ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

音楽・本・映画・サッカーなど興味の趣くままに書いていきます。

「頭のいい人」はシンプルに生きる/ウエイン・W・ダイアー

2006-10-21 22:30:28 | 
曇り。

本屋で平積みになっているベストセラーである。
タイトルに惹かれて買ってみた。
でもタイトルはどうも訳者がつけたものらしい。
「Pulling Your Own Strings」というのが正式タイトルだ。
だから、本文中に「シンプル」という言葉はぜんぜん出てこない。
代わりに煩瑣にでてくるキーワードは「犠牲にならない」というものだ。

誰かの生き方や言葉といったものに支配されて犠牲になる生き方は窮屈だし、
誰かの犠牲になることを積極的に放棄すれば主体的に生きていくことができる。
常に個人主義を貫く。確かにそれはきわめてシンプルな生き方に違いない。
相手のことは意に介さない。顔色に惑わされない。
相手の考え方に惑わされない生き方、支配されない生き方は格好いいし、潔いけれども・・・。

でも何かそれは実生活のどうしようもない部分をまったく無視した、のっぺりとした日常しか想起させない。
現実の生活ではそのままならない部分が実は人生の醍醐味ではないのか。

他人との関わりはそこまでシンプルにはいかないものだ。
なぜか読み進めるに従って少しずつ僕の心は離れていってしまった。


J1第27節 サンフレッチェ広島対FC東京(広島・広島ビッグアーチ)5-2

2006-10-16 22:49:57 | サッカー
サッカーではよく2点差が最も危ない点差といわれる。
3点差あれば気分的にも楽だし何とか逃げ切れる。逆に1点差ではロスタイムだって気が抜けない。
じゃあ2点差はというとこれは状況によりけりなんだと思う。
だからその状況分析をきちんと踏まえた上で、どの段階では3点目をとりに行く、どの局面では守備を固める、
というコンセプトがないと2点差というのは案外簡単に崩壊してしまう。

昨日の東京はまさにそういう2点差の罠に陥ったものと思われる。
東京はセットプレーからジャーンがヘッドであわせて1点目。2点目は梶山の豪快なミドルと早い時間帯に2点をもぎ取る。
ここまでは先週からの流れを引き継いでいい形で入れたと思う。

前半の早い時間帯で2点差にしたということで広島が前がかりになることは容易に想像ができた。
前半のうちに少なくとも1点差にしておきたいと思うはずだ。
だから東京は2点差としたところで一旦ボールを落ち着かせて、しっかりと守備の連携をとりつつ相手をいなすことを考えなければいけなかった。
相手にボールを持たせながらも、最後のところではポイントゲッターのウェズレイ、佐藤をしっかり抑え込む。
前半は何としても2点差を守りきり、後半効果的なカウンターで3点目を奪いに行く。完全に守ることを考えるのは30分過ぎだろう。

しかし、東京は2点差になって広島が攻勢をかけ始めても一向にリズムを変えない。
妙な気の緩みがあってか、受けに廻って「こんなはずではない」という混乱からずるずるとラインを下げてしまう。
そして、当然注意しておかねばならない佐藤にやられてしまう。

取られる人に取られるべくして取られた。しかも佐藤は直前の接触プレーで負傷しながらである。
考えてみると今年の東京にはこういうパターンが実に多いような気がする。
あまりにも真正直。いかにも芸がない。

広島は駒野も負傷退場し俄然意気が上がっただろう。
結局、東京は守りきれなかった2点差の亡霊を引きずってずるずると滑り落ちてしまう。

後半開始から平山に代えてルーカスを投入する。平山の調子は決して悪くなかったと思う。
実際ジャーンが決めた1点目はその直前で平山が高さを活かして相手GKの動きを封じたからだ。
極端に運動量が落ちたわけでもなく、皆がシンプルに平山をターゲットにしていただけにルーカスへのスイッチには首を傾げたくなった。

前半、佐藤がゴールを決めてからは中盤でボールを持たれていたわけだし、両サイドの動きが今ひとつだったことを思えば、
戸田か石川を下げて、今野を守備に専念させた上で、
ルーカスと梶山の二人でできるだけ前でボールを裁いてもらう必要があったのではないか。
試合勘も今ひとつなルーカスを入れてまでワントップにこだわる必要があったのか。

かくして中盤のプレスが効かなくなり始め、結局最終ラインに中盤が吸収される。トップが孤立する展開。
中盤でボールがキープできないからルーカスもずるずると下がってくる。
あっという間に同点そして逆転。一気に崩壊してしまった。

ストラテジもタクティクスもプランもない戦い方。
あとに残る負け方をしてしまったと思う。
胸突き八丁はまだ続く。それはそれで実に興味深い状況に立ち会っているという気はするのだけど・・・・。

10/15のランニング

2006-10-15 22:58:25 | ジョギング
今日も前半ジョギング、後半はダッシュを繰り返す。
前日子ども達と鬼ごっこをしたので太ももがパンパン。
それをあえていじめて走る。

