映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

(大和路再訪)唐招提寺金堂」①

2006-07-02 00:20:53 | 旅 おでかけ
 唐招提寺は聖武天皇の招きにより我が国に来た、鑑真和上により創建されたお寺です。僧鑑真は来日するまでに幾多の障害や、海難のために12年の月日を要しその苦難のためすでに失明していたと云われます。
 1200年の風雪に耐えて来たお寺の中心の金堂は、昨年5月から解体修理に入っています。
 この写真は解体されるまでの金堂の姿です。
 拝観券の写真からお借りしました。

(大和路再訪)唐招提寺金堂」②

2006-07-02 00:20:16 | 旅 おでかけ
 この金堂は今までに鎌倉時代や江戸時代に修理されてきましたが、今度は古来の伝統的な手法に現在の技術を駆使して修復されます。
 これが完成して美しい姿を見せるのは平成21年だそうです。
 堀辰雄はこの金堂の円柱に触ってみて、<夕冷えの中にその柱に残る、日の光の温かみに>心を躍らせます。
 私たちなら何気なく通りすぎて仕舞いそうなことを、文学者らしい感性で描いています。
 彼が心を躍らせたという金堂の柱も今は取り払われて跡形もなく、そこには不細工な覆いを被せた足場組みががあるだけでした。

(大和路再訪「唐招提寺庭園」① 

2006-07-02 00:19:30 | 旅 おでかけ
 そろそろと陽射しも強くなって来ましたが、この樹木に覆われた庭園は涼風さえ感じます。
 繁みの中から僅かに見える青空と木漏れ陽が、緑に囲まれた池の水面に鮮やかに映っていました。
 修復中と云うこともあってこのお寺を訪れる人は、今日はあまり多くはありません。と…云うことは途中で長ーい間立ち止まって見たり、また戻って見たり…とか自由気儘に出来ると云うことで、考えようによってはこれもまた都合が良いものなんですよ。
 
 七月頃になると蓮の花が咲くそうですが、花の付け具合は年によってまちまちだそうです。
 中秋の名月の夜…「観月讃佛会」が大講堂で執り行なわれます。
 この頃には萩の花が見ごろを迎えます。
 でも、猿沢池の「采女まつり」同じ日です…
 これもお参りせねば…ああ、時間が足らんぞ…
 別に花の季節でなくてもこの静かな雰囲気の中で、心と身体のリフレッシュをするのもいいことでしょう。
 煩わしい世俗から逃れて思い切って隠棲してやろうか…ってな気分にもなりかけましたが、まだもう少し早いかな…とやっぱり思い直しました。
 

(大和路再訪)「唐招提寺庭園」②

2006-07-02 00:18:33 | 旅 おでかけ
 堀辰雄もエッセイ集「大和路 信濃路」で書いているように、このお寺は美しい自然にも恵まれていて、散歩していても心が洗われる思いがします。
 彼はこのお寺の林の中で行きつ戻りつ、あるときは寝転びながら…古い時代を主題にした小説のことを<考えてみたり…諦めてみたり>大いに悩むのですね。
 この文庫本の解説によれば彼は再三大和路を訪れて、古代への憧れと構想を暖めていたにもかかわらず、戦争や健康などの事情でそれは実現しませんでした。
 
 下手な説明文句はもう要りません…この豊かな自然の中で久しぶりに、しばし瞑想(迷想?)の世界にでも落ち込むことにしましょうか。