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英語脳をつくる!~日本人はいかに効率良く英語を学べるか~

英語学習に関する事いろいろです。日本人がいかにすれば実用英語を身に付けられるか、その最短距離を考察!

英語学習法(36)

2004年12月25日 | 否定
また否定文です。EG32って何かウソっぽ~い。だって、「部分否定」ってのがあるんだよ~。知らないの~?え!そんなものがあるんスか?どれどれ。ガーン!以下、見ましょう。

(1)Susan is not always happy. (スーザンはいつも幸せというわけではない。)

「部分否定」というのは、例えば、‘not always’(いつも~とは限らない)に代表されるような、‘always’「いつも、常に」という全ての場合において100%とされる事が前提になる表現に対して、大体の場合はそうかも知れないけど、たまにゃそうじゃない事だってあるんだよ、というように、100%をそれより下の確率に格下げする表現方法です。

「部分否定」という名前の由来は、‘not’のような否定語が、あたかも‘always’に直接かかる事で‘always’のみを否定している、というような印象がある事からきているようです。

しかし、EG32では否定語は「文全体(=文そのもの)」を否定していると述べ、「‘not’が~にかかる」とかいう説明自体がナンセンスであると言い切ったわけですから、(1)のような文があると、ストレートな反例があるではないか、と疑問に感じるわけですね。

でも(1)のような例でも、EG32の説明にとって取り立てて問題になる事はありません。(1)を平たく説明調に言うと(2)になりますね。

(2)Susan is not always happy. (「スーザンはいつも幸せだ。」は偽である。)

(2)の解釈法は、「スーザンはいつも幸せだ。」そのものを「偽」と考え、ではどこにその原因があるのかというと、「いつも」の部分ですよ、と捉えればよいだけです。だから、「・・・ はいつも~だ、じゃない → いつもとは限らない」となります。

ここで注意を要するのは、「いつもじゃない = いついかなるときでも~でない」と捉えてはいけないという事です。EG32では‘not’は「偽」のマーキングを施す仕事をしているだけだと言いましたが、そこから‘not’は「真逆」を述べると勘違いしてはいけません。

(3)I do not like George very much. 
(4)a. ジョージをあまり好きではありません。((3)の解釈として、〇)
   b. ジョージは全く好きではありません。((3)の解釈としては、×)

つまり(3)は、「ジョージをとても好きだ。」、はやっぱり「偽」やな~と考えて、ちょっと「とても」の部分が問題やな~とします。だから、「・・・ はとても~だ、じゃない」→「あんまり~じゃない」ならOKなわけです。

解釈の仕方として、美人じゃない、と聞くと、じゃブスだな、と思ってしまう人がいるわけで、これはただ単に心理的バイアスが働いてのこと(可もなく不可もない顔の場合もアリますんで)だから、コトバそのものの仕組みとは別個の問題なのです。ですので(4b)のような「真逆」解釈をしないように注意しましょう。

ここで本題の「部分否定」に戻って、やはり、否定文の基本は(2)の日本語訳(解説文?)なのです。(1)は一般的に‘always’にストレスを置くイントネーションになりやすい文ですから、学習者に対して、‘not always’をセットにして覚えさせた方が良いだろうという配慮からだと思われます。

しかし、実はこれは一時しのぎなやり方で、後々厄介な問題が出てきます。(3)もその1つで、‘not~very・・・’も「あまり~でない」と暗記することなく、EG32のやり方だとスッキリ理解できます。

(1)も実は、‘Susan’にストレスを置けば、「いつも幸せなのはスーザンではないよ(キャシーだよ)。」という解釈もOKなのです。だから、‘not always’のセットを金科玉条にしてしまうと、それ以外の解釈に関して動きが取れなくなってしまいます。ただし、そのような解釈にしたければ、‘Not Susan is always happy.’や‘It is not Susan that is always happy.’を普通は使うでしょうけど。

否定文を使っていると、ややこしい問題が随分と潜んでいるので、できるだけ簡単に構文化して暗記してしまいたくなるんですけど、ここから逃げない事が英語脳をつくる上での正念場です。頑張りましょう。

●関連: EG32

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