藤野から世界へ

神奈川県の北端、藤野町に住み始めた夫婦が山里の暮らしの中で感じたり、考えたりしたことをつれづれに綴ります。

家から行ける山

2014-12-30 21:41:00 | 山登り
 年内で育児休業は終わりとなる。今年も残すところあと1日。育児休業中は、かけがえのない時間を過ごさせて貰ったと思っている。そして、子どもが全てに優先し、家から余り出ることもないので、私は太ってしまった。仕事に復帰すればまた元の体調に戻るだろうが、肩慣らしということで、登山という程ではないが、家から行ける山登りルートを開拓してみた。

 自宅より、日野経由で落合の陣馬山登山口より一ノ尾根経由で山頂へ。そこから高尾山方面へ、明王峠で相模湖方面に下り、矢の音を踏んで、奈良本林道経由で帰宅するというルートである。登山口までは60分、登山口から山頂までは100分、山頂から明王峠までは40分、明王峠から矢の音までは30分、矢の音から自宅までは70分であった。

 一ノ尾根の登り口。



 特に厳しい箇所もなく、淡々と登っているといつの間にか山頂(854.8m)へ。本日は、かなりの人である。茶屋が1軒開いていた。



 まあ晴れてはいたが、富士山はこの通り霞の中。風が強くて、ラーメンを作るのが大変であった。



 明王峠。私は、今まで「めいおう」と読んでいたのだが、「みょうおう」であった。



 つまり、不動明王が祀られている峠だからである。 



 相模湖方面へ下ると。妙な塚が。



 由来を読むと、様々なことが分かった。まず、明王峠は、武田と北条が争っている時代、武田不動尊を祀った場所であること。この石塚は、石投げ地蔵嬢ヶ塚と言い、戦国時代、甲斐武田氏の一姫君が常陸の国佐竹氏に嫁いだが離縁となり、幼女を残して甲斐の国に戻る。幼女が成長して、実母への思念が募り、願い出て甲斐の国への困難な旅に出て、明王峠で病に倒れ、それを葬ったのがこの地である。地元の人達がここを通る度に石を投げたので、いつの間にかこのような石塚となったとのことである。 さらに下ると矢の音(633m)。ここも、武田と北条の合戦の際に矢が飛び交った場所であるという言い伝えがある。



 陣馬山までは何の変哲もない山登りだったが、明王峠からは思いもかけぬ歴史探訪の旅となった。この道も、古の人が踏みしめたのかと思いつつ、下山した。


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スタンド・アップ

2014-12-17 23:05:00 | 異議申し立て
貧困をなくすための世界的キャンペーン、スタンド・アップをご存じでしょうか。

2000年に国連で合意されたミレニアム開発目標(MDGs)達成を後押しするために実施されています。
MDGsとは、2015年までに8つの分野において具体的な目標達成を掲げた開発目標です。例えば、「世界の貧困人口を半減する」「5歳未満児の死亡率を3分の1にする」など。

スタンド・アップのキャンペーンでは、MDGs達成に向けて人々の力を集めるため、2006年から毎年、世界反貧困デー(10月17日)の時期に、貧困解決を求める意志を示すために「立ち上がり」(STAND UP)、「行動する」(TAKE ACTION)ことを呼びかけてきました。

スタンド・アップについて詳しくはこちら

今年2014年のスタンド・アップフォトコンテストで、私たち家族の写真がファミリー賞を受賞しました!



3世代でスタンド・アップ!
次世代に希望の持てる未来を引き継ぐために。

審査員の講評、受賞者の声など、詳しくはこちらをご覧ください。



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子どもと天文学

2014-12-05 22:43:00 | 子育て
 育児休業あと1ヶ月を悔いのない様過ごすシリーズとして、本日は、前々から行きたかった国立天文台三鷹キャンパスと、三鷹市星と森と絵本の家を家族3人で訪れた。天文台の方は、友人より面白いという話を聞いており、絵本の家の方は、たまに電車で都内に出ると、電車の映像広告で「中央線が好きだ」というシリーズ中で紹介されており、面白そうな場所だと思っていた。いざ行く段になって、絵本の家が天文台の敷地内にあるのにはびっくりしたが。

 国立天文台三鷹キャンパスは、1924年に東京天文台が麻布より三鷹に移転したことに端を発するが、昔から使われてきた観測機械が至る所に残っており、見学できるようになっている。



 一番古い第一赤道儀室の床は板張りである。



 そしてこれは最新鋭であるが、現在ハワイのマウナケア山の山頂に建設中のTMT望遠鏡という30m口径の望遠鏡の鏡部分の1部。ちなみに、マウナケア山頂には、日本のすばる望遠鏡他各国の望遠鏡が既に多数建設されており、ハワイ先住民の人達にとっては聖地であることから、「これ以上の望遠鏡は要らない」という反対運動が起きており、その事は国立天文台ニュースにも記事になっていた。私は、個人的には宇宙のことはもっと知りたいと思うものの、複雑な気持ちになった。



