縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

世の中に絶えて桜のなかりせば・・・・

2006-03-26 23:08:20 | 最近思うこと
 桜が咲いた。近くの公園に100本の桜があり、まだ7分咲きであるものの、勢い良く花の開いた様は見事である。開花は去年より10日ほど早いようだ。
 世の中に絶えて桜のなかりせば
       春の心はのどけからまし
桜がいつ咲くだろうか、そして咲けば咲いたで花はいつまで持つだろう、すぐ散ってしまうことはないだろうか、などと心を痛める、昔の人は本当に優雅である。

 ところで、今でも多くの日本人が桜を巡って一喜一憂するのはなぜだろうか。これはまったくの私見だが、おおよそ次のような理由ではないかと思う。まず桜の花が綺麗であること。しかし、ほかにも綺麗な花は多く、これだけがすべてではない。
 次に花の咲く時季。3月から4月というのは変化の時季である。学校では卒業や新入学があり、皆、学年が変わる。官公庁は勿論、企業でも4月から新年度となる会社が多く、異動、転勤のシーズンでもある。自らの生活が大きく変わるときに咲いていた花、それが桜の花が強く印象に残る理由の一つではないだろうか。
 そして三つ目は春の訪れを告げる花であること。日本は四季のはっきりした国である。寒く、暗い冬が終り、暖かく、新たな生命の息吹や活力に満ち溢れた春がやって来る。桜はこうした春を象徴する、春の喜びを感じさせる花なのである。
 最後は日本人の美意識。漸く花開いたかと思うと雨や風などで一気に散ってしまう、その潔さ。これが散り際の美学というか、日本人の美意識にマッチしているのではないだろうか。

 春の穏やかな陽気の下、一人のんびりと花を愛でるのもいいし、皆で花見に興じるのもいいが、一昨日、そんな気持ちが一気に萎えてしまう新聞記事を見た。

 昨年末、わが国の債務残高は初めて800兆円の大台を突破し、この3月末には地方の債務170兆円と合わせ1,000兆円に達する見込み、という記事である。1,000兆円というとGDPの約2倍の金額である。先進国でこれだけの借金を抱える国はない。
 いずれ大幅な増税、更にはインフレに苦しむことになるのだろうか。桜のように一気に散るわけにはいかないので、自分の出来る範囲で対策を考えなくてはいけない。最低限、心の準備は必要だ。まったく心地よい春を迎えたものの、気の滅入る話である。

 財政に絶えて借金のなかりせば
       皆の心はのどけからまし
           (詠み人知らず)

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