D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Spirito DiVino('95)/ Zucchero Sugar Fornaciari

2007-04-08 12:52:56 | jeff beck-connection
ようやく春めいてきましたネ。
以前書いたCorrado Rustici(コッラード・ルスティーチ)がプロデューサーとしてデヴュー以来ずっと面倒をみてるというZucchero(ズッケロ)の作品を聴いてみました。

ズッケロことAdelmo“Sugar”Fornaciariは、'55年9月25日イタリアのロンコチェシ出身で現在51歳となるシンガー・ソングライターです。
'83年に“Un Po'di Zucchero”でソロ・デヴュー後、'84年に拠点をアメリカに移しカリフォルニアで活動をはじめ、色んなビッグネームとも繋がりを作りながら、現在も精力的に活動してます。
日本ではほとんど知られてないシンガーですが、ちょっとハスキーで野太くソウルフルなヴォイスは実に魅力的ですね。
YouTubeでもびっくりするような映像を沢山みることができますよ。

この作品に行き着いたのは、昨年調べたコッラードのセルフ・バイオのなかで“Spirito DiVinoでJeff Beckに弾いてもらった”という記述を発見したことがきっかけでした。
その後手に入れたベック御大のネタ本にも載っており・・タイトル間違えてますが・・その中では、イタリア語のオリジナルと英語盤の2種類が紹介されてますが、実際は単なるヴォーカルヴァージョン違いの伊盤、英盤の他に、US盤、スパニッシュ盤2種とライヴ・ディスク付きスペシャル盤を含め6種出てます。
英盤や私が手に入れたこのUS盤では、本来タイトルも“Stray Cat In A Mad Dog City”に変ってるようですね。
しかし、この盤はちょっと変なんです・・英語とイタリア語が混じってます・・しかもチープなヴィニル製スリーヴ入りでジャケットも紙1枚の申し訳程度。
・・よく見れば・・For Promotional Use Only - Not For Sale って書いてありました・・どうりで安いわけだ。
おそらくUS盤が正式に出る前につくられた試供品なんでしょうね・・歌はほとんど英語で、曲や並びもオリジナルと若干違ってるようです。

そんな訳で、このディスクには参加ミュージシャンなどの詳細なクレジットがほとんど無いのですが、有名どころは2名参加してるのは分りました。
前述したベック御大(#2)と元E-StreetBandでBruceSpringsteenの脇で暴れてたClarence Clemmons(#9)らの名前が載ってます。

彼のウエブのディスコグラフィで見つけたクレジットを転記しておきます。

MUSICIANS: Zucchero, Luciano Luisi, Polo Jones, David Sancious, Corrado Rustici, Steve Smith, Johnnie Johnson, Rosario Jermano, Pat MacDonald, Sheila E., Clarence Clemmons, Jeff Beck, Leo Nocentelli, Andrew Love, Wayne Jackson, Lisa Hunt, Jenny Bersola, Mino Vergnaghi, Arthur Miles, Manuela Cortesi, Tessa Niles, Antonella Pepe, Katie Kissoon, New Orleans Gospel Choir (dir. Lester Snell), Coro della O.L.S.M.M., Giorgio Francis, Amelia Monari, Simona Pirone, Ardent Gospel Choir (dir. Lester Snell).

・・なるほどネ。(笑)


【Zucchero】

1.Voodoo Voodoo (english version)
キューバンなピアノが印象的なファンクナンバー・・ノリノリですネ。
サビの“I want you! I need you!”のあたりは実にキャッチーでドラマチックです・・痺れます!

2.No More Regrets
くだんのJeff Beck御大客演曲です。
オリジナルは“Papa Perche”というタイトルで、分り易く明るいシングル向けの曲ではないでしょうか。
歌メロの裏でオブリを軽く流しながら、中間部とエンディングの2回ソロを演ってます・・ほんと、流してますって感じ。
まあそれでも最後のあたりでは御大もやっと乗って来たぜェ~って感じで、ちょっと色っぽい音も楽しめます・・しかし短すぎ。(涙)

3.Feels Like A Woman
これもオリジナルは“Pane E Sale”というタイトルで、壮大に謳い上げるバラードです。
さすがカンツオーネの国の方って感じですね。
夕陽に染まるグランドキャニオンを空から俯瞰するようなイメージが浮かんできます。

4.Alleluja (english version)
もともとボートラ扱いだったようですが、いい歌なんでシングルで先行リリースされてたのではないでしょうか?まちがってたらすんません。
ファンキーでブルージーなR&B風・・ハープが似合うアーシーな雰囲気がたまりませんね。
この伸びやかなギターソロはもしかしてコッラード?音色やニュアンスがあんな感じです・・て、どんな感じやねんて?。(笑)

5.Cosi' Celeste
フォーキーなカンツオーネって感じでしょうか・・ほぼ全編イタリア語です。
サビの“She's my baby”と歌うところのコーラスがゴスペルチックでもあり美しいですね。

6.Mama (Madre Dolcissima)
この曲は、オリジナル収録曲でチーチー!叫んでるノリノリの“X Colpa Di Chi?”という曲と差し替えられているようです。
うって変わって少々ビターなブルース・・ラジオのニュースをSEに使ってるのはこの頃の流行だったのかな。
この思い切りの良いギターソロももしかしてコッラード?
これもやはりコーラスがゴスペルチック・・女性のスキャットもすばらしいですね。

7.Come In Love
オリジナルは“Senza Rimorso”というタイトルで、アンヴィエントなアレンジがコッラードらしい曲ではないでしょうか。
・・舟歌っぽい感じかな。
冬の浜辺で寒そうに歩いてるイメージ・・終盤にサーっと陽光が射してくるのが見えるようです。

8.Diamante (english version)
この曲はオリジナルには未収録のようです・・キラキラしてて凄くきれいなバラードですね。
オリジナルとは“ポンパっ、ポンパっ!”って叫んでるノリノリの“Datemi Una Pompa”から差し替えられてるようで、スパニッシュ盤にも未収録です。
・・#6と共に、この辺がラテン系地域との戦略の差なのでしょうか。

9.O.L.S.M.M.
Organizzazione Laica x la Savaguardia e la Manutenzione dei Matrimoni
結構ハードなギターリフが冴えるファンク・ロック・ナンバー・・一押しですね。(笑)
ズッケロの声質では叙情的なモノは更に味が増しますが、こういったアップテンポな曲でも破壊的に強烈なパワーヴォーカルとなるのが凄いです。
・・思わず体が動き出しますね。
サックスで先述のClarence Clemmonsが短いながら元気なソロをブローしてます・・ナイス!

10.My Love
オリジナルは“Il Volo”というタイトルで、美しく幻想的なアレンジのバラードです。
完璧にコッラードの世界かも。
全てが美しいです・・エンディングのギターも間違いなくコッラードでしょうネ。

ズッケロは一般的なジャンルとしてはポップ・ミュージックにカテゴライズされてるようですね。
ビッグネームの名を借りるまでもなく、ノリノリでいい曲が満載された凄く楽しめる作品だと思います。
正直言って全然知らなかった方ですが、もう少し追いかけてみたくなりました。(笑)


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