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◇企業システム◇OSSベンダー2社が協業

2008-11-05 16:48:54 | アプリケーション

 【アプリケーション】オープンソースCRMとKSKソリューションズは、OSS(オープンソースソフトウエア)の米ペンタホ社製BI(ビジネス・インテリジェント)ソフト「Pentaho Open BI Suite」を活用したソリューションの販売を開始した。オープンソースCRMは、OSSの米シュガー社製SFA/CRMソフト「Sugar CRM」をベースとしたBIシステムのニーズが高まっていることから、今回、KSKソリューションズと共同で、Sugar CRMとPentaho Open BI Suiteを組み合わせたソリューションの販売を開始したもの。 (08年10月30日発表)

 【コメント】OSSは当初、Linuxに代表されるOSでの普及からスタートし、MySQL、PostgreSQLのようなデーターベースソフト、Apachなどの開発ツール、さらにはSugar CRMソフトなど業務ソフトなどへとその用途を順次拡大させており、ユーザーも拡大の一途をたどっている。OSSの魅力の一つはコスト削減である。通常のパッケージソフトはコストが高く、例え他の要件を満足させる製品でも、ユーザーが導入できない場合も少なくない。また、OSSはソースが公開されていることから、セキュリティ対策などの手をいち早く打つことが可能になる。さらに、OSSの下では大手ソフト企業も中小ソフト企業も、技術力さえあれば大きな格差なく、自由に開発体制を組むことができる。

 OSSはこのような特徴を有するため、今後あらゆるソフトへの普及が見込まれている。今回、Sugar CRMとPentaho Open BI Suiteが組み合わされて提供が開始されたことは、企業システムでの新しいOSSの展開として注目される。つまりOSS同士の組み合わせで業務アプリケーションを組むことによって、従来型のパッケージソフトを組み合わせて使うより、大幅にコストを下げることが可能となってくるからだ。今回の米国のサブプライムローン問題によって日本の経済環境は今後厳しさをさらに増すことが予想される。こうなるといかにコスト削減を実現するかという課題に各企業とも真剣に取り組まねばならない。このためにも企業システムに、いかにOSSを取り込むかが今後の焦点になってこよう。(ESN)