1.まえがき
円錐をある位置から見たときの円錐のシルエットとしての母線の位置を求める問題が
あった。ある視点を定め、ここから線を引いた時、円錐の側面に接する点の軌跡とす
る。
2.設定
円錐の高さを h、底面の半径を a、視点の座標を (x,0,z) (z≧0)とする。円錐の接平面上
の母線が底面において、x軸とのなす角をθとする。
3.計算
この軌跡は、次の考察から円錐の母線(直線)となる。図において y=0 の位置から、
左右に対象の位置で円錐の側面に平面を張付けたとすると、これは円錐の接平面とな
る。この2つの接平面の交線は直線となる。その交線上の1点を通る、接平面上の直
線は円錐に接し母線を形成する。つまり、母線は直線となる。
x-z平面での接平面の式は
z=-(h/a)x+h (y=0)・・・・①
となる。x軸から角度をθとするとxy平面の回転によって、θの位置の切平面の式は
z=-(h/a)(xcosθ-ysinθ)+h・・・・②
となる。
この平面の ±θの位置の2つは②を整理して
xcosθ-ysinθ+(a/h)z-1/a=0
xcosθ+ysinθ+(a/h)z-1/a=0
となり、この2つの平面の交線の方向比 (l,m,n) は公式から
l=-sinθ a/h-(a/h)sinθ = -2(a/h)sinθ
m=-{cosθ a/h-(a/h)cosθ} = 0
n=cosθsinθ+sinθcosθ = 2sinθcosθ
となる。
またこの直線は必ず、円錐の頂点 (0,0,h) を通るのでこの接線の式は
x/{-2(a/h)sinθ} = y/0 = (z-h)/2sinθcosθ
→ z=-(h/a)cosθ x+h (y=0)
となる(この直線上のどの位置から見ても母線は同じ)。
したがって、(x,0,z) の位置から見た、θは
cosθ=(a/x)(1-z/h)
となる。
この式から、z>h のときは、θ>π/2、つまり、円錐の裏
側に回り込む。
4.検討
なお、z>h(1+x/a) のとき、cosθ<-1となり、解は無いが、このとき視点から見える
のは、円錐の底面なので、楕円が見える。また、a/x≦1 なので、z の下限に制限は
無い。
以上