのは、昔に子供が誤って転落死したからであると囁かれている。
真意は定かではないが、草木に覆われた古井戸には納得させるような怪しさがある。

しかし、柵は男性の胸下ほどの高さしかなく、井戸と同じ高さなので転落防止用としてはあまり役立っていないようだが、そこで何かがあったことは物語っている。

井戸は地上と地下を繋ぐ境界であるとも考えられるから、不思議な噂はつきもの。
刑場跡や古戦場にはよく首洗いの井戸なるものが残されていて、覗いてはいけないという禁忌がある。



広場をあとにして、階段を下ると小坪の集落へと続く道路脇へと到着する。
この階段も奇妙で、上には広場しかないはずなのに、駅のホームへ向かう階段のように幅の広いコンクリート製の代物なのだ。
別に怖くはないが、用途が不明瞭でもやもやとする。

道路に出て、まっすぐ坂を下ると小坪の集落であるが、戻るように斜め左へと進むと、すぐに小坪七丁目の交差点にぶつかる。
トンネルに挟まれた不思議な交差点。
あの有名な名越トンネルはすぐそこである。



...続く


夜の鎌倉〈ちょっぴり怖い夜〉 その1

2015-11-25 01:19:31 | とりっぷ!



鎌倉という都市は意外と早く寝静まる。
観光の軸となる寺院は夕刻には閉門するから、観光客は日暮れには帰路につくか江ノ電で湘南へと移動する。

今回はちょっぴり怖い鎌倉ということで、夜も更けてからの鎌倉夜歩きである。
仲間がいればきっと怖くない。



終電がなくなってしまっては困るので、初の自動車で鎌倉入り。
第三京浜から横浜横須賀道路に乗り継いで、朝比奈ICで降りれば鎌倉はもうすぐ。

鎌倉七口のひとつとして知られる朝夷奈切通しのある金沢街道の峠を越えると、鎌倉市に入る。
峠の付近には鎌倉霊園が広大な闇をたたえている。

竹林の庭が有名な報国寺や坂東三十三ヵ所第一札所の杉本寺を通り過ぎて、八幡宮前左折。
普段とは異なる景観に少しばかり興奮を覚えながらも、段葛を南下する。

若宮大路の中心に造られた歩行者専用の段葛は現在修復工事中で、一面を壁に覆われている。

こうして自動車来ると気がつくのが駐車場の多さで、少しでも空き地があれば時間貸しの駐車場になっている。
運転に馴れない私であるから鎌倉駅近くの比較的大きなところに駐車。
30分300円とは非常に高い。

自動車を降りたらまずは腹ごしらえ。
時刻は21時。
ほとんどの店舗は閉店しているが、鎌倉駅前のファーストフード店はまだ営業していた。

夜の鎌倉を歩くには住宅地はあまりよろしくない。
ということで鎌倉七口のどこかを歩こうということになり、名越切通方面に向かうことに。
少しばかり作戦会議をして、眠くならないうちに再出発。








史層が深い鎌倉である。
さすがに夜の散歩は少しばかり恐ろしそうだ。

そう思うと、駅前の不二家のキャラクターもなんだか恐ろしく見えてくる。
普段は大賑わいの小町通りには人影も少ない。


若宮大路を南下して、横須賀線に沿うように左折して大町橋を渡る。


名越切通は鎌倉時代に逗子・葉山方面を繋ぐ主要道として開削された。
当時、三浦半島には三浦氏がいたため、特に念入りに整備・監視が行われていたに違いない。

山が険しく、人里離れているため、鎌倉七口の中でも古い形をよく残した切通しと云われていて、大切岸と呼ばれる断崖が迫る景観が印象的だ。
その一方で、いつの時代も死やケガレに結び付くものは生活圏からなるべく追いやりたいものである。

そのため、切通し付近にはまんだら堂と呼ばれる中世の葬送地である大規模なやぐら群が残されており、現役の火葬場もある。

そう思うと少しこわい。








一度、横須賀線の踏切を渡ってすぐに左折して路地に入る。
狭い道に鎌倉五水に数えられる日蓮乞水が無造作に残されている。
鎌倉の東側には日蓮ゆかりの史跡が多い。

しばらく歩くと左手に踏切が現れるので、もう一度渡る。
踏切内では上りと下りの線路が少し離れていて、山越えの隧道が近いことを示している。

鈍く光った鉄路が闇の中へと吸い込まれていく。


踏切を渡ったらすぐに左折、狭い道を登りつめるといきなりアスファルトが途絶えて山道になる。
振り返れば、先程の踏切が明るく光っている。
先程までの道も決して明るいとは言えなかったが、こうして眺めるとまだ明るかった。

