縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

鰻といえば ~ 築地 『宮川本廛』

2007-02-07 23:19:21 | おいしいもの食べ隊
 仕事に疲れた平日の夜、ひどく疲れたり夜遅くなったときはブログを書く気がしない。疲れてはいるものの、幸い多少早く家に帰ってきた日は、何か書いてもいいかな、と思う。でも、深く考えるのは、重いテーマは嫌だ。というわけで、今日は前回に続き食べ物の話にした。あしからず。

 この週末、鰻を食べた。築地の『宮川本廛』である。鰻というと宮川に行くことが多い。一度、南千住の尾花とか、東麻布の野田岩に行って見たいと思うのだが、いかんせん遠い。ついつい、電車で一駅、歩いても行ける宮川に行ってしまう。気心知れたというか、安心感もある。
 大概、食べるものは決まっている。つまみに「やまかけ」、「うざく」、それに「うまき」。(因みに「うまき」は二人前からなので、一人で行ったときは「うまき」を食べられない。)そして締めは「うな重」。「うな重」は何種類かあるが(“中入れ”もある)、これだけつまみを頼むと「うな重」は一番小さいので(一番安いとも言うが)十分だ。それでも結構な大きさである。個人的に「肝吸い」はさほど好きではないので僕は注文しない。これがいつものコースだ。
 日曜に行くことが多く、残念ながら「とりわさ」はお休みだが、平日であれば「とりわさ」も良い。鶏肉は親戚がやっている、隣の『宮川食鳥鶏卵』から仕入れており、そこが休みの日曜日に鶏肉はないのである。この『宮川食鳥鶏卵』は珍しい部位の肉も小売しており、中でも“ネック”はお勧めだ。

 さて、その前日、土曜日の昼と夜、食べ物で挫折というか悲哀を続けざまに味わい、日曜日は意を決して(?)宮川に行った。一人だったので、「やまかけ」と「うざく」だけ頼み、日本酒を常温でちびちび飲みながら「うな重」を待った。ここは注文を受けてから鰻をさばくので、鰻が来るのに小一時間は掛かる。「うざく」や「うまき」でもそれ相応の待ち時間が必要である。そのため僕は本を持参して乗り込み、「やまかけ」で空腹を凌ぎつつ、ただひたすらに鰻を待った。
 宮川の鰻はふっくらして、とても柔らかい。おそらく蒸しが相当しっかりしているのだろう。たれの味はさっぱりとした辛口である。ところで、「うな重」も良いが、何よりもここでのお気に入りは「うざく」である。ご存じない方のために説明すると、早い話が鰻ときゅうりの酢の物である。鰻の“う”と、きゅうりを噛んだ時の“ざくざく”いう音とを合わせ、「うざく」になったらしい。うなぎと酢のハーモニー、あっさり味に、きゅうりの食感が加わり、何とも言えぬ旨さである。

 日曜日の昼下がり、前日の怒りを忘れ、一人、僕は「うざく」を楽しんだ。やはり、宮川は期待を裏切らない。