D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Extraction('03)/G.Howe V.Wooten D.Chambers

2011-02-27 20:51:05 | holdsworthian
アフリカ系凄腕ギタリスト第3弾。
・・なんか、シリーズ化しそうだな。(笑)

ちょっと地味だけど、この方を好きだって御仁はごまんと居るでしょう。
そう、Greg Howe(グレッグ・ハウ)ね。
いわゆるShrapnel系で世に出た彼ですが、特に我国では、ギタリスト諸氏から絶大な人気を誇ってます。
'63年12月NY出身・・ありゃ、私と同学年じゃね・・マジすか。(笑)
正直言いまして、彼の作品について個人的にはあんま良く分ってる訳では御座いません。
Richie Kotzenとの共作やこの作品くらいしか、ちゃんと聴いておりませぬ。
ただ、これも昨年手に入れたもので、かなり気に入ってる部類のギターなんで、今後追いかけようかなと思ってる一人なのは間違い無い訳で。

この“Extraction”って作品、タイトルは“摘出”って意味かな・・歯抜いてんの、これ?
Victor Wooten(ウータン)、Dennis Chambers(デニチェン)らとの共同名義となってますが、全曲ハウが書いてることもあって、ほぼ彼のソロ作状態じゃないでしょうか。

personnel:
Greg Howe(g,g-synth,kb)
Victor Wooten(b)
Dennis Chambers(d)
additionals:
Dave Cook(ad-kb,kb-solo)

tracks:
1.Extraction
2.Tease
3.Crack It Way Open
4.Contigo
5.Proto Cosmos
6.A Delicacy
7.Lucky 7
8.Ease Up
9.Bird's Eye View

インナーを読んでると、セッション収録ではなく、各々プライヴェートスタジオで被せながら組み上げた音楽のようです。
でも、これだけ達者な連中が手掛けているだけあって、タイム感が抜群だし、まるでアイコンタクトでやり取りしてるかのようなスリリングな展開に溢れてます。
ユニゾンなんかもバッチリだし・・カッチョエ~!みたいな。
準メンバーながら、デイヴ・クックって方のエレピもかなりいい感じ。

で、キーマンとなってるハウのギターなんですが、やっぱ上手いですネ。
メタル出身だけあってソロ部分では歪んだ煌びやかな音色ですっ飛ばして行きます。
打って替わって、バッキングではファンキーでテンションを効かせたコードワークが光っており、やはり唯のヘッドバンガーでは御座いませんな。
このあたりの趣向は、ヤツも早々にカミングアウトしてた様なんで、今更って突っ込まないで下さい。(笑)

また、音色以外のフレージングに関しても、“流れるような”という形容が最も相応しいと感じます。
“レガート”的音使いに関して、やつも古くからHoldsworth先生を標榜してたようで、そんなテイストが濃い曲もあります。
多分、必死でピッキングするのではなく、スウィープ手前のギリギリオルタネイトで流す感じでしょうか。
その点では、オールドスクール的手法を引きずってる、最期の世代なのかもですね。
まずは、そんな感じの曲が、これ。
Greg Howe & Victor Wooten & Dennis Chambers - Ease Up


同様の流れが、この作品のそこかしこにあります。
ちょっと異色なのが#6“A Delicacy”ってガットギター一本で紡いだエチュードぽい曲。
これはちょっとクラシカルで素敵ですね。
Howe-Wooten-Chambers - Delicacy, A


で、問題はですね(笑)、あのTheNewTonyWilliamsLifeTimeの“Proto Cosmos”をチョイスしてるんですね。
この辺からも、Holdsworth先生へのリスペクトを感じてしまう訳です。
・・でも、ギターは全然ちゃいますが、彼なりの愛が篭ったパワフルな演奏で、アーミングのタイミングなんかいい感じですね。
YouTube漁ってたら、桜井バンドで演ってるヴァージョンがあったので貼っておきましょう。
ドラムはデニチェンなんで、雰囲気は似てます。
Proto Cosmos


こんなの観てたら、彼もやっぱHoldsworthianなんだなあと感じる次第で・・認定せざるを得ん訳ですねェ。(笑)


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