EG39・副詞の基本の続きです。EG39では意味の面から副詞を判断するだけでなく、形式の面からも副詞を判断することの重要性を説いたわけですが、さっそく以下、見ましょう。
(1)I am at home. (家にいるよ。)
(1)の‘home’は‘at home’で使われていますね。前置詞の後には名詞がくるというルールもありますし、普通は‘home’=「家」で覚えているので、名詞のイメージが強いんですが、(2)はどうでしょう?
(2)a. Let's go home.(〇) (帰りましょう。)
b. Let's go to home.(×) (訳同上)
ん?(2a)が正しく、(2b)が誤りであるのは、(1)の帰結からは矛盾しています。まず考え方として、(2a)からは、‘go’には他動詞(目的語を取る動詞)としての用法があるかなと推測しますが、(3)を見る限り、そう考えてもあまり良い答えにはならないようです。
(3)Let's go to the station.(〇) (その駅に行ってみよう。)
(3)では、「前置詞(to)+名詞(the station)」が‘go’の後にありますので、やはり‘go’に自動詞(目的語を取らない動詞)としての性質は生きているようです。ここは、‘go’よりも、むしろ‘home’に原因があると考えた方が良さそうです。
(4)I fell down on my way to the station.(〇) (駅に行く途中で転んだ。)
(5)I fell down on my way home.(〇) (帰宅する途中で転んだ。)
(4)と(5)の対比から‘to the station’と‘home’が入れ換えの対象になっていることがわかります。では、‘home’には特別に前置詞を含んだ表現法があると考えてはどうでしょうか?そうすると(6)がダメな理由がわかりますね。
(6)I fell down on my way to home.(×) (訳同(5))
このように、一見、名詞的な感じがするものの、実は前置詞の役割も含んだ擬似副詞(とでもいうんでしょうか?)が英語には存在します。‘home’は、(1)のように、ある場所に既に存在していることが主張される場合に名詞としての優先権が発生するのです。(2a)と(5)の類例を見ましょう。
(7)go overseas (海外に行く)、go abroad (海外へ行く)、go there (そこへ行く)、
come here (ここに来る)、等
(7)の表現は動詞との間に前置詞が付くことはないので要注意です。こういった表現は、大体は、向かう場所に関するものが多いんですが、時間に関するものもあります。
(8)Yesterday's paper (昨日の新聞)
(9)I studied English <yesterday>. (昨日、英語を勉強した。)
(8)では‘yesterday’が明らかに名詞ですが、(9)では、「主語(I)+動詞(studied)+目的語(English)」が文の骨格となっていて、<yesterday>が副詞として扱われています。これは慣れている人が多いと思いますから簡単ですね。
(10)a. I ate bread <this morning>.(〇) (今朝、パンを食べた。)
b. I ate bread <in this morning>.(×) (訳同上)
(10a)は割と見慣れているのですが、書いたり話したりするときは思わず(10b)をやってしまいますね。これは、‘in the morning’「午前中」との混同からくるようです。以下はどうでしょうか。
(11)There were a lot of people in the room. (その部屋には大勢の人がいた。)
(12)a. A car is <a lot> faster than a bicycle. (クルマは自転車よりずっと速いぞ。)
b. A car is <much> faster than a bicycle. (訳同上)
(11)は、‘a lot of ~’「たくさんの」で覚えている人が多いと思いますが、‘a lot’の部分は名詞的に感じられます。事実、名詞なんですが、そういった先入観を持つと、(12a)の‘a lot’が、(12b)のように、‘much’(比較級に付いて「はるかに」の意味)で置き換えができるような副詞であることに気付きにくいんですね。
(13)I am <twenty years> old. (オレはもう二十歳だ。)
‘I am ~ years old.’の年齢を表す表現は暗記してしまってる人が多いんですが、(13)の< >の部分は実は、「程度」を表現する副詞で、「主語(I)+be動詞(am)+補語(old)」の骨格となる文に、「今までどの程度生きているか」を表現する副詞として、年数、<~ years>を入れることになっているのです。ここでもやはり、「骨格とそれに依存するもの」といった依存関係がありますね。
EG39では、文中の「依存関係」、すなわち、骨格とその骨格に依存するもの(副詞やそれに類するもの)の相対関係を形式的な面から見抜くことは大切だと言ったのですが、今回は新たなポイントとして、基本となる骨格に対して依存する側のものには、形式上のトリックが存在する場合があるのを見ました。一見、名詞のように見えても副詞のように振る舞う表現があるんですね。
英語の仕組みに関しては、こういった注意点を1つ1つしっかり確認して基礎固めをしていけば、比較的、短期間で英語脳の大方は完成してしまいます(←マジですか?)。やっぱり、あれこれと不安を抱えながら英語を話すよりも、自信を持って話したいですもんね。自分の英語を自己分析する力を養いましょう。
●関連: EG39
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(1)I am at home. (家にいるよ。)
(1)の‘home’は‘at home’で使われていますね。前置詞の後には名詞がくるというルールもありますし、普通は‘home’=「家」で覚えているので、名詞のイメージが強いんですが、(2)はどうでしょう?
