環境にやさしい?翻訳者日記

環境分野を専門とする地方在住の翻訳者が、自らもなるべくエコなライフスタイルを目指します。がんばりすぎず、ぼちぼちと。

rise and fall 盛衰

2017-01-10 10:02:52 | 翻訳
2017年が始まりました。
本年もよろしくお願いします。

いきなりですが、訳語メモ。

rise and fall
盛衰(せいすい)、興亡

平家物語の冒頭
盛者必衰(じょうしゃひっすい)のことわりを表す

まぎらわし~……
「盛衰」を広辞苑で確認しようとして、「じょうすい」を見たけど載っていなくて、気付きました。

ちなみに、もうちょっと調べると、民間サイトではありますが、

故事ことわざ辞典
平家琵琶(『平家物語』の文章に節をつけて琵琶で伴奏する日本の伝承文化)では「沙羅双樹」を「しゃらそうじゅ」と読むときには「盛者必衰」を「じょうしゃひっすい」と読み、「さらそうじゅ」と読むときには「せいじゃひっすい」と読むとされている。


だそうな。
まぎらわし~……

ATOK 2016

2016-10-26 15:32:31 | 翻訳
前々から更新したかったATOKもこのたびめでたく更新させていただき
「ATOK 2016」を導入することができました。

えっと、どのくらい古かったかというと、
使っていたのは「ATOK 16」。

昔は、末尾に西暦ではなくバージョン番号が付いていたのですな。
2003年に購入していました。

干支も1周+αしてしまったところで、やっと追いついた……

16から2016へと、無事に登録辞書も引き継ぎ完了。
3週間弱、使ってみたところ。

大きな違いは、
推測変換ウィンドウが出てくるところかな。
これは便利だ!
以前は何度も繰り返し出てくる長い言葉をわざわざ自分で単語登録していたけど、
(例えば、「せい」と打ってスペースキーを押すと「生態系サービス」が出てくる、みたいに)
どうやらその必要がなくなったっぽい。

……しかし、邪魔だ。このウィンドウ。
たいてい、漢字を変換しながらもう次の英文を読み始めているので、
その英文にちょうどかぶさるのは、邪魔だ。
表示位置を変えられないのか?!

あと、もう一つ気になる新しい機能は、たぶんミスタイプが増えると、
「少し休憩しませんか?」
というコーヒーマークが出てくること。
「リフレッシュナビ」というのか。

いや、たしかに疲れてきたんだけどさ、
ミスタイプも増えてきたんだけどさ、
でも子どものお迎えの時間までカウントダウン、ここはちょっと無理して、もうひとがんばりしないとさ、
というタイミングなのでね。
お気持ちはありがたいんだけど、という。
でも、リフレッシュナビの本体の画面を立ち上げてグラフを見てみると、
なかなかよく傾向が出ていて面白いので、もうちょっと使ってみる。
でも、一段落したら、オフにするかも……

イミクルは、というと、辞書をインストールするのを忘れていた……
今試してみようとして気がついた。
あぁ!

読取革命

2016-10-18 15:21:11 | 翻訳
翻訳作業環境整備の一環で、Panasonicの「読取革命Ver.15」も買わせていただいた。

翻訳関連で何故OCRソフトが必要かというと、
1.原稿が紙媒体なので、それをテキスト化して作業効率を上げたい。
2.参考書籍の対訳テキストを検索したい。
という2つのケースがあるけど、1.は最近はもうないなぁ。
ほとんどのお仕事で電子ファイルをいただけるようになった。
ありがたい、時代の流れ。

去年、2.のケースで、参考書籍の英文はPDFファイルでいただけたので、
その邦訳書をテキスト化して、対訳ファイルにして参照したいと思ったことがあった。
OCRは、以前は「読んde!!ココ」を使っていて、そこそこ満足していたのだけど、2012年に販売終了。
いろいろ調べて「読取革命」が良さそうだという結論に至り、
体験版をダウンロードして使ってみたら、まあ良さそうだったので、
次はこれ買いたい~♪と思い続けていた。

