幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

NHK「こころの時代」第3回:豊かさの中の「空虚」

2024-06-16 06:58:58 | 生き方 考え方 笑顔 ロゴセラピー
戦後のフランクルについて
戦前になかった心の病をフランクルは見つけた。
豊かな生活なのに、空虚感を感じる人が増えた。
苦しかった戦争から解放されて、前向きな生活が広がっているのに。

1945年フランクルは強制収容所から解放された。
父と母がナチスの強制収容所で殺され、かつ兄、愛する妻までも殺されていた。
仲間はフランクルが自殺するのを恐れて、執筆を薦めた。
かつ就職先まで探してくれた。

精神科部長として仕事を始めた。
戦前と違う、こころの病を訴える患者が増えた。空虚感を訴える。実存的絶望。
平和を迎えているのに、空虚感を持つようになった。
それはウィーンだけでなかった。
世界の若者が空虚感を訴える。どう若者に生きる意味を伝えられるか?
25%の学生が空虚感、米国では60%にも。

生きる意味があるのかどうかを問うのは人間の権利である。
それが見つかるのを待てばよい。

人間の意識の問題
その原因としてフランクルは、「人が個人主義、快楽を求める人生」をあげた。
例えばアルコール依存、飲まないといい気持ちにならない。
それを「意味の喪失」とフランクルは言った。
戦争で我慢していたのに、それがなくなったのに、意味を見出すことができなかった。
豊かな米国の方が意味を見出せない学生が多いことを発見した。

今の日本を考えると今にもそれが言える。
それが今も続いている。
大学で教えているが、偏差値が高い大学に行くと良い企業に就職できるという物語、約束されてはいないが。
その物語の不確かさに気づいたときに空虚感を感じる。
そして空虚感を感じるが理由がわからない。
その空虚感を埋めるために、その埋める行為が目的になっている。
自分だけの問題に精一杯になっている。周りに目が行かない。

過剰観察に陥っている。
自分のことえおより問題として捉えている。
過去のことを必要以上に問題にする。
自分の前に鏡を置いて自分だけのことだけを見ている。
「小野さんの本を読むとか」、他に目が行かない。
それはすばらしいことではないけど(小野)。
他の考え方を知ることも重要。

言いたいことがあるから発信するのではなく、発信することが目的になっている。
自撮りでは自分を他人にも見て見てと。
自己過剰観察、他者からどう思われているを過剰に感じている。
SNSでさらに、他者のまなざし、まなざしの牢獄。
他者の言葉が気になるのは、それはすでに自分が鏡の前に立っている。

精神分析にも問題がある。今の多くが精神分析から発達、展開してきた。
過去にトラウマがあって、自分がネガティブに考える。
その過去が今の自分に関係していると考える。

過去を問題にする
フランクルは、それがフロイトの精神分析の影響があると言っている。
フランクルは過去のトラウマを岩礁と例える。
人は苦しくなると、その岩礁が目立って来る。
フロイトはその岩礁が問題と考える。
フランクルは、引き潮で岩礁が水面に現れてくる。
劣等感なども問題の原因でない。不安な状況になるとそれを考えている。
海の潮が満ちていると、岩礁は見えないし、船の運航(生きること)に問題にならない。
意味を実現すれば、その岩礁は問題にならない。
岩礁を強調し過ぎるとそれに縛られている。
その岩礁をなぜあるのかを調べようとし、さらに苦しくなっていく。
岩礁が今の自分を作っているすべてでない。
岩礁が自分を縛っているものではない。
心が満たされると、潮が満ちて岩礁が隠れ問題にならなくなる。
そうすれば過去に問題があっても今の大きな問題にならない。

