ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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Castle In The Air/Felix Cavaliere

2006-03-10 23:59:23 | 音楽
雨。

CDで旧作が再発されて、それが「完全生産限定盤」だったりすると、アナログ盤を持っていてもついつい買ってしまう。
悪い癖なんだけど。このFelix Cavaliereのアルバムもそんな一枚。

Felix CavaliereはRascalsの中心的なメンバーとして60年代中期から後期にかけてヒット曲を放ってきた。
いわゆる"ブルーアイド・ソウル"の代名詞がRascalsだった。
音楽の中身もさることながら、その姿勢そのものも黒人音楽に多大なる影響を受けていた。
それは彼らがイタロ・アメリカンだったということと無縁ではないだろう。

10年ほど前にRingo Starrのバックで来日したときに武道館で彼の姿を一度ステージで見たことがある。
「Groovin'」とか「Good Lovin'」とかRascals 時代の曲を何曲か披露してくれて僕自身はRingoよりもそっちのほうがうれしかったぐらいで・・・。

彼はRascalsを72年に解散してから、Todd Rundgrenのベアーズビル・レーベルから『Felix Cavaliere』、『Disteny』という
すばらしいソロ・アルバムを発表した後、Treasureというグループを結成してアルバムを一枚残した。
その後再度ソロ活動に戻り、79年にこのアルバムを発表した。

時代を反映してか、AORやディスコの要素の多いどちらかというと商業的な成果をある程度求めた内容になっていて、
本人としては必ずしも納得がいっていないようだ。
そのあたりは小倉エージさんがライナーノートに詳しく書かれている。

ただ、音楽的なセンスはRascals時代と比べても決して劣るものではなく「Only A Lonely Heart Sees」は全米36位とスマッシュヒットしている。
Buzz Feiten、Will Lee、Steve Jordan、Luther Vandrossなど錚々たるメンバーが参加していてサウンドの質も非常に高いのだけど、
その分彼のソウル・マナーとでもいうべき個性がちょっと薄められているという気がしないでもないかな。