今回、念願かなって、購入!
早速、テキスト化したいと思っていた本、3章分をやってみた。

これは良い!
変換ミスがかなり少ない!
使える!
10年くらい前の作業に比べて、ものすごい効率アップです。

「自炊」とか言ってOCRを使う層が広がった分、
性能が上がっているのかも。

今度は裁断機が欲しくなってきた……(笑)

英辞郎

2016-10-06 09:09:28 | 翻訳
今秋、お世話になっているエージェントさんのご厚意で、辞書環境を整えるチャンスをいただいた。
ここ10年くらいとにかく目の前のことをこなすのに精一杯で、時間が止まっていたから。

ありがたや あぁありがたや ありがたや

(友蔵 心の俳句?!)



まずは、ずっと気になっていた英辞郎のバージョンアップから。

「対訳君」という串刺し検索ソフトで使える英辞郎を愛用している。

英辞郎for対訳君
誠に勝手ながら、6月30日をもちまして 「英辞郎 for 対訳君」の発売を終了いたしました。
(理由は、英辞郎の(特に例辞郎の)データ増大に伴い、 コンバート作業が困難になったからでございます)
ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。


ガーン……
一体何年の6月30日だろう?!
きっとメールで案内を受け取っていたんだろうな……

と思って過去メールをさかのぼってみる。
2015年だった。
あーあ、ちゃんと読んでマーキングしてある。
で、そのとき忙しくて、後でもう1回考えよう、と思ってそのままにしてしまったんだな……
後悔。

仕方がない、普通の英辞郎を購入して、自分で対訳君用にコンバートするか。
渋々英辞郎のページに行くと、

英辞郎 辞書データの入手方法
Ver.144.1(2015年3月20日版)をダウンロード購入する
※Ver.145 以降のTEXT形式(およびTEXTに変換可能な形式)のデータが販売される予定はございません。


えっ?!
ガーン……
そ、そりゃそうさ……

最近はオンライン辞書が充実してきているし。
weblioだの、英英辞典だの、私だってさんざんオンライン版の恩恵を受けている。
どこでもネットにつながるようになってきたし。

でも英辞郎は、PDICで使っていた時代から、パソコン上でさくさく開いて作業するイメージのものなので、時代の変化に打ちのめされる。

浦島太郎の気分だ。

そんなわけで、昨年データのv144.1を購入し、昨日の午後から何時間もかけてコンバートして、使えるようにしましたとさ。
そのうちきっと、英辞郎on the WEBを使うことになるな……。

「英辞郎 on the WEB Pro」って有料サービスもあるのね、どうなのかな。

翻訳者と音楽家

2016-02-16 13:26:01 | 音楽
私、翻訳者とピアニストは似ているんじゃないかなぁ、と常々思っていた。

ただ楽譜がぽんと机に置いてあっても、そのままでは周囲の人は感動しない。

ピアニスト楽譜に制約されるけど、どう弾くか、腕次第で、何が聴衆に伝わるかが変わってくる。

同じ曲を弾いていても誰がどう弾くかによって、聴き手の心にすっと入ってくるときと、そうでないときがある(もちろん、聴き手のそのときの精神状態にも左右されるけど)。

同じことが翻訳にも言える気がする。

ただ英語(その他の外国語)の本がぽんと机に置いてあっても、そのままでは周囲の人は感動しない。日本語になって理解できるようになって初めて伝わる。

翻訳者原著に制約されるけど、どう訳すか、腕次第で、何が読者に伝わるかが変わってくる。

同じ原著からの訳文を読んでも誰がどう訳したかによって、読み手の心や頭にすっと入ってくるときと、そうでないときがある。


そしたら、パガニーニコンクールに優勝した、私の大好きなバイオリニスト、庄司紗矢香さんもインタビューで同じことを言っているのを見つけて、びっくりした。

インタビュー 庄司紗矢香
 「演奏家はある意味代弁者だと思うので、ブロッホが『こうなんだ』ということを書いていたとすれば、私は彼になり切って『こうなんだ』ということを出す。それだけのことです。どの作曲者であっても同じことで、その理解の仕方やニュアンスの付け方に演奏家の個性が出てくるのでしょう。演奏家はあくまでも作品なり作曲家、どちらか分かりませんが、そのどちらかになり切るしかない」。

