江戸観光案内

古地図を片手に江戸の痕跡を見つけてみませんか?

三光稲荷

2011-06-18 | まち歩き

人形町交差点の西北、現在の人形町三丁目と堀留町の八千坪あまりの土地は、江戸時代には、歌舞伎、浄瑠璃芝居、あやつり人形、手品、大道芸等を見せる芝居小屋が立ち並び、江戸随一の歓楽街でした。この地には中村座という芝居小屋が在りましたが、大阪の歌舞伎役者、関三十郎が中村座で演技中に、場内に霊光のような閃光が走り、その光は三十郎の体から発せられたように見えたため、観客は大賞賛し、三十郎は名声を不動のものにしました。これは神の御加護によるものと考えた三十郎は、三十郎の三と光の二文字から名付けたお稲荷様を祀り、町内の氏神として崇敬しました。これが三光稲荷の起源です。

三光稲荷は猫族の守護神としても知られ、猫がいなくなった時に願をかけると猫を見付けることが出来ると言われています。


風野真知雄著「耳袋秘帖人形町夕暮殺人事件」(だいわ文庫)の中で、芝居茶屋の娘、おかつが殺された場所が、ここ三光稲荷です。


三光稲荷 東京都中央区日本橋堀留町2-1-13

東京メトロ日比谷線・都営浅草線人形町駅から約210m 徒歩約3分


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