映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

(シネマ・タイム)「小さな恋のメロディー」

2011-06-13 04:47:41 | 映画音楽
 子供たちの幼くも純粋な「恋」を描いて、とても爽やかな印象を受けた作品でした。
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 先にも書いたようにこの映画が公開された1971年(昭和46年)は、高度成長の真最中…とても映画どころでなくて近年になって見たものですが、GWに観るDVD第二弾としても一度観て見ました。
 
 11歳のイギリスの少年ダニエルは、同じ年の女の子メロディが好きになります。
 好きになってもなかなか意思表示できないダニエル‥でもいつの間にかメロディもダニエルを意識するようになり、何かしなくては‥とルージュで唇を彩ってみたり、ヘア・スタイルをいじくってみたり‥揺れ動く微妙な女の子の気持ちが、しぐさで表現されてとても可愛く微笑ましくなりました。
 授業をサボっての遊園地や海辺でのデイト‥それは…それは夢のような楽しい日々でした。 幼い彼と彼女の会話 …聞いてやって下さい。(上の写真に会話の一部が…)
      「五十年ってどれくらい…?」
      「休みをぬかして150学期だ…」
      「そんなに愛せる? ムリよね」
      「愛せるさ もう一週間も愛してる」
 
 やがて教師や親たちに睨まれた子供達は「反乱」を起こし、ダニエルとメロディは仲間たちに見守られながら、森の中の「秘密基地」で子供たちだけの「結婚式」を上げるのですが…

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「子供」「子ども」と思っているうちに、大人が想像する以上に子供たちは急速に進化して行きます。気がついた頃には大人の手の、届かないところにいる‥かも判りません。
 発育途上の子供やたちの気持ちを理解する‥これは最近の社会環境などから云うと私たち世代の、常識を超えた難しい時代に差しかかっているように感じます。

 この映画のラストシーン‥‥それは先生たちに追われるダニエルとメロディの二人が乗ったトロッコが、どこまでも果てしなく続く草原を走り去って行くところで終わります。
 この二人がその後どうなったのか‥説明は一切ありません。
 ‥‥が、Endingで流れる素晴らしい歌声‥‥そこには
       愛をこめてメロディ 親と話しなさい
       子供の夢なんて やがて消え行くものなんだ
       親に夢を語りなよ 何を望んでいたか判らないけど
       愛は伝わるから‥‥ 

 この歌詞から若葉のように新鮮で純真な二人の「夢」と「愛」と「恋」が、いつの日か両親たちの理解や共感を得て、きっと成就することを祈りましょうか‥‥・
 ふと遠い昔の子育て現役時代を想起して…なにか懐かしい思いと感動が甦ったひとときでした。

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(映画音楽)「ティティナ…生田恵子」(映画「モダン・タイムス」)

2006-10-10 00:07:56 | 映画音楽
 いつやらテレビで少しだけ観た「モダンタイムス」の予告画面の中で、流れていた音楽にふと耳に止まりました。それはそのメロディになにか聞き覚えがあったからです。耐用年数もかなり使い込んで来て、少し呆けかけてきた私の脳内メモリーが懸命に作動しました。
 考えること数分…判った!あの曲は確か「生田恵子」が歌っていた「東京ティティナ」と云う曲と、同じメロディじゃなかったかな…などと記憶が甦ってきました。でもそれは私の一方的な思い込みかも判らない…早速と確認しなくっちゃ…
 「生田…」と云うと「生田流筝曲」を連想しますが、そんなエレガントで風流なものじゃなくって南国的で軽やかで、陽気なリズム感覚の音楽でした。少しだけ覚えていた歌詞はと云うと…
   東京ティティナ 夢見る瞳 
   誰を待つのか 優しい瞳…
 彼女については私の十代半ば過ぎに「バイヨン」と云う新らしいリズムで、急に売り出した女性歌手…ぐらいの認識しかありませんでした。
 私もこの頃は近年の新しいリズムの流行には、うんざりしていたので当時としては大きな関心はありませんでした。
 しかしチャップリンの映画でこの音楽の片鱗を耳にして見ると、今頃になって急に気になって来ました。
 今時CD出ているかな…無理だろうなぁ…と、思いきや
 生田恵子のCD…見付かりました!それは…
 
「東京バイヨン娘」生田恵子  VICG-60227/1999.10.21発売/¥2,400(税抜)
  日本人初 幻のブラジル録音、待望のCD化!