なんだか嬉しい。
そうそう。
「理解の仕方やニュアンスの付け方」。

クラシック音楽は、作曲家がもう亡くなっていて、「これはどういう意図ですか?」とか直接聞けない分、翻訳よりももっと大変だと思う反面、そこに演奏者の自由度が残されている気もする。

zero emissions ゼロエミッション

2016-01-23 05:14:08 | 環境
私が90年代後半に環境省の某外郭団体に勤めていた頃、「ゼロエミッション」(通称「ゼロエミ」)が流行っていて。
要は「廃棄物ゼロ」のこと。
ある工場から出る廃棄物を、別の工場で原料として使えるように工夫して、全体として廃棄される物の量を減らしましょう、と。

その後、zero emissionsを気候変動分野で見かけるようになりました。
00年代後半くらいからかなぁ??
温室効果ガス排出量をゼロにしましょう、と。
単体で排出量を減らす場合もあれば、吸収源により正味ゼロにする場合もあり。
私は以前の「ゼロエミ」の感覚があったので、これを「ゼロエミッション」と訳すことに若干抵抗があり、また、なるべく読者にわかりやすくカタカナよりも日本語で、という意識もあり、「排出量ゼロ」と訳したりしていた。

今やっている仕事でも出てくるので、改めて調べてみたら、
気候変動分野での「ゼロエミッション」という日本語、今はかなり定着してきているようです~。
googleで
"排出量ゼロ" 気候変動 →6,220件
"ゼロエミッション" 気候変動 排出量 →37,100件

そもそも廃棄物ゼロの意味の「ゼロエミッション」という概念は、国連大学が提唱したもので、それが1994年のこと。
なんと、ふた昔前の話でありました。
しかも、国連大学のゼロエミッションフォーラム、2009年で解散してるし。

いやはや。
日々是勉強。

『[絵本]小さいことにくよくよするな』

2014-06-05 05:31:24 | 
もともとの『小さいことにくよくよするな!』は、
「全米500万部突破」だったそうな(と、本の帯に書いてある)。
日本でも“くよくよシリーズ”合計で170万部売れたらしい(サンマーク出版のウェブより)。

その絵本版。
もともとの本には、くよくよしないで生きられるようにするヒントが100項目あるのだけど、
その中から50項目厳選。
イラスト付き。
それで、各ヒントと、それぞれに関する大事な1文(つまり計100文)には英文も付いていて、
英和対訳が見られる!


たとえば、
「できない」と言うとできなくなる。
の原文は、
Argue for Your Limitations, and They're Yours

だそうな。
ほぉ~、なるほどぉ~!

ちなみに、絵本版は、「愛情編」もあるらしい。
これももう絶版になっちゃったみたいだけど、どこか図書館にあるかな。
探してみよう。

免疫力を高める

2013-08-30 04:57:19 | 
免疫力とか抵抗力とかってよく聞くけど、正確にはどういうことなの? 
どうしたら子どもたちを健康に育てられるの? と知りたくなって何冊か読んでみた。


『免疫力をあげる子育て法』安保徹、西原克成、真弓定夫(実業之日本社、2012年)
『自分ですぐできる免疫革命』安保徹(大和書房、2007年)
『アレルギーの9割は腸で治る!--クスリに頼らない免疫力のつくり方』藤田紘一郎(大和書房、2011年2月)

以下、強く印象に残ったことのまとめ(細かいところが間違ってたらゴメンナサイだけど)。

・免疫力を発揮するのは、
(1)白血球(顆粒球とリンパ球)
(2)NK(ナチュラルキラー)細胞
(3)腸内細菌

・顆粒球とリンパ球のバランスが大事。
顆粒球とリンパ球の割合はもともとの個人差もある。

・交感神経が優位になる(興奮する)と顆粒球が増え、
副交感神経が優位になる(リラックスする)とリンパ球が増える。

・緊張状態が続いて顆粒球が増えすぎると(典型的な現代人)、免疫力が下がるので、リラックスを心がける。
リンパ球が多すぎると、アレルギー反応を起こしやすい、高熱を出しやすい反面、長生きの人が多い。体を動かして交感神経を刺激するといい。
要はバランス。