サボったおかげで明らかに体は重い。

今日の距離:6キロ
タイム:29分39秒

Ray Kennedy

2006-10-15 11:27:00 | 音楽
ライナーノートを読むとRay Kennedyという人は華麗な人脈を誇った人だったらしい。
フィラデルフィア出身で若いときにはフィリー・ソウルの御大Kenny Gambleのプロジェクトに参加したり、
Jerry Lee Lewisのバックを務めたり。
Marvin Gayeとコラボレーションしたり、Jimmy pageと親交を持ったり。
KGBのメンバーに参画したり、Michael Schenker Groupで歌ったり。

なんだか経歴や人脈だけを見るとすごい人のようだけど、どうもそのあたり器用貧乏という気がしないでもない。
華麗な経歴の割にこの人自身はあまり脚光を浴びたという感じがしないからだろうか。

このアルバムは、1980年に当時気鋭のDavid Fosterをプロデューサーに迎えて
Steve Lukather、Steve Porcaro、Jeff PorcaroらいわゆるTOTO人脈をバックに制作されている。
注目すべきはBeach Boysに提供した「Sail On Sailor」のセルフ・カヴァー。
なんとこの人Beach Boysとも接点があったんですね。

アルバムの内容は、ハード&メロウなAOR路線。
この人の出自なのか、歌い方にもソウルフルな一面があって面白い。
でも僕個人としては意外性がなくてあんまり魅力的ではなかった。
なんとなく中途半端。これならTOTOを聴いている方がいいなあ、という感じ。

やっぱり器用貧乏なんだろうな、この人。





10/12のランニング

2006-10-12 21:36:37 | ジョギング
晴れ。

久しぶりに朝早起きをして走った。
早起きは慣れないときついが早く起きて一運動すると朝からすこぶる調子がいい。
朝の時間も余裕があるし、早起きは三文以上は得をしている。

行きは軽いジョギング。帰りは途中から電柱の間隔でインターバル走。
運動会も近いし子どもたちに無様な姿は見せられないので思わず張り切る。

今朝は暖かく帰り着いたら汗びっしょりになった。
朝から食欲もあるしやはり早起きはいい。

今日の距離:3キロ
タイム:15分57秒


日本のいちばん長い日/半藤一利

2006-10-10 22:55:32 | 
終戦前夜からポツダム宣言受諾の玉音放送が流されるまでの一日を描いたドキュメント。
映画にもなっているが、学校の歴史の授業では教えない部分でもあり、
今の多くの日本人は終戦を受け入れるまでの日本政府や軍部の意思決定過程やあの一晩に起こったことをよくは知らないのではないか。
かくいう私もよくは知らなかった。

陸軍の青年将校が決起して玉音放送が録音されたレコード盤を略奪し、クーデターを起こそうとしたり、
それを守るためのNHKの職員たちや宮内庁の侍従たちの機転など、歴史の表舞台には出てこないことが時系列で克明に描かれている。

そして阿南陸相の自刃。
阿南陸相はポツダム宣言の受諾には最後まで反対したが、その背景には青年将校の
暴発を抑えるためであったという説がある。
それを裏付けるかのように、ポツダム宣言の受諾が決まってから阿南陸相は「陸軍はご聖断にしたがって行動する」ことを貫いた。
これはひとつの解釈に過ぎない。
阿南陸相は戦犯として扱われていることが多いが、もっとさまざまな歴史観の中から歴史を重層的理解することには意味があると思う。

何が史実なのか何が正しかったのかは後世に委ねることにはなるだろう。
ただ我々にできるのは一面的な解釈を極力排した上で歴史に学ぶことである。
そして二度とあの時代に引き戻してはいけないということである。


10/9のランニング

2006-10-10 21:38:23 | ジョギング
晴れ。

ここしばらくなんだかんだと忙しくしていて走ることが横にうっちゃられていた。
怪我以上に走ることの妨げとなるのが時間が取れないということ。
10キロ走るとなると1時間ほど。この1時間がなかなか取れない。
休みの日には買い物や掃除や家族サービスもあるから、その中で1時間を捻出するのも結構大変。
世の市民ランナー、ジョガーの皆さんも走る時間の捻出には苦労されていると思うが
上手な時間の確保法などあればご伝授くださいませ。

結局申し込んでいた東京マラソンはあえなく落選。
残念。目標を来年のホノルルにでも切り替えようかな。

この3連休は天気がすごくよかった。ただ前半2日は風が大変強かった。
しかし今日は雲ひとつないさわやかな秋晴れ。
風もほとんどなく絶好のスポーツ日和。なんと言っても体育の日だもんね。
というわけで息子を連れて河川敷にサッカーの自主トレを兼ねてジョギングに出かける。
月末に行われる地区の運動会のリレー競技にエントリーしていたのをすっかり忘れていたのでなまった体を何とかせねばと少々焦り気味。

軽いジョギングと少し負荷をかけたペース走を2キロあまり。
それでも膝は結構パンパン。疲れました。
明日からまたがんばろう。

今日の距離:2キロ
9月の走行距離:12キロ
累計走行距離:591キロ

Oasis/Jimmy Messina

2006-10-09 15:00:57 | 音楽
アルバム・ジャケットを見て初めて気がついたのだが、"Jim"ではなく"Jimmy"なんですね。
ソロ名義のミュージシャン表記を変えてきたところに長らくバンドマンとして過ごしてきた彼の、ソロ作への思い入れが伝わってくるような気がする。