 記事の紹介によれば
 >1951年「バイヨン」の王様、ルイス・ゴンザーガの指導のもとに、本場仕込みの「バイヨン」を習得、帰国後日本に“バイヨン”ブームを巻き起こした<
とかであります。この紹介の続きです。
「東京バイヨン娘」ほか生田恵子の名唱の数々を初復刻!幻のブラジル録音3曲も完全収録=本邦初公開! 〔日付は録音または発売月)
01. パライーバ (1951.11ブラジル録音) 02. 復讐(1951.11ブラジル録音)
03. バイヨン踊り (1951・11ブラジル録音)04. バイヨン踊り (1952.3)
05. 東京バイヨン (1952.5録音) 06. リオから来た女 1952年5月14日)
07. 恋の花咲くサンパウロ (1953.1)08. 陽気なバイヨン娘 (1953.3)
09. 踊れバイヨン (1953年2月28日録音)10. 君帰りませ (1953年2月28日録音)
11. 銀座マンボ (1953年7月発売) 12. 東京ティティナ (1953年8月発売)   (以下略)
 やっと出てきました よかった… それにしても凄ーい !と感服しました、

 私もあまりよく知らなかった生田恵子の、知られざるプロフィールについて「再勉強」です
> 東京都生まれ 本名、岩崎八重子  三笠晴美の芸名で、宝塚少女歌劇団で活躍。
1949年 ビクターよりデビュー。
1951年ブラジルRCAにてレコーディング、ルイス・ゴンザーガ直々に本場のバイヨンの指導を受ける。
1952年 日本帰国後、「東京バイヨン」他、バイヨン・リズムの曲を次々にヒットさせる。ヨーロッパでバイヨンが流行るより早く、日本にバイヨン・ブームを巻き起こす。
1995年 「レコード・コレクターズ」誌にて、日本人初の本格的ブラジル録音を行った先駆者として取材を受ける。その直後、惜しまれながら他界…<
 
 「バイヨン」と云うリズムはマンボに押されて、あまり目立ちませんでしたがサンバと同じくブラジル系の、割合とテンポも速い陽気な感じの曲だったと思います。
 ルイス・ゴンザーガ…検索して見ましたら…凄い!
 故人ですがブラジル音楽界では神様のような大人物…彼の作品は「第二の国歌」と云われているぐらいでした。知らなかったのはは私だけ…?
 
 それに彼女は昔はヅカ・ガールだったんですね。
 私は宝塚音楽学校出身と聞くと無条件で尊敬する習性があるのです。

 イタリア映画「アンナ」でS・マンガーノが歌った主題曲も、バイヨンのリズムだった…と云われていたのを思い出したのですが…
  ご存知の方いられたら…教えて下ーさい。

 


(映画音楽)「セレソ・ローサ」(映画「海底の黄金)

2006-10-08 00:04:42 | 映画音楽
 この映画は探しても無駄か…多分出て来ないだろうな…と思いながら探しましたが、見事に「徒労」と云うか「空振り」に終わりました。
 あの妖艶なグラマー・スターのジェーン・ラッセルが、水中シーンで大活躍…と云う、まぁ毒にも薬にもならない娯楽映画の一つでした。
 映画自体は図書館のキネマ旬報でも探せば、出てくるはずですので映画の方は別にどちらでも良くって、今日はこの映画に挿入された主題曲で若かりし頃に爆発的に流行した、マンボの中でも不滅の名曲ともいえる、「セレサ・ローサ」ついて触れて見たいと思います。

 映画「海底の黄金」を知らなくてもマンボ「セレソ・ローサ」を知らない人は少なかった…と云ってもそれは半世紀も前の話です。
 この曲はマンボの王様ペレス・プラードの最大のヒット曲として、同じ曲をアレンジした「チェリー・ピンク・マンボ」と共に今でもしばしば耳にします。
 キューバで生まれた新しいリズムのマンボは、瞬く間に拡散して昭和二十年代末期の我が国は、マンボに明け暮れた…と云っても過言ではありません。
 当時のラジオ人気番組の「S盤アワー」のオープニング・テーマに使われた「エル・マンボ」に始まり、「マンボNo5」そして「セレソ・ローサ」でマンボの流行はピークに達しますが、この傾向は歌謡曲の世界にも浸透して、美空ひばりの「お祭りマンボ」が大ヒットしました。

