D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

月の光-ultimate edition-('12)/ 冨田勲

2014-05-03 09:40:00 | classical
originaly released on Feb.1974
composed by Claude Debussy

やっぱこれも入手し聴き込んでおりました。
”展覧会の絵”の前年に米RCAからリリースされていた”月の光(Clair de Lune)”のSACDヴァージョンです。
ドビュッシーは個人的にも贔屓筋なんで、ぶっちゃけ、こっちのほうが馴染みやすい訳です。
メロディーが秀逸で個性的だし、なにしろジャジーなのが心地良いお題なのです。
しかし、こちらはかなりサウンドスケープ寄りで、やはりクラシック的な立ち位置なのは明白ですね。
まるで劇中曲かのような雰囲気で、ちょいと”あれれ~”みたいな部分はありますが、そこは時代って事で。

personnel:
冨田勲(moog-synthesizer)

tracks:
1. 雪は踊っている
2. 口笛と鐘 - アート・オブ・サウンド・クリエーション
3. アラベスク第1番
4. 月の光
5. 雨の庭
6. 雪の上の足跡
7. 沈める寺
8. アラベスク第2番
9. 夢
10. 亜麻色の髪の乙女
11. パスピエ
12. ゴリウォーグのケークウォーク
13. 雲

オリジナルは基本ピアノ独奏曲がほとんどなんで、アレンジ次第でずいぶんイメージが変わるなあってのはあります。
しかし、元のメロディーの幻想性とか美というのが凄く生きていて、一聴して直ぐにそれと判るのが凄い。
これは作曲者の資質による部分が実に大きいのだとは思うのだけど、その幻想性を更に視覚的なイメージまで喚起させ得る音で再構築している冨田氏の情熱てのも、これは軽々と凄いねで片づけられる程単純なものではないなあ、と強く想わずには居れません。
まさにサウンドスケープですね。

タイトルの”月の光”、”夢”、”沈める寺”、”亜麻色の髪の乙女”、そして”アラベスク第1番”なんてのはドビュッシーのピアノ曲の基本定番でもあり、どれも人気の名曲ですよね。
ここでのアレンジはどれも素晴らしい出来です。

でね、聴いてて思い出したんですが、その”アラベスク第1番”を、昔ラジオでしょっちゅう耳にしておりました。
故羽田健太郎さんが持っておられたFMの音楽番組のオープニングだったんです。
口笛みたいな音色で流れてゆくメロディが実に印象的だったもんでね。
ほんまにカッチョエーアレンジやなーと感心しつつ、いつかちゃんと聴いてみたいな、と常々思っておりましたしね。
てっきりハネケンさんのアレンジだと思ってたんですが、この度ようやくオリジナルの素性にも迫る事が叶いましたとさ。

めでたし!


アラベスク第1番-冨田勲





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