 ともあれ、キャンパス内は緑豊かで、都心の研究環境としては最高の部類だろう。



 このキャンパスの一隅に、三鷹市星と森と絵本の家がある。建物は、国立天文台の旧1号官舎を解体移築したもの。



 授乳室。子連れ大歓迎である。ちなみに、絵本の図書館というだけではなく、子供向けの遊びやワークショップを多数開催している。



 本の並べ方も、「きょうりゅう」「ちきゅう」と言ったように、ジャンルごとに細かく分かれている。自然科学系の本が多いが、それ以外も充実している。



 月齢の写真を並べている。



 連れ合いのツボに相当はまったようで、「リピーターになる!」と宣言していた。天文台共々子どもと長く楽しめそうな場所である。


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久々の登山

2014-12-03 18:42:00 | 山登り
 私の育児休業も、残すところあと1ヶ月となった。早いものである。この1ヶ月は、悔いのない様に過ごしたい。一方で、育児にも大分余裕が出来てきたので、連れ合いの了解も得て、久々に登山に行くことにした。私の中では、登山と言うと2000m位からを指しているのだが、今回はその基準を満たす?山行である。
 了解を得ているとは言っても、朝の家事を済ませてから行くため、そんなに遠くへはいけない。検討した結果、山梨県大月市真木の大峠から黒岳経由で牛奥ノ雁ヶ腹摺山に行くことにした。牛奥ノ雁ヶ腹摺山とは長い名前だが、まだ子どもができるより大分前、連れ合いと登った大菩薩嶺の丸川荘で夜に見せていただいたスライドの中の1枚の写真が牛奥ノ雁ヶ腹摺山からの富士山であった。それがずっと記憶に残っていたのである。大峠までの真木小金沢林道は、今年は12月11日で冬季閉鎖。行くなら今である。また、大峠は3.11以降、福島第1原発事故により飛散した放射性物質が到達しており、その周辺の線量をガイガーカウンターで測ってみるというのも目的の1つとなった。

 大峠からの富士山。とても綺麗である。



 計測してみると、0.23μSv/h。大体このような値であった。



 凍結を予想してアイゼンも持っていったが、凍っている箇所はあるものの、そこまでではない。霜柱が至る所に立っていた。これは最初のピーク、赤岩ノ丸(1792m)。赤岩という御神体があるようだが、帰りの楽しみに取っておく。



 さて、黒岳までは日陰の道となるが、段々と寒くなってくる。また、天気は良いが風がかなりの強さで吹いており、恐らく外気温は2~3℃かと思われたが、体感気温は氷点下。結構耐え忍んだが、余りの寒さに雨具をウインドブレーカー代わりに着込む。



 黒岳(1987.5m)。展望は余りないが、風が強すぎたため、これ位木が生えていて良かった。



 以降は、大菩薩嶺から滝子山へと長く繋がる縦走路の一部となる。途中、男性の単独登山者に会ったが、牛奥ノ雁ヶ腹摺山の先の小金沢山まで行けばいいのにと言われる。何故かと言うと、小金沢山は2014mで、今年の数字と同じだからと。
 途中、川胡桃沢ノ頭というピークを通過する。ここは笹原で、見通しもよく気持ちよい。私はこういう場所は好きである。





 賽ノ河原と呼ばれる笹原から牛奥ノ雁ヶ腹摺山を望む。



 これが牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1995m)。山頂で、今度は女性2人組に会う。彼女達もここで止めておこうかと思ったが、小金沢山まで行って来たという。何故なら今年の数字と同じ2014mだから。こうも言われると、このピークは2000mには僅かに足りないし、山屋としては行きたくなるのかも知れないが、私は元来ピークハンティングには興味なく、2000mという基準も植生が変わってくるのに興味があるためであり、山の中で心行くまでのんびりすることにする。しかし山頂付近の白い部分は全て霜柱。天気が良すぎて写真では富士山が良く見えないが、素晴らしい眺望。ということは、とてつもなく風が吹いているということであった。





 計測してみると、大体大峠と同じような状態で、ここにも残念ながら汚染は到達していた。



 こんな素晴らしいところなのに。









 人類は原子力発電から手を引くべきと改めて思い、帰路に着く。私は、冬の登山は大好きである。というのも、空気が澄んでいて、見上げると抜けるような深い青い空が楽しめるからである。ぽかんと口を開けて眺めていると、ふと、目が見えるようになって来た子どもが、よく天井を見上げて口をぽかんとさせているのを思い出した。子どもの距離感と私が感じているような距離感は、相対的には同じようなものかもしれない。
 私はこういう木を見上げながら空を見ると、口をぽかんとさせてしまう。





 帰りに赤岩本宮に立ち寄る。急坂をかなり降りたら岩が聳え立っており、その上に小さな社がある。岩の上からふと見やると月が出ていた。





 久々の登山は、とても充実した山行であった。帰宅してみると、連れ合いより、今日は初めて子どもがニギニギを長い時間握っていられたと報告が。いつか一緒に山に行けるといいね。
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