先に読んだ『なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか』の中で絶賛されていた著書を、一気に読みました。
心のトラブル、メンタル疾患の原因をムリ、ムダ、ムラの3つにおいて、どうやって心の不調になるのか、が書かれています。
自衛隊の教官としての経験、メンタル・コーチとしての経験を活かしつつ、体系的に書かれたとても分かりやすい本です。
1章 ムリをしすぎて潰れないために
1章では、「ムリ」について書いています。
ムリが続くことにより、過労→別人化のはじまり→別人化の3段階で進行していきます。
「別人化」というメタファを使い、いかに自分が正常な状態から変わっていくか、とても分かりやすく書かれています。
ムリをためやすい人の特徴として、①頑張る自分の姿が好き ②短期目標で乗り切る癖をもっている
ガーン!これって、私のことじゃないか。
そんな人のために、ムリの防ぎ方についても書かれています。
個人のムリの防ぎ方として、
・「時間」で疲労を管理する。
・目標の7-8割を目指す。
・しがみつきに注意する
こと等が挙げられています。私自身、ふだんからとても気を付けていることです。
2章 感情のムダ遣いを防ぐ
2章では、怒ること、不安に思うことのような感情がいかに、疲れさせるかを書いています。
そして、日本人の自殺率が高くなった真の原因として、情報過多を挙げて、インターネットやSNSがいかに感情を疲れさせているかを説明しています。
感情のむだ遣いを減らす方法として、「怒りの対処の手順」が詳述されています。7つのステップにわたって書かれた怒りの対処の仕方。アンガーマネジメントの本としても参考にできます。 自分なりに効果のあるステップを選択して、手順を決めて繰り返し練習することを勧めています。
3章 ムラのある人から脱却する
ムリやムダに比べて問題として重視されにくい、ムラの問題。長期的にムラが出ると、生活に大きな影響を与えます。
ムラを生じる原因として、過去の失敗、エネルギー不足を挙げています。
そして、このエネルギー不足の問題を解消するために、いかに休息が大切かが書かれています。
ムリ・ムダ・ムラが生じる前に、心身の不調から、「エネルギー不足」になっていることを見つける。
これも、平素からとても意識していることですが、より一層、気を付けようと思いました。
メンタル疾患の本は難しい。脳の機能や脳内物質の働きが書かれていて、難しい本が多いですが、この本は、全くなしです。疲れるから、不調になる。疲れたのに休めないのは、こういう理由があるからだ、といったことが、とても分かりやすく書かれています。
そういえば、最近、本を読む冊数も減って、情報発信も減っているな。これは、エネルギー不足なのかな、と思いながら読みました。
ビジネスマンに限らず、すべての社会人に読んでほしい本です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます