縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

レッドフォードと悲しい現実

2007-02-09 23:55:00 | 芸術をひとかけら
 会社からの帰り、思いがけぬ雨で濡れてしまった。ただ、今年は2月といっても暖かいし、又、金曜の夜という解放感もあって、さほど気にはならない。思わず『雨に濡れても』を口ずさんだほどだ。B.J.トーマスが歌う『明日に向かって撃て!』の主題歌、あの“Raindrops are falling on my head”で始まる、お馴染みの曲である。
 映画の中では、ポール・ニューマンとキャサリン・ロスが自転車を二人乗りして野原を走るシーンで使われていた。歌詞と違い、雨は降っていない。バート・バカラックのやさしく、ほのぼのしたメロディーが、束の間の休息を楽しみ、安らぐ二人の姿とマッチし、大変印象に残るシーンであった。

 ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのコンビ、そう、『スティング』もこの二人だ。あれは最高におもしろい。最後のどんでん返し、思いも寄らぬ結末、こればかりは見てのお楽しみなので詳しく書けないが、映画史に残る名作の一つだと思う。
 レッドフォードは、この2作ではポール・ニューマンの存在感に押されてか、主役の一人ではあるものの、少し陰の薄い気がする。彼をそれほど男前だとも思わなかった。

 しかし、『追憶』を見て、レッドフォードの印象はがらりと変わった。なんてかっこいい、ハンサムなんだろう、と彼の容姿に目を見張った。白の軍服姿がとても凛々しい。バーブラ・ストライサンドも良かった。『追憶』を見るまで彼女のことは、鼻っ柱が強く、小生意気な感じがしてあまり好きではなかった。だが、映画の中でかわいらしく、いじらしい女性の一面を演じるのを見、案外いい子かもしれないと思うようになった。

 などと、取りとめのないことを考えながら、雨の中を歩いて家に帰った。
 で、帰って愕然としたことがある。なんと、レッドフォードが今年で70歳のおじいちゃんになっていたのである。インターネットでそれを知ってショックを受けた。僕の記憶にあるレッドフォードは2枚目俳優、今風に言えばイケ面スターの代表選手である。それが今年で70歳?
 『追憶』の頃、彼は30代半ば、俳優として一番脂の乗った時期だった。そして僕が彼の映画を見たのは学生時代、そのときで封切り後10年以上は経っていたと思う。それからウン十年(?)、彼が70歳、確かに計算は合う。

 何が悲しい、ショックかというと、レッドフォードがおじいちゃんになり、あの素晴らしい容姿が衰えた(見る陰もない?)であろうことではない。ただ単に自分のトシを感じたからである。レッドフォードの年齢という客観的事実を突きつけられ、そうか、自分ももう若くはないんだと改めて気付かされたのである。
 ウーン、時の流れは容赦ない。金曜夜の解放感から、いきなり厳しい現実に引き戻されてしまった。やっぱり、雨は冷たい。