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◎『けもフレ』『まどマギ』『結城友奈』……考察型アニメがヒットする法則とは

2017-03-17 06:04:58 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 今回もアニメ『けものフレンズ』についてである。正直、ここまでのメガヒットは深夜アニメとしては数年に一度レベルではないだろうか。元々は思考回路を停止し「わーい」「すごーい」「たーのしー」と思いながら視聴できる「ゆるーい癒しアニメ」として人気を博していた訳だが、回を重ねる毎に実は人類の居ない荒廃した世界であることが明かされていき、多くの視聴者がネット上で考察を捗らせている「考察型アニメ」としての側面も持つ。

 しかし、全ての考察型アニメがヒットするわけでは無い。結果を残した一例として『魔法少女まどか☆マギカ』『結城友奈は勇者である』を挙げ、これに『けもフレ』を加えた3作品の共通点からヒットの秘密を探る。

(1)原作の無いオリジナル作品
(2)前例の無いフォーマット
(3)最低2回の盛り上がり

 当方は以上を3作品の共通点だと思っている。まず(1)は当然の話で、原作で既に先の展開が語られているアニメは考察のしようが無い。原作未読組が予想して盛り上がるだけではオリジナルに比べるとどうしても弱い。ちなみに『けもフレ』はアプリゲーム版と漫画版が先行して公開されたが、アニメ版のストーリーはそれらとほとんど異なっている。

 (2)は『新世紀エヴァンゲリオン』を例に挙げると分かりやすい。それまで戦闘をメインに描いていたロボットアニメ(ロボットではないが)でここまで内面の心理描写を大きく描いた作品は前例が無かった。『まどマギ』は良くある魔法少女ものと見せかけて、実は人が死ぬ残酷な戦闘アニメであることが衝撃だった。『結城友奈』は放送前にキービジュアルから徹底して日常アニメと誤解させたのが異例であり、『けもフレ』も荒廃した世界の中で動物たちの言動に癒される「陰と陽の共存」は、それまでの動物アニメとは一線を画すものである。

 最後に(3)だが、たった一度の衝撃を3話までに見せる手法は数多くあるものの、その後失速する作品も少なくない。『まどマギ』は3話の「マミる」と6話の「魔法少女は最初から死んでいる」で2度も衝撃を与え、『結城友奈』は1話の開始わずか9分で「日常アニメ」が「バーテックスとの戦い」に豹変、8話で前日譚『鷲尾須美は勇者である』の主人公が突如登場し勇者システムの秘密が語られ、ネットは2度も沸いた。そして『けもフレ』も前半で「癒しアニメ」、後半で「考察型アニメ」としての盛り上がりを見せている。

 これらの共通点を全て満たすアニメは相当限られ、メガヒットが出にくい要因にもなっている。特に(2)はヒットの予測が立てられずリスクも高い。『エヴァ』の後にエヴァっぽい作品が続出し、『まどマギ』の後に3話で誰かが死ぬフォーマットが続出するなど、大体は過去のデータを参考に鉄板の作品を作らざるを得ない現場の事情がある。それでも我々は、斬新で見たことの無いフォーマットによるメガヒットのおかわりを待っているのです。

(#19:1197字)



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
けものフレンズヒットの理由 (キノコマン)
2018-06-09 10:06:21
主人公に謎を解く気がない。
カバンちゃんもサーバルちゃんも謎を解かない。
セルリアンを退治する気がない。
12話でようやく真の主人公がラッキーさんだとわかる。
12.1話は無限の1ヶ月を作った。
サーバルちゃんは天然。
ファン動画数がギネス級
ケモ耳アニメだがケモ耳族やジューマンアニメではない。
街がない。
オーパーツバラエティーである。
動物ファースト。
子供アニメ。
動物園とコラボ。
ジャイアントキリング
進撃の巨人がけものフレンズを止められない凄い勢い。
などなど。
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