ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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最低の映画館(立川CINEMA CITY)

2006-10-26 12:32:56 | 映画
晴れ。

久しぶりに休みを取ったので映画を見ようと映画館に行った。
近くの映画館ではやっていない作品だったので立川まで向かう。
ところが途中渋滞にはまってしまい、上映時間を10分ほど過ぎてしまった。
まだ予告編の時間帯だし何とか間に合ったなと思って窓口でお金を差し出したら入場を断られてしまった。
わざわざ1時間もかけて来たのに次の回に入れと言う。窓口の女性が顔色ひとつ変えずにである。
取り付く島もない。やってきた客を門前払いして追い返すというのはサービス業としていかがなものか。
あえて名前を出しておこう。

立川の「CINEMA CITY」である。(あ、タイトルで出しちゃったか)

最近のシネコンは完全入れ替え制で全席指定というところが多い。
したがって途中入場しても続きを見ることができない。
指定席の便利さとのトレードオフの関係でもある。
それでもたいていの映画館ではそれを承知の上での途中入場はとりあえず認めている。
しかも私の場合は10分の遅刻でしかない。たいていはまだ予告編の時間帯であり仮に本編が始まっていたとしても数分だろう。

上映後の入退場が他のお客さんの迷惑になることはよく分かる。
だから遅刻を認めないというのは時間を守って入ったお客さんに対するサービスであることも分かる。
いかなる事情があるにせよひとつ例外を認めたら際限がなくなるということも一般論としてはよく分かる。
しかし、途中入場が他のお客に迷惑だというのであればトイレにも行けないのであろうか。
つまらない映画だからといって席を立つことも許されないのであろうか。

そう考えるとわずか10分の遅刻をも認めないというのはサービス業の本質として何か違和感を感じる。
この映画館は顧客本位のサービスというのをどう考えているのだろうか。
ことは娯楽である。娯楽に金を落とすというのは飲み食いにかけるお金とは本質的に違うものである。
快適さや喜びを求めてやってきた客を10分の遅刻さえ認めない厳格さで追い返すというのを文化に携わる者がやってはいけない、と私は思う。

わたしはあえて押し問答することなく帰った。
ごり押しして不愉快なおもいをしてまで映画を見る気にはなれなかったからである。

もうこの映画館には二度と行くまい。
映画を見るということは銀行の窓口で預金を引き出すのとは訳が違う。
映画と映画を見る人をこのようにしか扱えないこんな映画館が日本の映画文化をだめにする。