ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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J1第28節 FC東京対ガンバ大阪(調布・味の素スタジアム)3-2

2006-10-23 23:37:59 | サッカー
先週の広島戦の後に私は東京は2点差の罠に陥ったと書いた。
また、あとに残る負け方をしたとも書いた。
今日2点差の罠に陥ったのはガンバだった。
そして、先週の負け方を一蹴した東京のこの勝ち方には度肝を抜かれた。
全くサッカーは、FC東京は面白い。これだからやめられない。

年に一度あるかないかの劇的な勝利。こういう試合のためにSOCIOを続けているのだ。
怪我明けでいきなり左足で弾丸シュートをぶち込んだノリオ。
この同点シュートが決まった瞬間、喜びを爆発させて飛び上がっていたら
思い切り足を踏みはずしてくじいてしまい、痛いのなんの!
痛くて堪らないのに嬉しくて泣き笑い、生まれて初めての奇妙な感じ。

残り13分で2点差をひっくり返したゲームは見ている者にとっては劇的だしドラマとしては最高の筋書きだと思う。
観戦者として純粋に楽しめた試合だった。

しかし、チームとしてみたときには決してほめられた内容ではなかったと思う。
播戸とマグノアウベスというフリーにしてはいけない二人にまんまとゴールを決められる。
早い時間帯での失点が多い。立ち上がりの失点というのはほんとにがっくりとくる。
ガンバは浦和を追走するためにどうしても落とせない試合だし、最初から攻勢をかけてくることは予想できたはずだ。
前線から激しくチェックに来るし、中盤で奪うと二川や橋本、加地あたりが飛び出してくる。
東京は攻撃陣と守備陣が完全に寸断されてしまい、広島戦のときの悪い形から脱しきれていない。
ガンバのパス廻しに翻弄された前半だった。

平山とルーカスの縦の関係もあまり機能しないまま、後半早々に平山を下げて馬場を入れ、ルーカスをトップに。
後半10分を過ぎたところからガンバ陣内のいわゆるバイタル・エリアで東京が少しずつセカンドボールを拾えるようになってきた。
東京はガンバのような攻撃的なチームには概して分がいい。
過去ガンバとは打ち合いのゲームを何度もやってきているし、これは案外こじ開けられるかもしないと思った。

更に前半の攻勢が祟ったのか、徐々にガンバの運動量が落ちてくる。
馬場が前線で走り回るのを抑えきれなくなり始めた。
それでも時計は刻々と廻って、さすがに厳しいかなと思った。
それを察したかのようにバランスを捨てて前線に上がってきた今野がキーパーをかわし無人のゴールに流し込む。
この時点で残り13分。でもゴール裏の雰囲気はここで俄然ヒートアップする。
なんとなく、なんとなくなのだが負けるような気がしなくなってきた。
このあたりが勝負のあやであろう。
ほぼ勝てると思ったガンバは1点を取られて受けに廻ってしまった。
3点目を取れなかったことが完全に裏目に出た格好。
1点差に詰め寄られて焦りが出てしまった。

そして3ヶ月ぶりの鈴木が突き刺した強烈なミドル。鳥肌が立った。
これでさらにイケイケになった東京がついに逆転。石川の技ありのゴールだった。

こういう試合になるとなぜだか訳もなく涙が出てくるのだ。
そしてそういうタイミングで歌い始めたYou'll never walk alone
ロスタイムを声を枯らして選手を鼓舞し続けた。
本当に痺れた試合だった。

でも次はもう少し楽な形で勝って欲しいと思う。
ドラマはめったにないからこそ感動するのものだから。