 1955年9月の某誌の人気投票の中間発表でSPレコードの部門の、第1位はペレス・プラード楽団の「マンボNo5」、第2位が「セレソ・ローサ」と人気は抜群でした。
 いつやら私がブログで探しまくっていたシルヴァーナ・マンガーノの「アンナ」が第3位になり、第4位はペギー・リーの「ジャニー・ギター」が入っています。
 第5位はグレン・ミラー楽団の「ムーンライト・セレナーデ」が頑張っていましたが、キューバン・リズムに押されてヒットパレードの中身も大きく変り、従来のジャズ・ポピュラーが大きく後退を始めます。、
 6位が昨日の記事で触れたローズマリー・クルーニーの「マンボ・イタリアーノ」で先日久しぶりにCDを聴きました。
 いずれにしてもマンボが我が国の音楽界に、いかに大きい影響を与えていたか…と云うことを如実に表現していると思います。
 この数十年前のヒット曲が今でも愛されているのは、それなりの理由があるようです。
 






(映画音楽)「ロック・アラウンド・ザ・クロック」(映画「暴力教室」②

2006-10-06 00:02:37 | 映画音楽
 この「ロック・アラウンド・クロック」のリズムは、ロックの日本上陸初期ぐらいの音楽と思いますが、我が国の若い年代に受け入れられて、瞬く間に全国に広まりました。
 ロック嫌いの私ですらあのメロディとリズムは覚えていたので、高校生だった娘が感心?したぐらいですから…

 資料でこの時代のことを確認しますと…  
  [Rock around the Clock] Bill Haley & His Comets
 >「ロック・アラウンド・ザ・クロック」… ビル・ヘイリーと彼のコメッツの歌と演奏は 1955年に8週連続の全米ナンバー1に輝き、続いてイギリスでもナンバー1を獲得したときに、ロックの正史が始まった…<と云われます。
 そしてこの曲はロックの原点として今尚受け継がれているようです。〔写真)
 
 まさに「ロック元年」のこの頃…かねてから「マンボ」や「チャチャチャ」「カリプソ」など中米あたりを発祥の地とする、新しいリズムの流行で私はいささかイヤケがさしていました。
 アメリカ本土ですらロック音楽の流行で今まで親しんで来た、ポピュラー・ミュージックがだんだん後退して行くのに応じて、私も音楽やシネマの世界から遠ざかって行くようになったように思います。

 原題「ブラックボード・ジャングル」(Blackboard Jungle 〕こんなタイトル自体がかなりショッキングでしたが、当時は教育の場と云えば文字通り「聖域」でした。
 娘が小学校の頃は「智育」「「体育」「徳育」」といった教育の根幹が「成績」「記録」などに偏り、道徳面…「徳育」が軽視されているのでは…と云う反省から「小さな親切」とか、「朝夕のあいさつ運動」など実行されていました。
 道で出合った子供達から「只今!」などと挨拶されると、最初は戸惑っていた大人たちも「お帰り…」と自然に云えるようになったりして、雰囲気は和やかなものになって行ったように思います。
 横断歩道で車を停めると無事に横断を終えた子供達が、そろって最敬礼…法令で決まった当然のことでも、感謝の気持を態度でで示されると雰囲気も楽しいし気分もさわやかになりますね。
 最近でも通学路の小学生の児童達は今でも同じように、実行してくれていますが良いことは受け継いでいつまでも、こんな素直な子供達であってほしいな…と思ったりします。
 「教育再生」などと云う言葉がしばしば聞かれますが、私の身近な先生方の話しを聞いても教育現場では熱心に、取り組んでいられる熱意が伝わってきます。
 先生方も子供達も私の知ってる限りは、なにも問題はないのに…今の社会はどうなってんの?どう考えても不思議な時代です。
 「校内暴力」「学級崩壊」「いじめ」なんて昔はなかった言葉が、早く「死語」になるように…こんな時代が待たれます。
 