(2)a. Let's go home.(〇) (帰りましょう。)
b. Let's go to home.(×) (訳同上)
ん?(2a)が正しく、(2b)が誤りであるのは、(1)の帰結からは矛盾しています。まず考え方として、(2a)からは、‘go’には他動詞(目的語を取る動詞)としての用法があるかなと推測しますが、(3)を見る限り、そう考えてもあまり良い答えにはならないようです。
(3)Let's go to the station.(〇) (その駅に行ってみよう。)
(3)では、「前置詞(to)+名詞(the station)」が‘go’の後にありますので、やはり‘go’に自動詞(目的語を取らない動詞)としての性質は生きているようです。ここは、‘go’よりも、むしろ‘home’に原因があると考えた方が良さそうです。
(4)I fell down on my way to the station.(〇) (駅に行く途中で転んだ。)
(5)I fell down on my way home.(〇) (帰宅する途中で転んだ。)
(4)と(5)の対比から‘to the station’と‘home’が入れ換えの対象になっていることがわかります。では、‘home’には特別に前置詞を含んだ表現法があると考えてはどうでしょうか?そうすると(6)がダメな理由がわかりますね。
(6)I fell down on my way to home.(×) (訳同(5))
このように、一見、名詞的な感じがするものの、実は前置詞の役割も含んだ擬似副詞(とでもいうんでしょうか?)が英語には存在します。‘home’は、(1)のように、ある場所に既に存在していることが主張される場合に名詞としての優先権が発生するのです。(2a)と(5)の類例を見ましょう。
(7)go overseas (海外に行く)、go abroad (海外へ行く)、go there (そこへ行く)、
come here (ここに来る)、等
(7)の表現は動詞との間に前置詞が付くことはないので要注意です。こういった表現は、大体は、向かう場所に関するものが多いんですが、時間に関するものもあります。
(8)Yesterday's paper (昨日の新聞)
(9)I studied English <yesterday>. (昨日、英語を勉強した。)
(8)では‘yesterday’が明らかに名詞ですが、(9)では、「主語(I)+動詞(studied)+目的語(English)」が文の骨格となっていて、<yesterday>が副詞として扱われています。これは慣れている人が多いと思いますから簡単ですね。
(10)a. I ate bread <this morning>.(〇) (今朝、パンを食べた。)
b. I ate bread <in this morning>.(×) (訳同上)
(10a)は割と見慣れているのですが、書いたり話したりするときは思わず(10b)をやってしまいますね。これは、‘in the morning’「午前中」との混同からくるようです。以下はどうでしょうか。
(11)There were a lot of people in the room. (その部屋には大勢の人がいた。)
(12)a. A car is <a lot> faster than a bicycle. (クルマは自転車よりずっと速いぞ。)
b. A car is <much> faster than a bicycle. (訳同上)
(11)は、‘a lot of ~’「たくさんの」で覚えている人が多いと思いますが、‘a lot’の部分は名詞的に感じられます。事実、名詞なんですが、そういった先入観を持つと、(12a)の‘a lot’が、(12b)のように、‘much’(比較級に付いて「はるかに」の意味)で置き換えができるような副詞であることに気付きにくいんですね。
(13)I am <twenty years> old. (オレはもう二十歳だ。)
‘I am ~ years old.’の年齢を表す表現は暗記してしまってる人が多いんですが、(13)の< >の部分は実は、「程度」を表現する副詞で、「主語(I)+be動詞(am)+補語(old)」の骨格となる文に、「今までどの程度生きているか」を表現する副詞として、年数、<~ years>を入れることになっているのです。ここでもやはり、「骨格とそれに依存するもの」といった依存関係がありますね。
EG39では、文中の「依存関係」、すなわち、骨格とその骨格に依存するもの(副詞やそれに類するもの)の相対関係を形式的な面から見抜くことは大切だと言ったのですが、今回は新たなポイントとして、基本となる骨格に対して依存する側のものには、形式上のトリックが存在する場合があるのを見ました。一見、名詞のように見えても副詞のように振る舞う表現があるんですね。
英語の仕組みに関しては、こういった注意点を1つ1つしっかり確認して基礎固めをしていけば、比較的、短期間で英語脳の大方は完成してしまいます(←マジですか?)。やっぱり、あれこれと不安を抱えながら英語を話すよりも、自信を持って話したいですもんね。自分の英語を自己分析する力を養いましょう。
●関連: EG39
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