ここからは明りはまったくない自然の道。
夜間に通る人はまずいない、中世の古道である。



...つづく


目白庭園 紅葉ライトアップ

2015-11-21 20:11:50 | 東京都




目白庭園は豊島区立の日本庭園。
近世近代以降の伝統的な庭園ではなく、1990年に造立された新しい庭園です。

目白の住宅街に位置するこの庭園は、近年紅葉の時期に夜間ライトアップを行っています。
道幅の狭い住宅街にあるので、見つけるまでもちょっとした冒険気分


さて、ぽっかりと現れる長屋門の入口をくぐると、園内は池泉回遊式の日本庭園になっています。
園内の中心には池が配され、その畔には数奇屋造りの赤鳥庵が建っています。

この建物は貸出が行われており、季節ごとのイベントが行われているようです。


入口から目に入るのは、池の先に広がる石塔を中心とした風景。
ライトアップは寺院や都立庭園のものとは異なり、色鮮やか。
この庭園の白眉とも言える印象的な風景です。

園内は小高くなった石塔エリア、最奥の滝見エリア、赤鳥庵横の芝生エリアに分かれています。
散策路は起伏に富み、滝の手前をや芝生エリア下の散策路には飛び石も配されているので、回遊式庭園の要素が凝縮されています。
決して広くない園内ですが、箱庭的な魅力があります。

すぐ近くに西武池袋線の線路があるため、踏切の警報器と走行音が定期的に聴こえてくる以外は閑静な雰囲気です。
昼間の入園料は無料です。(ライトアップ期間の入園料は200円)

足を延ばせば、立教大学や自由学園明日館もあるので散策にはぴったりです。







 



池を中心に散策路が周囲に巡っています。
石塔に対峙するように建つのは赤鳥庵、1階部分は散策路になっています。






石塔エリアのライトアップが園内のハイライト。
近年は著名なデザイナーに依頼するケースも増えていますが、ここでは照明デザイナーを目指す社会人スクールの学生がデザインを行っているようです。
ライトアップの配色は2パターンあり、時間によって変化します。





木々が水面に映る光景が美しいです。



 



滝の水が池に流れ込むあたりは青色の照明なっています。



 





赤鳥庵付近のもみじの木。






アイコンとなっている石塔。
高台に建っています。




滝付近の飛び石から赤鳥庵方向を望みます。
ここからの景色が個人的にはお気に入りです。

 

(訪問日:2015.11.20)

 


常陸風土記の丘 巨大獅子頭

2015-11-19 22:03:23 | 関東地方


風土記の丘と名付けられた場所は全国にいくつもあって、それはどうやら史跡や遺跡を中心に整備された野外博物館兼自然公園らしいです。
近江、近つ飛鳥、吉備、出雲、西都原などが有名ですが、関東でいうと、稲荷山鉄剣が出土したさきたま古墳群がある「さきたま風土記の丘」が有名です。

さて、茨城県の石岡市にも常陸風土記の丘があります。
ここは野球場や森林公園などの無料エリアと有料の史跡公園にわかれており、有料エリアには発見された鹿の子史跡や古代の復元家屋や展示室があります。


さほど有名な遺跡ではないので、知名度はいまいちですが、巨大な獅子頭があることでB級スポット好きには有名。
高さ14m、幅・奥行き10mの巨大獅子頭。
江戸時代より常陸国総社宮大社の祭礼で巡行した獅子頭をモチーフにしたものらしく、有料エリアをスルーして坂を登りつめた芝生広場の先に鎮座しています。

この獅子頭、実は口の部分が展望台になっていています。
内部に入り、階段を登ると展望台に出ることができますが、開口部分が非常に狭いため、視界も狭く展望台としてはとても残念。
上下にしっかり獅子の大きな歯見えるので、どちらかというと怪獣に食べられてしまったかのような感覚を味わうことができます。

インパクト重視で、展望台はおまけのようですが、それ以上のおまけが3階の展示室。
展望台からさらに上階に階段が用意されており、郷土玩具というか工芸品のようなものが何の説明もなくショーケースに並べられています。

