うちには私が単品単発では非常に優秀と認める旋盤工がおります。
TVなどで言われる団塊の世代というんでしょうか、定年の問題が表面化してきました。
零細企業ですので定年など定めているわけでもありませんが寄る年波、自分の能力の衰えを理由に退職を申し出てきました。確かに最近依頼される仕事が異様に難しくなってきています。製品の試作で通常、金型で成形する形状を切削加工でやったりします。また、納期も短いので非常にきついです。
うちは少人数で単品の幅広い加工範囲をカバーしてきましたので、こうなるとガタガタになります。半日かけて慰留しました。結果、あと1年仕事しながら私の弟の教育する、また弟が補助するという条件で折り合いがつきました。
1年で技術移譲できるとは到底考えていませんがある程度のノウハウは掴めるのではないかと考えています。
新たな問題も発生しますが、一応1年の猶予が出来た格好で次の組織作りのプランを考えないといけません。
最近、CADの普及のお陰か、若い方がどんどん出図されるようになりました。ありがたいことだと思います。反面、製図の基礎知識の無い方も増え、非常に読みにくく私の常識外の図面も平然と出されています。また、加工の有り様もわからないまま製図するのであきれるような図面も多いです。その割に寸法精度は不必要に高かったりします。(キリ穴ピッチに0.01の精度がついていたり、馬鹿馬鹿しい。)
他人事のようにゆっくり構えていると長年、培ってきた技術がある日突然、無くなってしまうんですね。結局は人ですもんね。