D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Raven Eyes('84)/大谷レイヴン

2008-03-31 00:10:17 | guitarist
私、実を言いますと“Marino(マリノ)”も通って来ておりません。
マリノといえば本日の大谷レイヴンさんですが、私が彼のギターを一番良く聴いたのは、かみさんに教えてもらったゲームミュージックのアレンジヴァージョン集だったりします。
機会があれば、この辺は改めて記事にしても面白いかな。

その大谷レイヴン(令文)さん(以下あえて呼び捨てさせてもらいます)は、'60年3月27日大阪出身ということで、当時まだ24歳くらいだったことになりますか。
・・結構早いデヴューだったんですな。
マリノとしての活動も極短期間に終わってしまった訳ですから、その後決定的なブレイクも無く結構苦労されたのではないかと思います。


【大谷レイヴン】

マリノは一度だけ目の前でライヴを目撃したことがあって、レイヴンが加わる前でした。
ヴォーカルのレオさんが“ビビッてるやつらがいるけど、俺ら怖くないよね?”っと、緊張気味に観てた私と友人に聞いて来たりしてたのが懐かしいです・・。
レイヴンが加わったのが、多分その直後のはずですね。

この作品は、マリノが1st作“Target”をリリースしたすぐあとにロンドンで収録されたもののようです。
面子は、Jeff Beckに関わってた面々が名を連ねています。

personnel:
大谷レイヴン(g)
Max Middleton(kb)
Clive Charman(b)
Richard Bailey(d)
Snowy White(g on#4,8)
Maggie Bell(vo on#1,6)
Lennie Zakatek(vo on#2,8,9)
Alan Marshall(vo #4,7)

凄いでしょ?
あの“Blow By Blow”の録り直しみたいな雰囲気だったんじゃないでしょうかネ。
全体の雰囲気はブルーズベースのハードロックという感じで歌モノ主体です。
作品としての統一感とか独自の色なんてこの際、野暮は言いっこ無し。
はみ出し気味のギター満載な感じが、凄く素敵な作品に仕上がってると思いますよ。

tracks:
1.Drive Me Crazy
2.Your Lovin's Better
3.Raven Eyes
4.Just Like A Woman
5.Soliloquy
6.Move Over
7.For Your Love
8.Without You
9.Upside Down
10.Moss Garden

#6のようなロックの名曲のカバーを交えながら、10曲中7曲が歌モノです。
3人のヴォーカリストの中でも、#4,7で歌ってるAlan Marshallって方が渋くてカッチョええですね。
その2曲が結構いい感じです。

#4“Just Like A Woman”は若干スローなブルーズ気味のR&B、#7“Without You”はファンキーでポップなブギー。
共に、そのHummingbirdを彷彿させるものが感じられます。
レイヴンのギターもブルーズベースなのがしっかり確認できるくらいはまってますね。
特に#7でのプレイは、ギョンギョン叫ぶような生々しい音に終始しており、非常に勢いを感じます・・これ一押し!

Snowy Whiteが2曲客演してるようで、上記#4と、あと#8でも弾いてるようです。
ここではあまり特筆すべきプレイは聴くことができませんがネ。
スノウイーといえばThin Lizzyにいた人って事ぐらいしか記憶にありませんが、ブルーズ系ではイギリスを代表する名ギタリストの一人らしいですね。
・・また勉強しとかなきゃ。(汗)

#1や#2の一部はスコピ風のヴァイヴを感じます。
彼のギターは、多分Ulrich Roth(ウリ)からの影響が濃いんじゃないかと思います。
深いチョーキング・ビブラートや繊細なアーミングの使い方などがよく似てますね。
チョイジミヘンが入りながら、勢い付けて若干アウト気味にスピードアップしてゆくあたりが特にネ・・クゥ~って感じで。

#9“Upside Down”なんかではZep丸出しなリフで攻めてますね。
レイヴンは元々Jimmy Pageが大好きだったそうで、この曲ではウリがベック風に弾いてるような感じかな。
・・ん、次点!

3曲のインストもいい感じです。
#3と#5は、マックスからレイヴンに提示されたモノで、多分彼が以前ベックのために書いた残りモノと思われます。
レイヴンによればベックのギターで録られた曲が4つも提示されたそうです・・世に出ればお宝ですね。
特に#3“Raven Eyes”なんかはアコピで強調されたベースサウンドやクラビのソロなど、雰囲気がまるで“Blow By Blow”そのものですしね。
曲名はあとで変えたんだと思います・・世に出た記念として。
で、#10“Moss Garden”は、東洋的な旋律や音色で上手く纏めたマックスの書き下ろしとのこと。
これはギター云々と言うより、マックスの手腕の最たる結果と見るべきでしょうね。
・・レイヴンも、ラストの辺りでは、ベックに成り切ってますしネ。

大谷レイヴンさんはいわゆる正統派のロックギタリスとを地で行く人ですよね。
世が世なら・・って、やめときましょう。
まだまだ現役でバリバリ頑張って欲しいと思います。

ちょっと前に出た“Raven EyesⅡ”もよかったですネ。
これもまた機会を持って是非紹介したい作品です。
もっとカッチョええギターを、これからもガンガン聴かせてください、レイヴン師匠!(爆)



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2 コメント

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ドイツ特派員様 (elmar35)
2008-04-03 22:55:33
コメントありがとうございます。
オンタイムで彼を観てた人がここに居た。(笑)
生で観ると凄かったでしょうね。
ジャパメタは全く素通りしちゃいましたので現在遡って勉強中です。
日本人だからって侮れないものだと、最近よく思いますよ。
また、色々教えてください。
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確かにギミックのないギタリストですね (ドイツ特派員)
2008-04-02 21:51:57
私が大阪に住んでいた頃、大谷レイブンはカリスマ的な人気がありましたね。ギターもグレコのストラトで、「ストラトキャスターの魔術師」というと彼のことでした。当時、X-Rayの湯浅晋やTerra Rosaの三宅庸介などは思いっきり影響を受けてます。というか、三宅は殆どコピーのようなギターでしたね。

こういうギミックなしのギタリストというのは、本当に音だとか表情で決まってきますなあ。後はバーニー日下部辺りですかね?
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