(映画音楽)「ロック・アラウンド・ザ・クロック」(映画「暴力教室」) ①

2006-10-05 00:04:05 | 映画音楽
 先月末頃にハリウッドの老優が」ひっそりと亡くなりました。
 その人の名は…グレン・フォード…彼の映画はとは馴染みが薄かったので出た映画についてはよく知りませんでした。
 記事によれば『女優リタ・ヘイワースと共演した「ギルダ」(1946年)で有名になり、39―91年の間に「暴力教室」(55年)、「パリは燃えているか」(66年)、「スーパーマン」(78年)、「JFK」(91年)など80本以上の映画に出演、ロマンスからコメディーまで幅広い役どころを見せた。』
と云う老優の死でした。
 記事の中の映画で一作だけ私は観てませんが、私の記憶の片隅に残っている映画と音楽がありました。それは90歳で去る8月30日に他界した、グレン・フォードが出演していた「暴力教室」と云う映画です。
 この頃は我が国でもまだ学園紛争なども見られず、それほど大きな問題もなく平和な時代でした。敗戦後十年ほど…少し落ち着いて来たばかり…の時代でした。
 それだけに暴力に揺れるアメリカの教育の場の実態に、我が国ではかなり衝撃的な映画だったのでは…と思われます。

あらすじは
 ニューヨークのの高校に赴任した教師ダディエ(グレン・フオード)は、陰惨な暴力に荒れる凶暴なクラスを担当することになります。生徒たちの反抗は彼のみならず彼の妻にさえ暴力を加えようとします。
 理想と反した実態に彼も遂に「目には目を…」つまり「暴力には暴力」で対抗するようになりますが…

 荒れる学校がまだ大きな社会問題ではなかった時代、公開当時は何分「校内暴力」や「学級崩壊」などと云う言葉すら、なかった時代ですからとても衝撃的な映画だったようです。
  
  1955年 アメリカ 101分 日本公開:1955年8月 原題 Blackboard Jungle
監督 リチャード・ブルックス
キャスト グレン・フォード、アン・フランシス、ルイス・カルハーン、
ヴィク・モロー、シドニー・ポワチエ
Music Composed by Charles Wolcott
音楽:チャールズ・ウォルコット
   主題歌 「 Rock Around The Clock」Bill Haley and His Comets
     「ロック・アラウンド・ザ・クロック}(歌 ビル・ヘイリー)
 
このキャスト見て思い出しました。
 アン・フランシス…ブロンドの可愛いい女の子だったかな?出てた映画は思い出せませんが… 
 シドニー・ボアチエ…初期の作品のようです。暴力学生の役かな? 
 ヴィク・モロー…ひょっとしてテレビで「コンバット」に出てませんでしたか?   遠い記憶のことですからアテにはなりませんが…。
内容もさることながらこの映画を更に盛り上げたのは、あの主題曲ではないかと思います。             (続く)
 

映画音楽〕「風のささやき」  〔映画「華麗なる賭け」)③

2006-10-04 00:03:25 | 映画音楽
 この主題歌「風のささやき」(The windmills of Your Mind)はノエル・ハリソンが画面で歌っています。この歌が流れる場面は映画の中でも私が一番好きなシーンです。
 大空を悠々と舞うグライダーの姿…操縦するのは銀行強盗の黒幕トミー…(スティーブ・マックイーン)彼の精悍なマスクが写ります。
     別れを悟ったときに気づく
     彼女の髪の色が 
     秋の葉の色と同じだと…      (画面より)
 秋色に染まった草原にグライダーが着陸して…
 空中撮影は私も大好きですが「愛と哀しみの果て」での、アフリカ大陸の雄大な風景は今でも忘れられません。

 歌っているノエル・ハリソンは「マイ・フエア・レディ」で、ヒギンズ教授役を務めたレックス・ハリソンの息子だそうです。
 私はミッチー・ミラーののCDしか聴いていなかったのですが、これに比べると画面から流れる彼の歌の方が、スローで柔らかい感じが新鮮に感じられました。
 作曲のミシエル・ルグランは私もよく知りませんでしたが、「シェルブールの雨傘」…と聴いてやっとと思い出しました。
 全編オペラ風のセリフで知られるカトリーヌ・ドヌーブの映画でしたが、あの雪の夜の再会と別れが印象的な、叙情に溢れた映画でありこれを引き立てたのも彼の音楽だったように思います。