・手の爪の周辺に神経があるので、免疫力を高めるには爪もみが効果的。指によって作用が違うので、全部の指を刺激しておくのが良さそう。

・笑うとNK細胞が活性化する。笑うと免疫力が上がるというのは本当らしい。

・子どもの体を丈夫にするには、
体内にウイルス・菌を入れないようにしよう、ではなく、
体内にウイルス・菌が入っても負けないように免疫力を高めよう、という努力のほうがいい。

・藤田氏
「実際、大阪の堺でO-157が流行したときに小学生の便を調べたところ、O-157がたくさんあるのに一度も下痢をしていない子どもが30%もいました。
 一方、ちょっと下痢をした子どもは58%で、何度も下痢を繰り返して入院するほどの重篤な症状をきたした子どもは12%でした。
 O-157で重症になった子どもはみんな、山の手の一戸建てに住む子どもたちでした。お母さんが清潔に対して非常に神経質で、子どもに泥んこ遊びもさせていませんでした。一方、一度も下痢をしなかった子どもは、揃って下町育ちでした。泥んこ遊びをする子どもたちだったのです。」
(そんなデータがあるのか? ほんとなら、抵抗力の大切さについてものすごく説得力がある。)

・免疫力は、70%が腸管の働きで、残り30%は心で決まる。

・番外編:藤田氏提唱の、子どもをアトピーにさせない方法
  「第一に、子どもの食べものは主として落ちたものを食べさせること。
   第二に、食事中に必ず足の指をなめさせることだ」
(笑える……^_^;)


時間管理

2013-06-22 06:27:49 | 
時間管理に関する本を何冊か読んでみた。

中でも良かったのは、この2冊。

箱田忠昭『いつも忙しい人、なぜか余裕のある人 最後に笑う人の時間管理術』PHP、2007年


小山龍介『TIME HACKS!タイムハック! 劇的に生産性を上げる「時間管理」のコツと習慣』東洋経済新報社、2006年



学んだこと

1.手帳に、目標(期限、数値目標)を書いて持ち歩く

2.手帳に、余り時間にやるスモールタスク(15分程度)も書いておく

3.計画のための時間を毎日15分つくる

「山田さん」

2013-06-10 10:09:10 | 翻訳
私が前職時代の知人から翻訳の仕事を本格的に引き受け始め、
並行して(お尻に火がついた状態で)翻訳スクールに通っていたときの話。
(かれこれ10年前)

先生は山田先生。
最初の授業で、山田先生が言った。

「いつもお願いするんですが、私のことは先生と呼ばず、
『山田さん』と呼んでください。
そのうち同業者になるかもしれませんから。」

いやぁー、そうは言われても。
先生のことを「山田さん」と呼ぶのは日本人としてなんだかためらわれ、
(アメリカでだったら先生のこともファーストネームで呼べるけど)
かと言って「山田先生」と呼ぶこともできず、
結局お名前を呼ぶことができずに半年間過ぎ去ったような記憶が。


そして、今。
そのときの「山田さん」の気持ちが、すごーくよくわかる。

私も僭越ながら、オンライン翻訳講座の講師を務めさせて頂いているのだけど、
「先生」なんて呼ばないで、と本当に思う。

だって、ほんの何年か先に私が翻訳をやり始めた、というだけの話。

これからさらに何年かしたら、同じ翻訳者同士として一緒に
プロジェクトをやっているかもしれないし、
場合によっては今の生徒さんのほうが私よりセンスのある翻訳者さんに
なっているかもしれないし。


「山田さん」、今はどうなさっているのだろうか……
(下のお名前は忘れてしまったよ……)