なんとも中に入るとがっかりな獅子頭ですが、外から見る分には強烈でチャーミング。
一度見たら忘れられないアイコンになっています。


獅子頭自体はFRP製のようで、雑誌やネットで画像を見た時よりも明らかに傷んでいました。
ちょっと痛々しかったので、いつか修復してもらえるといいですね。









有料ゾーンをスルーして、坂を登りつめると、ふれあい広場になっています。
その広場を見守るように建つのが獅子頭展望台。

ここでスポーツをしたら、獅子頭の視線が気になりそうです。








展望台としても機能して?いるので、広場より少しだけ高い位置にあります。
立派な大階段も用意されています。

小高い場所に頭部だけあると、大船観音のように地中に首から下が埋まっているんではないかというへんな妄想をしてしまいます。

また、遮光器土偶型をした青森の木造駅のように目が光ったら面白いですが、そのような機能は無いようです。








近くで見るとさすがに大きいです。
歯がわりとリアルですね。







よく見ると鼻や口元あたりがだいぶ傷んでいます。
ここまで来た時点で、展望台に期待は持たなくなります。






造形はメリハリがあってカッコいいです。
渦巻いた毛のあたりにある穴は3階部分の明り取り窓になっています。







内部1階。
両側に出入口があります。
数段上がっていくと展望台です。






展望台からの眺望。
芝生の広場が見えます。

今にも口が閉まりそうな狭さです。






両端部にかけてさらに狭くなりますが、水平方向の視野率は一応180度に近いです。
さらに残念なのは、大して何も見えるものがないこと。

なんで展望台にしたんだよ!と思わずツッコミを入れたくなります。






■おまけ




公衆電話ボックスが茅葺屋根でした。


牛久大仏 小動物園

2015-11-17 23:40:28 | 関東地方




牛久大仏の御背後に、小動物園があります。
こちらは浄土庭園の入園料で入ることができます。

入口には「りすとうさぎの小動物園」と書かれています。
なるほど、小さな動物園という意味と小動物の公園というふたつの意味がありそうです。

その名の通り、リスとウサギが中心に飼育されています。
何故、大仏様の御膝元の浄土庭園に動物園なのかと思い、HPを見てみると「小さな動物とのふれあい体験。命の尊さを感じてください」とのこと。
慈愛の精神でいのちとふれあい、その尊さを学んでいく精神鍛錬の場なのでしょう。

そのため、ウサギもリスも放し飼いになっていて、ふれあうことができます。

都会の動物園だと時間が限られていたり、入園者に対して動物の絶対数が足りていなかったりと触れ合うことはなかなか叶いません。
ウサギやモルモットも広場に放し飼いにされていて、思い思いにひなたぼっこをしています。



餌を購入して与えることもできるので、ウサギは非常に人に馴れていて、腰をかがめると自ら寄ってきます。
あざとい。

奥にはリスの広場があり、タイワンリスが元気に活動しています。
天守や堂宇の屋根をモチーフにした木組みのなかにはたくさんのリスが暮らしていて、時折とことこと走り回っています。
丸太や土管が無造作に置かれているので、腰を掛けながらリスを眺めることもできます。

和やかな雰囲気の中、動物たちと触れ合っていると、自分が今どこにいるのか忘れてしまいますが、
後ろを振り返ると120mの大仏様が背を向けられていて、どきっとします。









ウサギ広場のうさぎ






ちょっぴり寒そうです。







元気に活動している輩もいます。







非常に消極的なウサギ。







自ら近寄ってくるウサギもいます。








お腹が空いていたのか、靴を食べられました。








中腰になると、膝までやってきます。
何も食料がないことを知ると去っていきます。







リス園にはタイワンリスが暮らしています。







木組みの中はリス団地になっています。
日のあたる場所が人気のようです。







非常に暖かそうです。







活発的に動いている輩もいます。
時折、カッカッと鳴いています。






リス広場にはヤギが一頭飼われています。
外の小屋には触れ合うことはできませんが、チンチラやマーラも飼育されています。


牛久大仏

2015-11-15 22:23:09 | 関東地方




日本一の巨大仏像として、その名を全国的に知られている牛久大仏。
台座を含めた全長は120m。台座を含めなくとも100mの高さを誇り、ギネスブックにも登録されました。
ちなみに世界的には第二位となりますが、青銅製のものとしては世界一だそうです。

日本の巨大仏を見ても立像でいえば、高いもので東京湾観音が56m。加賀観音菩薩が73m、仙台大観音が100m。
立像では基本姿勢が立ち姿の観音菩薩が優勢です。
坐像では鎌倉の高徳院大仏が13.35m、奈良の東大寺毘盧遮那仏が18.3m、房総の日本寺大仏が31mとまさに桁違い。
ちなみに奈良の大仏は牛久大仏の手の平にすっぽり納まってしまいます。