 「風のささやき」今どんなのが出ているのかなと調べてみたら…
 「クラシック界の名ソプラノ歌手、ジェシー・ノーマンが、ミッシェル・ルグランの作品に挑んだアルバム」
 歌のうまさと表現力は、ポピュラーを歌っても際立っている
 ミシェル・ルグラン(ピアノ) ロン・カーター(ベース)
 グラディ・テイト(ドラム
  DISC 1.1. 夏は知っている(ds)10. 風のささやき
 私はよく知らないのですが、ジェシ-・ノ-マンはアフリカ出身のソプラノ歌手だそうです。
 それにしても作曲者自らピアノを弾く…とても凄いことですね…
 
 私の「気になる映画と映画音楽」で「風のささやき」は、今まで正体がよく判らなかったので二軍待機?でしたが、今回のVTRで点数をどっさり稼いだので私の「100選入り」が確実になりました。
 




映画音楽〕「風のささやき」  〔映画「華麗なる賭け」)②

2006-10-03 05:58:46 | 映画音楽
 ところでこの映画の相手役のフェイ・ダナウェイについては、この映画を見るまでは名前を知りませんでした。
 しかし1967年に製作された「俺たちに明日はない」は、新聞の映画評などで少し話題になったので多少はは知っていましたが、それでも主演俳優が誰だったかは勿論、殆ど関心はありませんでした。
 彼女が「俺達で…」の演技でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされる程の、大物女優だったことに今頃になって気づきました。 
  
   FAYE DUNAWAY フェイ・ダナウェイ 1941年生まれ
 フロリダ州立大学 ボストン大学演劇科 ロンドンのロイヤル・アカデミー留学 エリア・カザンに見出され、62年「わが命つきるとも」でブロードウェイ・デ 67年「真昼の衝動」で映画デビュー 67年「俺たちに明日はない」
 74年「チャイナタウン」でアカデミー主演女優賞にノミネート
 76年「ネットワーク」でついにアカデミー主演女優賞を受賞
 学歴、芸歴から見ると文句のつけようがない大スターであることは間違いないようです。

 それにしてはこの映画は少し軽い感じがしましたが、最初から犯人とかいろいろのことががバレテいるのに、ドキドキするような感じの面白い映画でした。
 保険の調査員と云う「職務」と彼への「愛情」のどちらを選ぶか…この選択を迫られた彼女は、警察にもトミーにもどちらの顔も立つような都合の良い「取引」の提案をします。
 この取引がうまく運べば双方損得なしでめでたいのですが、それでは映画が終わってしまうので勿論取引は成立しません。さて…どうする…と云うところがこの映画のミソかな…と思います。
 この映画より前作の「俺たちに明日はない」描写が凄惨なことで、当初は一般向きしなかったようですが、それが批評家に高く評価されてからヒットしたと云われます。
 このような状況を詳しく知っていたら彼女に対するイメージも、少しは違っていたかも判りませんが、この映画は話題になることもなくも殆どなく目立たなかったように思われます。
 目立ったとすれば」映画自体よりも、むしろ画面でノエル・ハリソンが歌っていた主題曲「風のささやき」だったのでは…と思います。
                        (未完)
 
 





〔映画音楽〕「風のささやき」  〔映画「華麗なる賭け」)①

2006-10-02 00:03:04 | 映画音楽
 この曲はミッチー・ミラーの演奏でCDを時々聴いていたし、曲のタイトルも感じがいいし一度は私の「映画音楽100選」にノミネートしたのですが、肝心の映画の「華麗なる賭け」についても調べねばならず、面倒くさくなって来て降りて貰いました。
 その後は忘れていたのですが偶々NHK-BSで放送していたのを、録画してやっと観ることが出来ました。