彼はとても器用な人ではないかという気がする。
エンジニアとしてスタジオで働いているときに乞われてBuffalo Springfieldの一員となる。
その後もPocoやLoggins & Messinaでもカントリー、フォーク、R&Bの要素を織り成したサウンドを一貫して作り続けてきた。
Jim Messinaの音楽をはじめて聴いたのがBuffaloであり、Pocoであった私には
長らく彼はそうしたダウン・トゥー・アースな音楽の作り手のひとりというイメージが強かった。
だからこのソロアルバム『Oasis』をはじめて聴いたときには驚いたし、
AORの名盤としても非常に高い評価を受けているというのも意外な気がした。

しかし彼のキャリアを改めて調べてみると若いときには
Dick Daleを愛するサーファーとしてサーフィン・バンドで演奏していたこともあるという
典型的なカリフォルニアのビーチボーイだったそうだから、風の香りのする音楽を作ることに関しては、なるほど頷ける。
ラテン・フレーバーも感じさせるのは彼がイタリア系であることとも関係があるのかもしれない。

ちょっと鼻にかかった独特の歌声を聴くのは午後がいい。できればカンパリ・ソーダなどを舐めながらゆったりと身を沈めたくなる。

J1第26節 名古屋グランパスエイト対FC東京(名古屋・名古屋市瑞穂陸上競技場)1-2

2006-10-08 13:05:50 | サッカー
晴れ。

名古屋とのアウェイ戦をテレビ観戦した。
といってもキックオフのころは所要のため外出していて夜中の11時ごろからビールを片手に録画を見始めた。

目下東京は6連敗と前人未到(?)の領域に入ってきた。
このままずるずるといってしまうのか、何かを変えることができるのかそろそろ分水嶺に入ってきた。
アウェイ戦が2戦続くわけだがその後はガンバ、川崎、浦和など上位陣との対決が残っている。
このあたりで立て直しておかないと難しくなっていく。
もはやJ1残留しか目標はないのだからそこはシンプルに勝ち点を積み重ねて安全地帯に入ることだけを考えていけばよいのだ。

その何かを変えるキーとなったのが選手起用にあったのではないかと思う。
三浦文丈を先発させたこと。倉又監督が何かをてこ入れしなければいけないと考えたキーマンが彼の先発起用だったと思う。
相手に点を取られるとずるずるといってしまう若くて脆弱なメンタリティを落ち着かせるのは彼のような経験のあるベテランの存在だろう。
中盤の底で前と後ろをうまくコントロールするには年長者でもありチームメートからリスペクトされる彼のような存在があってこそだ。

また今節ようやく茂庭が戻ってきた。茂庭はここ2年ぐらいの間に本当に守備の要となった感がある。
ディフェンスラインを統率する彼の守備は本当に安定感がある。
数年前茂庭がボールを持つとはらはらしていたのが遠い昔のことのようだ。
左SBには地味ながらピンチの芽を摘む、これもベテランの藤山が入り、ようやくディフェンス陣が整ってきた。
好調のヨンセンをしっかりマークし、杉本の抜け出しを阻止すること。
中盤から走りこんでくる中村や本田、藤田など中盤のタレントも怖い。
しかし今日はこのヨンセンをしっかりと抑え、中盤での球の取り合いにも負けなかった。
こぼれ球もしっかり拾えたし局面で競り負けなかったことが大きかった。

それでもチームとしての連動性はジェフ戦のときを100としても70ぐらいの感じだろうか。
中から外へ外から中へ、その絡みのなかから前に速く楔が入るという畳み掛けるような攻撃が見られなかった。
復帰した石川の動きがいまひとつだし、サイドバックとの連携もまだまだ。

ルーカスの怪我により今日も先発出場した平山は「ごっつあんゴール」とはいえゴールも決めたし、徐々に良くなってきている。
懐の深さでしっかりボールをキープできるので、攻撃のオプションが確実に増えた感じ。
決勝点は彼がペナルティエリア内でしっかりとキープできていたことで、相手のミスを誘ったし石川が走りこんでくる時間を作れた。

苦手の瑞穂で初めて勝ったというのは大きい。まだベストには程遠い出来だったと思うけどどんな形であれ今は勝つことが大事。
とにかくシンプルに勝ち点を積み上げること。そういう考え方に立てば、中盤でしっかりボールを拾い、
危ないと感じたら多少ラインを下げてでも凌いだ、今日のような現実的なリスクマネージメントは理にかなっている。
今は多少面白くなくても現実的に耐えること。
多少不恰好でも勝てるようになってくれば、面白いサッカーはこれからいくらでもトライできると思う。
平山みたいな選手が入ってきたことで楽しみは増えたのだし、今は耐えながら勝ち点を拾っていこう。
そんな思考の転換はサポーターにも求められているのだと思う。