縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

信州・上田で食す

2007-11-11 16:25:43 | おいしいもの食べ隊
 先日、信州は上田に行った。NHKの大河ドラマ『風林火山』に触発されたわけではない。松茸を食べに行ったのである。そう、ここ上田は真田氏だけでなく、松茸の産地としても有名なのである。
 上田・塩田平では、シーズン中、多くの山小屋がオープンし、松茸料理を提供している。デパートで買えば1本1万円近くする国産の松茸を、同じ値段でフルコースが食べられる、何本も食べられる、というので大変な人気である。

 で、食べた印象であるが、確かに沢山食べた。炭火焼、鍋、土瓶蒸し、ホイル焼き、天麩羅それに松茸ご飯。それこそ、4、5年分の松茸を一気に食べたような感じである。感想は? と問われれば、ただ「沢山食べた」としか言い様がない。さして感動しなかった。
 北海道で育ったせいか、はたまた家が裕福でなかったせいか、子供の頃、松茸を食べた記憶はない。社会人になって初めて松茸を食べたとき、これが松茸か、と思った程度で、やはり、あまり感動しなかった。コスト・パフォーマンスが悪いな、という印象。「におい松茸、味しめじ」と聞くし、さすが松茸、かおりは良い。でも自分で買って食べるなら、しめじ(たとえ“本しめじ”ではなくても)が良いと思ったし、今でもそう思っている。

 皆さん、特に松茸好きの貴方、松茸にあまり思い入れのない、こんな僕の感想など無視して、一度トライされてはどうだろうか。焼き物以外では一部輸入物の松茸を使っているらしいが、とにかく量を食べられることは間違い無いので。

 話は一転、ぐっと庶民的な話、そばの話である。
 ご存知の通り、上田というか信州は、そばも有名である。やはり上田に来た以上、そばを食べて帰らねばと、翌日の昼はそばを食べることにした。
 上田のそば屋といえば、内幸町の『柚庵』が元は上田のそば屋だと聞いたことがある。以前、女将さんが「上田の店には羽田さん(注:羽田さんちのツトム君、もとい元首相である)がよくいらっしゃるんですよ」と言っていたのを覚えている。が、如何せん、店の名前が思い出せない。松茸のことしか考えていなかったので、そば屋のことなどまったく頭になかったのである。
(因みに、戻って調べたら『東都庵』という名前だった。)

 どこに行こう、どこで食べようか、と悩んでいたところ、妻が地元のおばさんの情報をゲットしてきた。この辺りでは『車屋』さんが良い、とのこと。市内に何軒かあるらしいが、我々は上田市と青木村の境にある、『車屋 本店』に行くことにした(何のことはない、青木村にある田沢温泉の帰りだったからであるが)。
 ここのそばがうまかった。挽きたて、かつ打ちたてで大変コシがある。歯ざわりや喉越しも良い。そばの太さが不揃い、ときどき少し太いのがあるが、これも手打ちそばならではのご愛嬌である。ちょうど新そばだったし、行った時季も良かった。

 店に「チェーン店募集してます」との張り紙があった。一瞬、脱サラしてそば屋に、との想いが頭をよぎる。そうすれば、毎日おいしいそばを食べられるし、嫌な仕事ともオサラバできる。近くには温泉もあるし、最高の環境だ。
 が、ふっと我に帰って考える。『シーシュポスの神話』、毎日ひたすらそばを打つことの繰り返し。僕にそば道を、そばの真髄を究めようとの気概というか職人気質はない。ふと横を見ると、ずっずっずーっと無心にそばを啜る妻。幸せそうだ。が、やはり二人にそば屋は無理だと思った。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。