 と云う訳でこの映画や音楽について殆ど予備知識がないまま見たのですが、主演のスティーブ・マックイーンは「大脱走」で、何度も繰り返し見ているので懐かしくもあり楽しんで見れました。
 大金持ちのトミー(S・マックイーン)は何故か、銀行強盗を思い立ち他人を雇って大金強奪に成功します。その一方で保険調査員ピッキー(フェイ・ダナウェイ)は彼を犯人の黒幕とにらんで、自らの身分も明かして彼に接近して行きます。
 どちらも敵同士なのにそれからの二人の親密ぶりは、組んでいる刑事が心配するほど、その遊びっぷりも半端なものじゃありませんね。
 「大脱走」のハードなイメージが強かった私には、割合とおとなしく元気がない彼に心配してましたが海岸でのスポーツ・カーでの場面で、あの映画のバイクのアクロバット・シーンをふと思い出し彼の本領発揮…と云うところですね。
 もう一度、銀行強盗を実行する…と云う彼に、ピッキーは仕事か…恋か苦しい選択を迫られるのですが…勿論、彼は彼女が止めるのを聞かずに、再度銀行」を襲って成功します。
 「華麗なる賭け」…なにか暗示的な私好みの良いタイトルです。映画を見ずに題名だけで作品の良否を決めていた〔?〕私は、もしこの映画が50年代の映画だったら、このタイトルを聞いただけで多分この映画を見たかも判りません。
 この「賭け」の意味は私の解釈では彼にとっては彼女が
「仕事に忠実に」生きて行くのか…?
 彼への「真実の愛」に生きるか…?
彼女がどちらを選ぶか…?と云う文字通り「華麗なる賭け」だったのですね。
 結末で彼女はどちらを選んだのでしょうか…
 彼は賭けに勝てるか…どうか…最後まで…魅せられました。
                          (未完)
 


 



(映画音楽〉 「吹き荒ぶ風」 (同名の映画)

2006-09-30 00:01:56 | 映画音楽
 こんな映画や音楽がほんとにあったのかな…と思われそうな目立たない映画であり音楽でした。でも出ているのは当時の「有名スター」ばかりだったのです。
 主演はゲイリー・クーパーですが、出ている女優が凄い…大姐御格のバーバラ・スタンウィックと中堅スターのルース・ローマンでした。
 しかも音楽担当はデミトリー・テイムオキン…歌っていたのはフランキー・レインなどと一流どころばかり…
 このあたりまではしっかりと覚えていたのですが、ストリーはと云うと南米か北海かは忘れましたが、とにかく油田を舞台とした活劇だった…ぐらいしか記憶がありませんでした。
 私が勝手に独断と偏見で選んだ「映画音楽100選」の中に、無理矢理に押し込みましたが私の記憶が、真実であって欲しい…と云う願いをこめて今回も探索の旅に出かけました。

 探しまくったらやっと参考データに行き当たりました。
 キャストなどの記憶は概ねその通りでしたが、舞台の油田はどうもメキシコあたりのようです。
 ジェフ(G・クーパー)は掘っていた油田を悪者に爆破されて、ある街へ流れ着いて油田までニトログリセリンを運ぶ仕事を引き受けます。
 おいおい…どこかで聞いた話じゃないか??それイブ・モンタンの映画と同じじゃないの…とこんなスタートで物語展開していきます。
 ジェフが昔の女性マリーナ(バーバラ)と偶然出会ったり、そこへサル(R・ローマンが現れて…ややこしい話しが…

 とにかく全く話題にならずうっすらと覚えているのは、フランキー・レインのかすれたような歌声だけ…これほど印象が薄い映画は珍しいです。
 バーバラ・スタインウイックは、以前に「深夜の告白」と云うサスペンス映画を見ましたが、この映画同様に悪女の役柄がぴったりでした。
 イタリア映画「道」のアンソニー・クインも出ていたのですが、ルース・ローマン同様にあまり印象に残りませんでした。
 音楽担当のD・ティムオキンも「ハイ・ヌーン」が良すぎたせいか、主題曲も全く目立たず、とにかくこんな映画があった…と云うことだけは確認出来ました。
 私の「100選」のうちで、ワースト×位にランクされそうな一本でした。

 写真はバーバラ・スタンウイックの若かりし頃です。私は若かったのに何故か…このオバサンスターがお気に入りでした。 (1907-1990)
  
アメリカ映画 「吹き荒ぶ風」(Blowing Wild)  
1953年作品。監督 ヒューゴー・フレゴニーズ。音楽 ディミトリ・ティオムキン

    出演 ゲーリー・クーパー、バーバラ・スタンウィック
        ルース・ローマン アンソニー・クイン  ワード・ボンド



 




(映画音楽)「サマータイム」(映画「ポギーとベス」)

