D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

ユンディ・リを観てきました

2008-01-26 09:34:53 | classical
Yundi Li Piano Recital Japan Tour 2008
Jan.22'08 at Osaka “The Symphony Hall”

遅ればせながら、先日家内の誕生日祝いを兼ね、クラシックピアノ界の貴公子ユンディ・リ(李雲迪)のリサイタルに行って来ましたので報告します。
・・彼女が大のファンなもんで。(汗)
先週末から今週一杯にかけ妙に慌しく、当日も現地待ち合わせで、私は開演10分前に滑り込みセーフという有様。
・・とりあえず観れてよかったです。

'82年中国の重慶(チョンチン)生まれの彼は、'00年のショパン・コンクールで15年ぶりの第1位受賞('85年はブーニンが1位)で話題をさらいましたね。
・・当時18歳・・現在25歳ちゅうことですか。
ヴィデオなどで演奏する姿もちょこちょこ拝見してますが、いわゆる超絶技巧派ではなく繊細でロマンチックな耽美派といった方が合ってるような気がします。



ショパンやリストを好んで採りあげた作品が多いようですが、今回の目玉はなんとムソルグスキーの“展覧会の絵”でした。

program:
1.モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調K.330
2.ショパン:4つのマズルカOp.33(第22~25番)
3.ショパン:夜想曲第2番変ホ長調Op.9-2
4.シューマン/リスト:献呈S.566
5.ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調Op.22
(休憩)
6.ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
(アンコール)
7.中国民謡:サンフラワー

実は、公演予定の曲目が当初から大幅に入れ替わっており、ヒナステラの“アルゼンチン舞曲”や、ラヴェルの“水の戯れ”もラインナップされてたので、どちらかといえばこの辺を楽しみにしてたんですがね。
多分ヒナステラが仕上がらなかったので素人ウケしそうな分り易いモノに換えたんじゃないの、とは家内の弁。

クラシックのアナリーゼは私当然無理(笑)なんで、あくまで聴いたままの印象しかありませんが、かなりのレヴェルの演奏なんだと感じました。
いきなりのモーツァルトも耳慣れてるのに次元が全く違います。
ショパンの夜想曲9-2でさえ独特の解釈が若々しくて好感が持てる演奏だったと思います。

ソロピアノのみのリサイタルは初めて拝見しましたが、これは大変な気力とパワーが必要なのだなと感じました。
前半から快調に跳ばしてましたが、次第に汗だくになってゆく彼。
まだまだ大丈夫って感じで余裕の演奏が続いてましたが、後半のムソルグスキーは約20分ちょいノンストップで緩急織り交ぜた激しいプレイが続きます。
フォルテシモの音の強烈さが印象に残ってます。
1700人程度収容可能なホールの上、ノンマイクのアコースティックで勝負なんですから、尚更です。

今回のムソルグスキーはいわゆる“リムスキー=コルサコフ版(注1)”ではなく“原典版”でした。(注2)
(注1:“ラヴェル版”は誤り。1/28訂正・・失礼しました。)
(注2:現在は原典版が主流となっており多数の方が演奏されてるそうです。1/28訂正追加
・・誤情報を軽率に記載し、重ね重ねお詫び申し上げます。)

推測ですが、今回の公演はレーコーディングしてるんじゃないかな?
これが作品として出たら、結構話題になるかもしれませんね。

・・まだ若い才能に乾杯!


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6 コメント

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そうですかぁ (Cacao)
2008-01-26 21:50:13
私は、彼は技巧派だと思ってました(苦笑)
ここでもご紹介のCDで見れた、リストのカンパネラの速さがもの凄かったし…
へぇ、彼がムソルグスキーをねぇ…聴いてみたいな。(ここんとこ、歌物に走ってて…笑)
 
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Cacao様 (elmar35)
2008-01-27 20:51:58
コメントありがとうございます。
ショパンコンクールを制してるんですから技巧は並ではなくて当然でしょう。
でもね、彼のデヴュー作に収録されてる幻想即興曲を聴いて頂ければ記事の趣旨が分っていただけるかと・・。
ムソルグスキーは凄かったですよ。
・・確かに凄い技巧を駆使してました。(笑)
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展覧会の絵 (Harriet)
2008-01-28 02:31:02
これまで技巧が優れているが故にリスト系を弾いてきたけど,そろそろ単なる技巧派じゃないぞ!って主張したくなって,この選曲になったのかもしれませんね。^^

ところで,「展覧会・・・」ですが,元々ピアノ曲で,ラヴェル版がオケ・バージョンと理解してたんですが,違ってました? ^^;
他の方もあまり採りあげていないヴァージョン,ということは,ピアノ用にもアレンジしたヴァージョンが存在するのですか?

実は昔,クラシック・ピアノを習ってたので,展覧会は弾いたことがあります。ただし超スローでですが。(笑) しかも,EL&Pバージョンを先に聞いていたので,弾きながらMOOGシンセの音色が頭の中に沸いてきて大変でした。(笑)
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Harriet様 (elmar35)
2008-01-28 08:43:29
コメントありがとうございます。
・・お、おっしゃる通りです。(汗)
私の勘違いでした。
「ラヴェル版」は誤りで、正しくは「リムスキー=コルサコフ版」になります。
訂正してお詫び致します。
申し訳ございませんでした。
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続・展覧会の絵 (Harriet)
2008-01-28 11:45:05
いえいえ,こちらこそ。^^;
リムスキー=コルサコフ版・・・とか,全然知らずに弾いてましたので,今,自分が弾いてた楽譜(全音(笑))を引っ張り出してきて,解説を読んだところです。^^; 

多分全音のはリムスキー=コルサコフ版のようなので,原典版の楽譜を探してみたいと思います。^^
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Harriet様 (elmar35)
2008-01-28 21:11:47
・・お騒がせしました。
反省してます。
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