120mも18mも同じく「大仏」とは・・・
たしかに日本で最初に大仏が造られたのは1000年以上も前の話ですから、大仏も時代と共に進化していくのですね。



牛久大仏は茨城県で最も高い建造物としても知られ、牛久の広大な空に孤立する仏像はなんとも印象的。

運転中に、いきなり森林の先から現れる仏様は遠近感が狂ってしまい、特撮映画のへたくそな合成を見ているような気分になってしまいます。


さて、この牛久大仏は浄土真宗東本願寺派が主体となり、1992年に完成。
正式には牛久阿弥陀大仏といい、来迎印をむすんでいるので阿弥陀如来立像です。
戦中戦後あたりから国内で流行している巨大仏の建立ブームのなかでは最大の事業ではないでしょうか。

東本願寺派の運営する公園墓地である牛久浄苑に併設した浄土庭園内に大仏は立っています。
浄土庭園は、牛久大仏をはじめ季節の花が咲く定聚苑や小動物園を兼ね備えた有料施設。
広大な駐車場や、仲見世商店街もあったりと、観光地らしくなっています。(駐車場は無料)

入園料は大仏拝観を含むチケットと庭園のみのチケットで料金が異なっているようで、大仏拝観を含めた料金は800円です。


園内は目の前に巨大な阿弥陀仏が立っているほかは自然公園のようで、さほど宗教感は薄いです。
秋はコスモスの咲き乱れた花畑や、鯉が大量に泳ぎ回る庭園などよく手入れされています。


大仏の台座まで来ると、裏手に入口があり、靴を脱いで胎内巡りができます。
内部に入ると阿弥陀如来の世界を具現化した凝った演出に度肝を抜かれ、2階へ上がると、よくある建立過程を解説した展示室になっています。
さらにエレベーターで地上85mへと登ると、展望室です。
東西南北それぞれ開かれたわずかな隙間から外界を見下ろすことができます。

寺院ではないため、庭園内の宗教色は薄いですが、大仏内はゴリゴリの宗教世界。
他の巨大仏の系譜をしっかりと受け継いだような空間が広がっています。

盆には万燈会が、大晦日の夜には修正会庭が園内で行われる際には大仏がライトアップされて花火も打ちあがるそうで、それはまた驚きのイリュージョンだそう。

むりやりまとめると、スケールの大きさや派手な演出がどこか90年代を影を残す仏教系テーマパークです。














牛久市内の様々な場所から見えるものの、なかなか全貌の現れない牛久大仏。

ふもとの駐車場までくるとようやく膝下まで拝むことができます。






仲見世通りを過ぎて、入園口から入ると一気に視界が開けます。

コスモスの花畑が美しいです。






螺髪の頂点には避雷針、胸のあたりには展望用の3つの穴が開いています。

写真を撮るとき、手前に障害物を置くと、大仏が「やぁ」と顔を出しているようで可愛らしく撮れます。






園内の展示物その1.「大仏の1/1000頭部レプリカ」

これだけでも人の身長より高いので大仏ですが、背後にはこの頭部が1000倍になって立っていると思うとやはりスケールが違います。







園内の展示物その2.「等身大の螺髪」

大仏の大きさを紹介するために、螺髪(頭部のうずまき)が等身大で展示されています。







園内の展示物その3.「牛久大仏顔はめ」

観光地にはお決まりの顔はめ。
親子を想定したのか、身長の異なる2体の大仏が描かれています。
顔だけではなく腕にも穴が開いており、来迎印も自ら結ぶことができます。

なんと、大仏が大仏の顔はめをする不思議な写真も撮れます。









いよいよ大仏の正面へ来ると、現代的な門が建っています。
發遣門といい、進行方向右側で鐘を突いてから合唱してお参りするのが習わしだそうです。

門の2階には阿弥陀三尊像が安置されており、くぐった後に振り返ると見ることができます。








門をくぐると、いよいよ大仏へと向かう参道です。
ここで初めて大仏の全貌を拝むことができます。

台座下の樹木と比較して大きさを再確認。







台座付近まで近づくと、さすがに見上げるのに首が痛いです。








正面から。







向かって左側から。









大仏胎内には台座の背後から入ります。
脱いだ靴をビニール袋に入れて、真っ暗な部屋に通されると阿弥陀如来の説明と共に前方の扉が開きます。
すると、中央に阿弥陀如来が安置される空間に誘われます。
照明を多用した華美な空間で、一瞬世界観について行けずに唖然としてしまうこと間違いなし。

