企業システム・レビュー・ネット

企業経営を左右する企業情報システム(経営+ITソリューション)のデータバンク作りを目指す

◇企業システム◇アシストがOSSのオフィスソフト「オープンオフィス」のセミナー開始

2009-04-06 09:43:51 | アプリケーション

 【アプリケーション】アシストは、Microsoft OfficeからOSS(オープンソースソフトウエア)のオフィスソフト「OpenOffice.org」への移行を目指すユーザーを対象にOpenOffice.orgバージョン3.0に対応した研修サービスの提供を開始した。また、同社では自社での導入経験を基に、OpenOffice.orgへの移行に関する課題と対策OpenOffice.orgの概要や同社が提供する支援サービス内容に加え、コスト削減の
ヒントを紹介するセミナーを順次開催する。 (アシスト:09年4月2日発表)

 【コメント】マイクロソフトは今、「ソフト+サービス」をスローガンに大きな変革に取り組んでいる。その一つはOSとブラウザーの分離だ。ウインドウズOSについて2001年発売のXPが市場に定着した結果、マイクロソフトがいくらビスタに移行させようとしても上手くいかず、結局2014年までXPのサポートを続けざる得ない羽目に陥った。こうなるとビスタの存在はというと当初の目論見通りには行かず、何か中途半端な存在にしか見られなくなっているのが現状である。それにXPからビスタに移行しようとすると、パソコンの容量を上げなければならない。XPが300MHz/128MBのPCで済んでいたが、ビスタになると1GHz/1GBのPCでないといけなくなる。

 マイクロソフトが打ち上げている「ソフト+サービス」は、OSはなるべくシンプルにし、その代わりネットサービス「ライブ」を組み合わせて使ってもらおうという新戦略である。そこでマイクロソフトはOSについては、ビスタの次期バージョンである「ウインドウズ7」を切り札とし、新しいブラウザーであるIE8を組み合わせての利用を今後強力にに推し進めていくことになる。しかも独禁法の問題もあり、OSとブラウザーは切り離すことが前提となっている。この新OS「7」は、ビスタと98%の互換性があり、利用環境はビスタと同じ1GHz/1GBのPC上で稼動する。このようにマイクロソフトは2010年発売予定のウインドウズの新しいバージョン「7」以降、ユーザーを新しい世界へと導こうとしている。

 このようなマイクロソフトの戦略とは別に、独自にOSSのオフィスソフトを展開するのが「オープンオフィス」である。「マイクロソフト・オフィス」は、常にマイクロソフトの戦略上の一つの製品としての位置づけで、そのたびにPCを買い換えたりするコストがユーザーにとっては常に負担としてのしかかる。それに対し「オープンオフィス」はカーネル部分は無料で提供され、「マイクロソフト・オフィス」に比べコスト的に安く導入できることが魅力だ。ただ、ユーザーにとっての不安材料は、「マイクロソフト・オフィス」との互換性や使い勝手の問題であろう。つまり、いくらコスト的に有利であるからといって、自社内だけの使用に終わらないのがオフィスソフトの宿命だからだ。

 このオープンオフィスを身をもって自社導入し、その経験を基に外部にオープンオフィスを提供しているのがアシストだ。このアシストが新バージョンの研修会を今回開始することになった。さらに同社が提供する支援サービス内容とコスト削減のヒントを紹介するセミナーも開催する。既に同社がオープンオフィスを導入支援したユーザーは、住友電気工業、NTTコムウエア、トーホーグループそれに会津若松市など徐々にその数が増えている。今後、導入ユーザーが増えれば障壁が低くなり、オープンオフィス導入ユーザーが急速に拡大することも考えられよう。(ESN)