ロゴセラピーではヤスパーやハイデッカーが今の社会に自分がどう生きるかを示すことで生きることができるとの実存主義をフランクルはロゴセラピーに取り入れた。
大江健三郎はサルトルやカミュの考えなどを小説に取り入れた。
悲観的な実存主義、虚無と来な実存主義、フランクルもそれに苦しんだ。
ヤスパーやハイデッカーの肯定的な実存主義。未来は無だが、今行動することが形になっていく。その実践したことは残っている。
瞬間瞬間、人は決断する。
今何が問われているのか。
それで生み出されたものが社会にでる。
実存主義は外に出すこと。
瞬間瞬間に自分を出していく。
それが根底になっているロゴセラピー。
今自分が何をしたらよいか。
実践することに価値があるかどうか。
自分が変えられる。状況は変えられないが、変えられるものは、自分の態度だと。
どう自分が対処するか。
過去に支配されるものでもないし、状況に支配されるものでもない。
外への表出は精神的なまなざしになる。
こころや身体は自分を守るためで内側に視線が向いている。
精神によってまなざしを外へ向けていく。
わかっても実践は難しい。
人生もそのような道のりがあるのではないか。
小野さんさんの人生も。
小さい自分を超えて、世界にまなざしを向けるのは人間にはあるのではないか。

自己超越
その場所においても、それはできるし、そうしている人も多い。
まさに問われている。
人間的に成長して行けば、外に溢れる。
自分が満たされないと溢れるものもない。
過去に捕らわれるだけでない、今にまなざしを向けるだけでも違ってくる。

コペルニクス転換
太陽が地球を回っているから地球が太陽を回っているというコペルニクス転換が必要になっている。
私たちが人生に何を期待しているかではなく、人生が私に何を問われているかと自覚することが重要になる。
人生に何を期待しているかは天動説。
人生から何が問われているかが地動説。
その状況で自分の方から意味を見つけていく。
自分は何をできるだろうか? 
そういう人生観を持つことで自分の人生を創り上げて行ける。

学校のクラスで喧嘩があるとする。そんなクラスは嫌だと思うのも選択。
逆にそのクラスで自分は何ができるか考え実践するのも選択。
大げさなものではない。
問いかけに気づき、よりよく応える。
精神次元に感度の良いアンテナを立ててない。
そのアンテナをフランクルは“良心”と言った。
意味を受信するアンテナが必要。
どうやったらそのアンテナを磨くことができるか。
意味になっているか。
「良心的」には他者との関係が含まれているように思う。
他者に取って良いこととを考えるまなざし。
そこに意味がある。
良いアンテナを持つにはまなざしを常に外に向ける。
それができれば理想的。

ヴィクトール・フランクルセンター
フランクル生誕100年に建てられた。
二人の姉妹が開設した。
ロゴセラピーを学んで気付いた。
自分の存在がどれだけ大切か気付いていない。
分かりやすく学べるように工夫している
何に苦悩するかではなく、苦悩する中に意味がある。
憎しみの連鎖を断ち切ることができるとフランクルは言っている。

ここでまなんだことはどんな小さなことにも意味が見いだせる。
過去が今を決めているのではない。

私は私で十分よい人間だと思う。
それが自信にもなる。
仲間の中で刺激を与えあえることができる。
日本でロゴセラピーを20年教えてきたがそれを実感している。

自分の生存を大切にすることは重要だが、自分が他者を大切に思うことが自分を大切にすること。
自分自身も他者から大切にされるもの。
精神性の循環があるときは良い状態。
気持ちが循環することで人は一人でない。
生きている躍動感になる。

自己教育
難しい心理学の教説ではなく、「生き方」がロゴセラピー。
自己教育だと。
自分で自分を教育できるか。
自分を教育していければセラピーに行く必要ではない。

次回は「死を考える」


感想
 自分の人生をどうしたいか。
今の状況で仕方ないからと思うか。
今の状況は酷い、なぜ自分にと思って生きるのも選択肢です。
まさに人生の問いかけにどう生きたいかを日々選択していくと、意味のある人生にすることができるのでしょう。
そしてそれが自分の幸せにつながるようです。

水位を上げて岩礁が影響しなくする。
さらにできるなら、その岩礁をこれからの人生に生かせることができると、岩礁自体には意味はないが、岩礁に意味づけすることができたことになるのでしょう。
「その岩礁があったけど、今の幸せが」
「その岩礁があったから、今の幸せが」
この幸せは人との出逢いも含まれていると思います。
その岩礁があったから知り得た人も多い。
そしてなにより、岩礁のお蔭で、岩礁のない人生よりも、より味わい深い、彩のある人生をおくることができるのでしょう。

難しいですが、それができると素晴らしいです。
一人では難しくても、仲間と一緒に学び、自己教育していくと実現できると思います。