河口湖から次の目標の「白糸の滝」へ向かいました。
現在は途中には朝霧高原などもあって牧歌的な風景が見られますが、昭和初期にあったのかどうかはよく判りません。
今はお土産屋が立ち並ぶ道も、あの頃はひっそりとして「音止(おとめ)の滝」と「白糸の滝」の二つの滝が、富士山の溶岩から湧き出た清冽な地下水を集めて、滔滔と音を立てて流れ落ちていました。
「音止の滝」は水流が一箇所に集中して流下しているので,水量が多く水音は轟々として話し声が聞こえにくい程です。
言い伝えによれば源平時代の頃,曽我兄弟の敵討ちと言う故事がありましたが、その時に二人の密談が聴こえにくいので、「黙れ!」と一喝したら一瞬水音が止んだ‥と云うことで「音止の滝」だそうです。
これに比べて「白糸の滝」は幅が広くて、水流が分散して落下しているので水音はそれ程ではありませんが、二十数メートルの高さですから、やはり壮観には違いありません。
ここで思い出すのが名作「滝の白糸」です。この作品とこの名所が関連あるのか、どうか、詳しい筋書きも大半は忘れましたが、旅芸人「白糸」はふとしたことから罪を犯して裁判を受ける身になりました。
この裁判を担当することになったのは‥いかなる運命の神様のいたずらか、奇しくもかって援助していた苦学生だったのです‥‥彼女に支えられて学業を終えた彼は、その後に裁判官((検察官かも?)に任官されていたのです。
さて彼女の運命は如何相成りまするか?‥私がうっすらと覚えているのはこのあたりまで‥おあとは泉鏡花原作の小説でも読むことにしましょうか。
泉鏡花‥本名は泉鏡太郎‥戦後のヒット曲で小畑実が歌っていた、「湯島の白梅」でお馴染みの「婦系図」(おんなけいず)の原作者でもあります。
先に触れたように「音止の滝」は、狭い川幅に水流が集中しているので、勇壮で男性的なのに比べ「白糸の滝」は水流が分散していますから、優しくて細やかで繊細な女性的な感じを受けます。
苦学していた青年に援助の手を差しのべていた、心優しき悲劇の旅芸人「滝の白糸」のネーミングは、この滝のイメージからつけられたのかも知れませんね。
ここは今まで何度か来たことがありますが、その度に思い出すのがこの名作であり、哀しい旅役者「滝の白糸」の面影でした。
「白糸の滝」は富士山の西側にありますから、長尾峠とは反対の方向から写したことになります。こうなると南側‥つまり太平洋岸からも写して見たくなりました。富士川を伝って下ることにしましたが、その道筋に忽然と現れた珍しい風景に私は釘付けになりました。
さて、そこには21世紀の現代では、おそらく見ることも出来ない風景が‥
詳しくは次回に‥
現在は途中には朝霧高原などもあって牧歌的な風景が見られますが、昭和初期にあったのかどうかはよく判りません。
今はお土産屋が立ち並ぶ道も、あの頃はひっそりとして「音止(おとめ)の滝」と「白糸の滝」の二つの滝が、富士山の溶岩から湧き出た清冽な地下水を集めて、滔滔と音を立てて流れ落ちていました。
「音止の滝」は水流が一箇所に集中して流下しているので,水量が多く水音は轟々として話し声が聞こえにくい程です。
言い伝えによれば源平時代の頃,曽我兄弟の敵討ちと言う故事がありましたが、その時に二人の密談が聴こえにくいので、「黙れ!」と一喝したら一瞬水音が止んだ‥と云うことで「音止の滝」だそうです。
これに比べて「白糸の滝」は幅が広くて、水流が分散して落下しているので水音はそれ程ではありませんが、二十数メートルの高さですから、やはり壮観には違いありません。
ここで思い出すのが名作「滝の白糸」です。この作品とこの名所が関連あるのか、どうか、詳しい筋書きも大半は忘れましたが、旅芸人「白糸」はふとしたことから罪を犯して裁判を受ける身になりました。
この裁判を担当することになったのは‥いかなる運命の神様のいたずらか、奇しくもかって援助していた苦学生だったのです‥‥彼女に支えられて学業を終えた彼は、その後に裁判官((検察官かも?)に任官されていたのです。
さて彼女の運命は如何相成りまするか?‥私がうっすらと覚えているのはこのあたりまで‥おあとは泉鏡花原作の小説でも読むことにしましょうか。
泉鏡花‥本名は泉鏡太郎‥戦後のヒット曲で小畑実が歌っていた、「湯島の白梅」でお馴染みの「婦系図」(おんなけいず)の原作者でもあります。
先に触れたように「音止の滝」は、狭い川幅に水流が集中しているので、勇壮で男性的なのに比べ「白糸の滝」は水流が分散していますから、優しくて細やかで繊細な女性的な感じを受けます。
苦学していた青年に援助の手を差しのべていた、心優しき悲劇の旅芸人「滝の白糸」のネーミングは、この滝のイメージからつけられたのかも知れませんね。
ここは今まで何度か来たことがありますが、その度に思い出すのがこの名作であり、哀しい旅役者「滝の白糸」の面影でした。
「白糸の滝」は富士山の西側にありますから、長尾峠とは反対の方向から写したことになります。こうなると南側‥つまり太平洋岸からも写して見たくなりました。富士川を伝って下ることにしましたが、その道筋に忽然と現れた珍しい風景に私は釘付けになりました。
さて、そこには21世紀の現代では、おそらく見ることも出来ない風景が‥
詳しくは次回に‥