縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

フィリピン、ピープル・パワー革命から20年

2006-03-02 23:00:00 | 海外で今
 フィリピン、アロヨ大統領が2月24日非常事態宣言を出した。軍の将校らが計画していたクーデターを未然に防ぐ目的である。政治的には混乱が続いているものの、株価や為替の動きを見る限りフィリピン経済は比較的落ち着いている。また、フィリピン国民も今回は冷静に受けとめているようだ。第3のピープル・パワー革命にまで発展する動きは今のところない。

 今回の一連の事件で、あのマルコス大統領の失脚、即ちピープル・パワー革命からもう20年経ったということを知った。マラカニアン宮殿を何十万もの人が取り囲み、マルコスはアメリカに亡命。残された宮殿にはイメルダ夫人のおびただしい数の服や靴が、というあの事件である。当時、これでフィリピンの民主化が進むと期待したものの、実際はどうだったのだろうか。

 前回香港に行った際、日曜日の公園などにフィリピン人メイドが大勢集まり、一緒に話したり、遊んだりしている姿を見た。どこの家の給料が高いとか、どの職場が暮らしやすいとか、そんな情報交換をしているのかもしれない。フィリピンの最大の産業はこうした出稼ぎ労働者の仕送りとも言われる。英語を話し、キリスト教徒である彼らの人気は高い。日本でも看護や介護の職場で彼らに門戸を開く日も近いようだ。

 しかし、ある意味これは悲しい話だ。なぜ職を海外に求めないといけないのか。この20年、中国、韓国、マレーシア、タイなど他のアジア諸国は大きな発展を遂げた。その中でフィリピンは取り残された感がある。大きな貧富の差、イスラムの反政府ゲリラの存在などから治安が良くない、政治が不安定、といった理由から、日本や欧米諸国からの投資は他のアジア諸国へと向かったのである。英語、キリスト教という利点を持っているのに、それを活かしきれていない。

 エストラーダ前大統領が不正蓄財などで弾劾され、第2のピープル・パワー革命により追放されたことは記憶に新しい。アロヨ大統領にも親族の不正蓄財や選挙の不正の疑惑がある。単に今回の混乱を乗り切るためだけの場当たり的な措置ではなく、アロヨ大統領には自らの身を正すとともに、政治の安定、そしてフィリピンの発展に向けた抜本的な対策を期待したい。

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