2006-09-29 00:04:36 | 映画音楽
 「サマー・タイム」は若い頃から知っていたのですが、不思議なことにこの歌がアメリカ映画「ペギーとベス」の主題歌だった…と云うことは私のブログで、一度だけ軽く触れたことがありますが、詳しいことはよく知りませんでした。
 それはこの映画が製作された1959年は私のシネマ熱も、ピークを越えて下降傾向にあったことや、この映画自体モデルになった遺族のたちが不満だったために、契約分の映画とTVの公開が済むと、元フイルムがすべて焼却され以後は公開が禁じられたため、再公開の機会もないまま現在に至っていると云われているからでした。
 と云う訳で気になる映画…気になるスクリーン・バック・ミュージック…まだまだ続きそうです。
 懲りずに読んで下さいね。

 「サマータイム」はオペラ…と云って(ジャズ的要素が入っているので、フオーク・オペラと云うそうですが)悪ければミュージカルの「ポギーとベス」の挿入曲として1835年に初演されたため、舞台で歌われた曲が一人歩きして、広く知られるようになつたように思われます。
 これはブロードウェイの舞台が大当たりした、「南太平洋」の映画主題曲「魅惑の宵」とよく似たケースが思い出されます。
 この映画の特徴として主役のシドニー・ボワチエをはじめ、出演者全員が黒人であったことですが、ルイジアナ州に暮らす黒人社会の出来事を描いたジョージ・ガーシュイン原作のミュージカルを映画化したものです。
 映画は見ていませんので詳しいことは判りませんが、とにかく私好みのMGM映画風の甘いものではなく、どちらか云えば「屋根の上のヴァイオリン弾き」のような民族的、現実的な諸問題も含んだ作品のように想像されます。
 
 泥棒のクラウンの愛人ベスは夫が人を殺して逃亡したので、自分も捕まりそうになり足の不自由なポギー(シドニー・ボワチエ)の暮らす小屋に匿われます。
 やがて二人の間に愛情が芽生えるのですが、そこへ逃亡中のクラウンが現われ、ポギーは争ううちにクラウン誤って刺殺してしまいます……
 映画は舞台とは細部では多少違うようですが大筋は似たもののようです。

 ところで映画ではどの程度に挿入歌の「サマー・タイム」が使われたのか…資料が少ないので判りませんが、舞台ではこの歌が重要な役割を果たしたようです。

嵐がやってきて漁師のジェイクの船が転覆し、妻のクララは赤ん坊をベスに預けて外に飛び出します。結局、ジェイクもクララも帰ってきませんでした。
 ベスがクララの赤ん坊をあやしながら歌うのが「Summertime」です。
 歌詞は…
夏が来たよ。これで暮らしやすくなるね。
魚も跳ねるし、綿も伸びるよ。
お前の父ちゃんは金持ち、それに母ちゃんは美人だよ。
さぁ、だからベイビー、もう泣くのはおよし……

 貧しくつつましい暮らしを送る彼女達にとって、夏こそは躍動の季節…
こんな風にまるで自分に言い聞かせるように歌う切ない子守唄…
 最初のレコードは舞台のソプラノ歌手が歌ったそうですが、映画では出演の女優が歌っていたのか、この点は判りません。
 私の手元のにはダイナ・ショアのヴォーカル盤と、サム・ティラーのサックス演奏の二種類がありますが、どちらも甲乙つけられませんが…やはりダイナの歌の方がしっとりとしていいと思います。

 この映画に出ているシドニー・ボワチエは「夜の大捜査線」でも見ましたが、黒人俳優として優れた演技力は白人と対等以上の立場にあったようです。
 音楽界ではジャズが本来は南部の黒人社会から派生したものなので、ルイ・アームストロングやサラ・ヴォーンなど黒人のアーティスとは多数いましたが、映画の世界では黒人の大スターは少なかったようで、当時の彼の存在はとても大きく価値あるものだったと思われます。
  
 入手不能といわれていた映画「ポギーとベス」 (1959) DVD販売が珍しくも1件ありましたので記載しておきます。
  http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=21395
  PORGY AND BESS 上映時間 140分 アメリカ ジャンル ミュージカル
監督: オットー・プレミンジャー  製作: サミュエル・ゴールドウィン
作曲: ジョージ・ガーシュウィン  音楽監督: アンドレ・プレヴィン
音楽: デュボース・ヘイワード   ケン・ダービー

出演: シドニー・ポワチエ   ドロシー・ダンドリッジ
    ブロック・ピータース   サミー・デイヴィス・Jr
    ダイアン・キャロル   ニシェル・ニコルス