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◇企業システム◇SRA OSS日本支社が米エンタープライズDB社のマスターリセラーに

2008-11-03 15:52:13 | DB

 【DB】SRA OSS日本支社は、オープンソースのデータベースソフト「PostgreSQL」をベースに、Oracle互換機能などを提供している米エンタープライズDB社の「Postgres Plusシリーズ」のマスターリセラーとなった。同時にOracleデータベースからのマイグレーションサービスを開始する。 (08年10月29日発表)

 【コメント】米エンタープライズDBの「Postgres Plusシリーズ」は、①Oracleデータベース機能を持つ「Postgres Plus Advannced Service」と②PostgreSQLの使いやすさを増した「Postgres Plus」の2種類のソリューションからなる。SRA OSS日本支社は、これまでPostgreSQLをベースとしたPowerGresを開発・販売してきたが、今回、これにPostgres Plusを加えることによって、OracleデータベースユーザーがOSS(オープンソースソフトウエア)のデータベースソフトPostgreSQLへの移行の際のコストを最小限に抑えることを可能にした。

 これに先立つ08年10月にNTTは、米エンタープライズDBとPostgreSQLの機能拡張と普及促進で包括的パートナーシップを締結した。具体的には①大規模な分散データベース環境を実現できるレベルにまで拡張性や可用性を向上させる機能開発②NTT事業会社や一般企業ユーザーへの普及促進での協業―がその内容。

 現在オープンソースDBは、サン・マイクロシステムズのMySQLとPostgreSQLの2つが有力製品として注目を集めている。2製品とも技術的にはOracleデータベースと遜色のないところまできていると言われているが、現在Oracleデータベースの牙城を壊せるところまでにはなっていない。その理由の一つは、オープンソースデータベースのサポート・サービス体制の不明確化が挙げられてきた。ところがここにきて、MySQLがサン、PotgreSQLがNTTおよびSRA OSS日本支社と、サポート・サービスの母体がユーザーにとって明確になったことで、この問題も解消されたといってよいであろう。Oracleデータベースからの移行の際のコストの問題も、今回NTTに続きSRA OSS日本支社がユーザーへの全面サポートを表明したことによって、一挙に解決のメドがたった。

 これによって、いよいよOracleデータベースとオープンソースデータベースとの一騎打ちがスタートラインについたと言うことができる。(ESN)