Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

愛知環状鉄道

2014-06-02 22:00:55 | 駅と鉄路




愛知環状鉄道という路線の名前を初めて耳にしたのは2005年の愛・地球博の時。
名古屋駅から長久手会場までの交通機関のひとつには、地下鉄東山線で藤が丘まで行き、そこから新交通システムのリニモに乗り換えるという方法もあったが、
リニモ自体の輸送力が低いために、JR中央線で高蔵寺を経由して愛知環状鉄道の八草駅(当時は万博八草)を繋ぐエキスポシャトルが推奨されていました。

環状と名が付いていますが環状運転は行っておらず、名古屋都市圏の東側の外周を結んでいるにすぎません。
岡崎ではJR東海道線、途中には豊田市や瀬戸市を通り、JR中央線と接続する高蔵寺に至るルートです。

愛知環状鉄道の前身は、鉄道貨物の輸送力増強のため岡崎から新豊田へ伸ばされた国鉄岡多線で、旅客運転も行われていました。
また同じく貨物線としてJR東海道線の稲沢信号所からJR中央線の勝川・高蔵寺を経て瀬戸市へと至る瀬戸線が計画されていましたが、貨物は衰退し計画は頓挫。
計画通りに、路線が開通していれば、名古屋を中心として環状型の路線ができていた可能性があります。

国鉄岡多線自体、貨物による自動車輸送が80年代に終了し、旅客需要も少ないために第三セクター化され愛知環状鉄道に引き渡されました。
この時に、計画されていた瀬戸線の一部を含む新豊田-高蔵寺間も開業して、現在と同じ岡崎-高蔵寺間で運行されるようになりました。

また瀬戸線の名残である勝川-枇杷島間は現在、東海交通事業城北線に引き渡されて旅客化されています。

愛知環状鉄道は名古屋へと向かう路線ではなく、周辺都市間を結ぶ路線の為に利用者は多くないようです。
首都圏で例えるならば、JR武蔵野線でしょうか。
三河豊田駅はトヨタ自動車の本社最寄駅となっていますが、そもそも自動車工場の御膝元ですから車通勤が多いことが予想されます。

路線は単線区間と複線区間が入り乱れている状況です。
国鉄時から複線で計画されていたために、ほぼ全線で複線化の用地は確保されていましたが、実際に複線区間がつくられたのは愛環発足後のこと。
北岡崎、北野桝塚付近と三河豊田-新豊田間、新瀬戸-高蔵寺間は複線です。
沿線には明らかに複線用につくられた相対式ホームや、トンネルを見る事ができます。
現段階では需要が高くはないため、複線化に踏み切れないのが現状かと。

点と線を結ぶ愛知環状鉄道の今後に期待です。







名鉄線と接続する中岡崎駅から新豊田駅まで乗車します。
第三セクターが運営するため、運賃は割高な印象。



JRの高架駅に似た薄暗い構内から、エスカレーターのない階段を上がるとホームです。
ホームは広くつくられていますが、実際に運行されている車両は2両編成。ラッシュ時は10両編成も走ると言います。



車両はJR東海の313系に似たもので、緑色のペイントがなさています。
車内はセミクロスシートで、綺麗です。



しばらくは盛土を走り、沿線風景は田園と寄り添いあう住宅地。複線用の用地が確保されています。



三河豊田駅は右手にトヨタ自動車工場が見え、駅構内には広々とした空間が確保されています。
いずれは2面4線のターミナル駅構内にする構想もあるのでしょうか。



三河豊田以北は遠くに見える豊田市街地へと向かって走ります。
新豊田駅は名鉄三河線と豊田線との接続駅で、中岡崎駅同様に3階建ての高架駅です。



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