藤野から世界へ

神奈川県の北端、藤野町に住み始めた夫婦が山里の暮らしの中で感じたり、考えたりしたことをつれづれに綴ります。

馬籠へ

2015-05-19 22:01:00 | 
 昨年秋に中仙道の妻籠宿へ家族で旅をしたが、今度は馬籠宿へ行ってみようということになった。私の大阪の両親と、私達家族が宿場で落ち合うという趣向である。私の父親は島崎藤村の大ファンで、馬籠は藤村の生家があったため、既に何度か訪れているが、私自身は初めてである。

 投宿したのは馬籠茶屋。以前は、全然お客さんが来なかったようだが、宿の主が7年前にフィリピン人女性と結婚し、それ以来インターナショナルな宿として栄え、今は海外からの客が99%ということである。連れ合いは、タガログ語が話せるので、その女性と色々話していたが、宿が忙しいので子どもはフィリピンで育てているという。なかなか大変そうである。



 実際に宿場町を歩いてみると、閉めてしまった旅館が多数存在している。恐らく、日本の旅行者にとっては日帰りの観光地になってしまったのだろう。海外からの客はほぼどこかの宿に泊まると思われる。白人も多いが、中国人団体観光客も思ったより沢山きている。
 馬籠は、明治の大火で、江戸時代からの建物がほとんど焼失してしまったということで、建物が新しいため、妻籠と比べるとどこか垢抜けた感じがする。また、地形的にも開けている。





 一角で、水車を利用した小水力発電が行なわれていた。興味深い試みである。



 宿場町の下にはA-COOPとヤマザキデイリーストアが合体したような店がある。コンビニのような品揃えだが、地元産野菜や加工物も手に入る。レジのおじさんが気さくな人で、「昔はこの辺りは蜂の子を沢山食べたが、今では全然取れない」「農薬が原因なんだよ」という話を聞かせてくれた。

 その後、坂の家で名物の栗おこわを食べるが、店のおばさんが「ウチの栗はリニアの車輌基地になる予定地で、栗林が伐採されてしまうので、これもいつまで続くか分からない」「リニアもいいけれど、地元には何のメリットも無いんだよ」とリニア反対論を話しかけてくる。こちらも、藤野周辺の工事で地下水が枯れているという話などをするが、いきなりお客にそういう話をしてくるとは思わなかった。馬籠が現在属する岐阜県中津川市(平成の大合併前は、馬籠は長野県山口村だった)は「リニアのホームタウン」というのを売りにしようとしており、反対論をぶつのはいささか勇気がいるのかと思っていたが、意外なところで話を聞くことになった。
 ということで、店の前で記念撮影。



 1泊2日の短い滞在だったが、地元の人との意外な交流が花開き、印象に残る旅となった。連れ合いもまた来たいと言っている。子どもはどうだか分からないのだが。


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2 コメント

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Unknown (ぷー)
2015-05-25 20:19:07
馬籠はなつかしいです。ごへい餅が有名ですね。司馬さんの街道を行くシリーズみたいですね。 頑張ってください。 昔フィリピンからタイへ行ったフィリピンの方と連絡とれそうです。
池袋での定例飲み会は大盛況。
家族で頑張ってください。
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Unknown (ぷー)
2015-06-08 12:22:57
お久しぶりです。 月末また飲み会やりそうですよ。
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