藤野から世界へ

神奈川県の北端、藤野町に住み始めた夫婦が山里の暮らしの中で感じたり、考えたりしたことをつれづれに綴ります。

鹿が教えてくれた温泉

2011-08-16 21:11:00 | 温泉
 別所温泉は宿代も高く、お盆の時期で空いてなかったので、山を越えたところにある鹿教湯(かけゆ)温泉へ。風流な名前だが、昔、信心深い猟師が手負いの鹿を追っていったところ、山の中の不思議な泉に入って傷を癒しているのを発見。猟師の前に文殊菩薩が現れ、日ごろの信心に応えてこの温泉を教えた、と言い伝えられている。宿泊は河鹿荘の湯治部に。ここは自炊が基本で、人数が多くなればなるほど宿泊代が安くなる。4人だと、1人辺り3000円位。

 これが河鹿荘本館。昭和レトロの雰囲気漂う寂れた温泉だというのが第一印象。



 私たちが泊まったのは、この別館の方。



 これが「野天百人風呂」なのだが、どう見ても100人は入れない。しかし、最大のポイントは、ここが混浴であることだろう。鹿教湯温泉で混浴(貸切風呂を除く)を謳っているのはここだけである。



 で、実際に入ってみると、なぜか殆ど他にお客さんはいない。宿泊客自体はそこそこいるのに、である。しばらく入ってみて、男性が1人で入ってきて、ちょっとしたら出て行くというパターンがあることに気付いた。さらには、ドアを開けて、私が入っているのを確認すると、温泉に入らずに出て行くという不審な人も! そこで推測したのだが、この混浴風呂は、皆が考え付くことだが、カップルや家族で貸切の様に使いたいと思っていて、先客があるとそそくさと出て行く、お客さんが他にいないと「今だ!」という感じで使われているのではないかと。だとしたら、そんな中に長時間、3回も入っていた私は大迷惑野郎だが。。あ、連れ合いともちょっと入りました。

 さて、ここの温泉は川沿いに建っているのだが、川の向こうはすぐ車道なので、この「野天風呂」がどう見えているのか気になっていた。チェックアウト後確認してみると、「結構丸見え」である。実は、これが最大のポイントだったかも知れない。お気を付けて。

 その他、この温泉街は別所温泉のような派手さはないものの、昔からの湯治場としての歴史があり、文殊堂や薬師堂などの見所もある。お湯の質は、癖のないまろやかな湯といったところだろうか。不思議な魅力がある。


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信州の鎌倉

2011-08-16 20:40:00 | 温泉
 この週末は4日間連続の夏休みで、お盆の渋滞を避けた日程で、長野県上田市にある別所温泉と鹿教湯(かけゆ)温泉を梯子してきた。

 別所温泉は、ちょっと縁があるが行けていなかった場所。私たちの住んでいるアパートの先代の大家さんが、戦時中の疎開先が別所温泉の花屋という旅館で、近辺のお寺を巡っている内に仏の道に目覚め、独学で仏画を書くようになる。その作品が、比叡山延暦寺や別所温泉の常楽寺などに収められているというのだ。延暦寺に行ったときには所在が分からなかった。そこで、常楽寺はいつか訪ねてみたいと思っていたのだ。

 別所温泉と言えば北向観音。善光寺の観音が南向きなので、対になっていると言われ、善光寺で来世を、北向観音では現世利益を願うことになっているそうだ。私は昨年夏、なんとかフェスティバルの時に善光寺に行っているので、一応達成か。ちなみにここは、常楽寺の観音堂という位置付けになっている。境内には、有名な愛染桂が。樹齢1200年と言われているが?その割には細いような気がした。





 温泉は、共同浴場の大師湯に入る。150円也。個人宅には温泉を引けないので、地元の人で温泉に入りたい場合は共同浴場となる。この地には常楽寺、安楽寺、そして現存しないが長楽寺の3寺があった。これらを開いたのが、天台宗第3世座主の慈覚大師円仁で、大師湯の名はここから取られている。



 ここが天台宗別格本山の常楽寺。立派な茅葺の屋根である。ちなみに、現住職は天台宗第256世座主半田孝淳その人である。先代が、古瓦の収集家であったらしく、境内には常楽寺美術館が併設されている。ここは、行って見れば分かるが意外と凄い物があるので、侮らないように。



 本堂をお参りしてからお寺の人に話を聞くと、「そこにその方が描いた曼荼羅がありますよ」と。言われてみると、本堂の陣内左側の壁に、アパート隣のアトリエで見せて貰った見覚えのある曼荼羅がかかっているではないか。「息子さん(現大家さん)が先日見えられてね」と一頻り交流をする。見ることが出来て、非常に良かった。

 隣には、別所神社があるのだが、ここの神楽殿で9月25日に、先日のひかり祭りにも来たGOCOOがライブをやるとか。上田に移り住んだ若者たちの企画だそうである。音楽をやっているちょっとした知り合いも別所温泉に住んでいたので、藤野みたいな空気もある場所なのかもしれない。

 ちなみに、別所温泉は「信州の鎌倉」と言われているのだが、これは何も鎌倉に似ているからということではなく、常楽寺を開いた惟仙和尚が、建長寺を開いた蘭渓道隆と留学先の中国から帰る船が一緒だったということから来ているらしい。
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100%自家発電のひかり祭り

2011-08-12 20:14:00 | 藤野歩き
 今年も8月第1週の週末に、旧牧郷小学校にてひかり祭りが開催された。ひかり祭りは、私たちが藤野に移住するきっかけになったお祭りで、昨年は行かなかったのだが、今年はスタッフとして少しお手伝いさせていただいた。

 福島第1原子力発電所の事故を受け、今年のひかり祭りはバイオディーゼル発電機に廃油を使用した100%自家発電というところがポイントであった。いつもよりほの暗い会場と、蝋燭の明かりがマッチした幻想的な空間が出現した。

 メイン会場裏手に作られた、蝋燭の明かりによる「祈りの空間」。



 昼間見るとこんな感じ。



 会場では太陽光発電で携帯電話の充電も出来る。



 人気が少ないが、朝だから。



 体育館内。



 女性メインの和太鼓、GOCOO。
 


 紹介し切れないが、色々と実験的なお祭りであった。さらに、現在ではひかり祭りに関わったスタッフやアーティストを中心に、ひかりキャラバンを発足。進化するイベントとなっている。

http://hikari-fes.blogspot.com/2011/08/blog-post_09.html
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