縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

鰻の串焼き、中野『味治(みはる)』

2014-04-10 00:08:57 | おいしいもの食べ隊
 月島から中野に引っ越して来て4カ月になる。引っ越して苦労したのは通勤。中野で遠いと言っては怒られそうだが、以前は歩いても会社に行けたが今は到底無理。久々の満員電車の通勤になかなか慣れなかった。終いには満員電車のせいで(と本人は信じているが)インフルエンザになる始末。ペースをつかむのに3カ月くらい掛かった。
 逆に引っ越して良かったのは飲食店。月島はご存知もんじゃの町で、飲食店の2軒に1軒(3軒に2軒?)はもんじゃである。もんじゃ以外で良い店を見つけるのは結構大変だ。一方、ここ中野は飲食店に恵まれている。おまけに安い。洒落た店は少ないが、極めて実質的でおいしい店が多い。そんな中野でお勧めの店をといって、真っ先に思い浮かぶのが『味治(みはる)』である。

 『味治』は、『美味しんぼ』80巻に鰻串の名人として登場した『川二郎』の2代目・鈴木正治氏が、『川二郎』を甥に譲り5年前に開いた店である。鰻串だけでなく、お客様に鰻重など鰻をゆっくり楽しんで欲しいとの思いから始めたそうだ。
 鰻の串焼きは東京の文化である。不思議だが、あの串揚げ・串焼きと大の串好きで、かつホルモン大好きの大阪にもない。鰻の頭、内臓、背びれ、尾びれなど普通の鰻屋で捨てている部位を含め串に刺し、鰻を余すことなく食べるのである。『川二郎』は串の種類が多かったそうだが、『味治』では短冊、八幡巻、肝、えりの4種類である。
 簡単に説明すると、短冊というのは我々が普通に食べる鰻の身の部分を串にしたもの。ただ鰻を蒸さずに焼いているのでプリプリと弾力があり、蒲焼とは違った味わいが楽しめる。八幡巻というのは、ネギマならぬゴボウマ(ゴボウウ?)、つまり短冊の間に牛蒡を入れて焼いたものである。牛蒡の土臭さと鰻が妙に合って旨い。肝は、肝臓ではなく内臓全体を焼いたもの。最後のえりは、頭というか、鰻の首から顔の部分である。この4本セットが1,200円である。

 『味治』では、この串セットを頼んで日本酒(辛口の“八重壽”)を飲み、〆に鰻丼、懐に余裕があれば鰻重というのが酒飲みの王道であろう。仕上がりは、鰻丼であれば3,000円ちょっと、鰻重であれば4,500円くらいだろうか。金額だけ聞くと高いが、何分鰻の話である。鰻重だけで平気で4、5千円取る店もあるのだから、やはりお得である。
 大将に「カブト(注:新宿にある鰻串の草分け的なお店)のえりは小骨が多くて食べにくいけど、ここのは少なくて本当食べやすいですね。下処理が大変じゃないですか。」と訊ねたところ、大将は笑って「それは企業秘密だよ。」と言った。ただ、その理由がわかるからと鰻の佃煮を勧めてくれた。なんと頭の小骨の佃煮である。これがまた旨い。日本酒のあてに、そして白いご飯のお供に最高だ。
 「お客さん、カブトに行ってるんだ。いやぁ、緊張するな~。」と言った大将の横を見ると、そこにはなんと緑の“八重壽”の瓶が・・・。こうしたゆるい感じが、なんとも中野らしくて好きだ。


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