ここは「光の世界」と呼ばれています。







階段で2階へ上がると、大仏誕生までの過程のパネル展示。
1階と世界観が異なりすぎて若干拍子抜けしてしまいますが、骨格模型や等身大の親指モデルの展示は興味深いです。

ここからエレベーターに乗って地上85mの「霊鷲山の間」へと向かいます。
エレベーター内の照明も上昇と共に明るくなる演出がついていました。

意外と揺れます。








霊鷲山の間は大仏内に設けられた仏舎利を安置した展望室。
四方に展望室があり、大仏の御体に開いた小さな窓から外界を望むことができます。

視野率が狭く、開放的な眺めではありませんが、地平線に東京スカイツリーなど首都の高層建築物の影が見えます。
取って付けたように視野率の低い展望室は、県内で他に風土記の丘の獅子頭展望台や
水戸市の芸術村展望塔などがあり、茨城ではよくあることのようです。









大仏正面からは浄土庭園と駐車場が見下ろせます。
周囲に他に高い建物がないため、非常に高く感じてしまいます。







正面には發遣門も見えます。

出口は螺旋階段を下った、ひとつ下の階。
広さをもて余したような物販があります。








エレベーターで3階へと下りると、「蓮華蔵の間」。
壁一面の胎内仏が迎えるこの空間は圧巻です。

ひとつ下の2階は「知恩報徳の間」は写経の席がずらりと並び、「念仏の間」もあります。
ちょっと宗教色が濃いです。

出口は1階。
入口とは異なった場所にあります。


秋も本番

2015-11-15 01:41:34 | 日常とりっぷ!


秋もいよいよって感じになりました。

近頃はよく自動車を運転するのですが、運転していると秋を見つけてもすぐに通り過ぎてしまうので残念です。

秋の紅葉は気付けばすぐに終わっているのでどうにかいい景色を1枚でも納めたいものです。


国立博物館 めくるめく東洋の旅

2015-11-13 20:01:42 | 素敵な展覧会




秋の夜には、博物館めぐりもいいものですね。

東京国立博物館の東洋館、数年前にリニューアルされてから非常に美しくなりました。
館内は不規則的な構造をしていて、なんだか迷路のよう。
1階の吹き抜けのような空間にはアジアの仏像がいらっしゃって、ステップを上がっていくと、ミイラに陶磁器。

構造も迷路のようなのに、展示物もめくるめく感じで、まるで東洋を旅しているかのよう。


ガラスケースに入っていない、生身の展示も素敵だし、最近のガラスケースも美しいなと思ってしまう。
もちろん写真撮影は基本的にOKなのでぐっときた角度をシャッターに収めます。

基本的に美しいものばかりなのだけど、日本の端正さとは少し違うなあ、
とか勝手に比較文化をするのもまた楽しいものです。









 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 











角度で楽しむ美術鑑賞、
土偶から始まる造形の世界土偶から始まる造形の世界2円空から始まる造形の世界仏像彫刻の神髄もよろしければご覧ください。


京王競馬場線

2015-11-06 02:08:23 | 駅と鉄路




京王競馬場線は京王線東府中駅から府中競馬場正門前駅間を結ぶ支線です。
その距離はなんと900m、乗車すればあっという間に到着してしまいます。

競馬場線はその名の通り、府中市内にある東京競馬場へのアクセスを目的として敷設されました。
そのため、日中の運転は毎時3本程度。2両編成のワンマン車両がピストン運行しています。

競馬開催時は増発や臨時列車の運行が行われて、都心からの直通列車もあるようです。



頭端式のホームがある府中競馬場正門駅は、広々とした改札とコンコース。
その出口はまっすぐ競馬場まで続いています。

平日は鳥の鳴き声も聞こえるほど平和なホームでは時折、映画やドラマの撮影が行われるなどしているようです。
記憶にあるものだと、映画「ソラニン」や、ゲスの極み乙女。「猟奇的なキスをして」のMVで出てました。


10両編成も停車できる長いホームに、ちょこんと2両の車両が停まっているのも可愛らしいです。

競馬場の最寄駅は他にJR線の府中本町駅がありますが、都心に直結していないことからもこちらが多く利用されています。








2両編成となった7000系が日夜往復しています。





平日と休日で利用差の激しい府中競馬場正門駅。
2面2線を有していますが、屋根は改札寄りにしか設置されていません。






7000形は外見に比べて、車内はリニューアルされており綺麗です。
日中の乗客はほとんどおらず、空気を運んでいます。