環境にやさしい?翻訳者日記

環境分野を専門とする地方在住の翻訳者が、自らもなるべくエコなライフスタイルを目指します。がんばりすぎず、ぼちぼちと。

シャキシャキの水菜

2005-10-29 23:59:55 | ライフスタイル
今日の市民農園の収穫は、
水菜1株
カブ1カブ(違った、1コ)
などでした。

実は最近かなりほったらかしにしてたので、どうなってるかとちょっと恐かったんだけど、たいした雑草ではなくてホッとする。
季節は、もう秋。

「スローライフは忙しい」

2005-10-28 23:59:52 | ライフスタイル
こういうタイトルの連載を、玉村豊男さんが朝日新聞に書いておられて、毎日楽しみにしている。

特に初日(10/17)、ひじょーに的を射ていて、うなった。

スローライフは、
「本来は土地に根ざした手づくりの暮らし、というような意味」
であり、
「他人まかせの暮らしと違い、スローライフは忙しいのだ。」

「スローライフ、スローライフ」と心の中でつぶやきながら、ゆるゆると暮らしているわが身を反省しました。
どうもマメさに欠ける(敢えてポジティブな言葉を使えば、大らかな)私には、真のスローライフはまだまだ遠いなあ。

***

それにしても、最近のマクドナルドのCM、
牛をアップで写して、私たちの食べ物はスローにつくられています、みたいなナレーションが入っている。
う~ん。。。 目がテン。
そんなことをいったら、世の中に「スローじゃない食べ物」なんて存在しないよねえ。私たち人間は、いつもほかの生き物の命をいただいて、生きているのだから。

「生ゴミ」になる前の「野菜くず」

2005-10-26 23:55:30 | 環境
私が住んでいる町には、土づくりセンターがあって、各家庭から出た生ゴミを堆肥化している。そして、その堆肥は、町内の農家や市民農園で使われている。

生ゴミも燃えるゴミも、週2回同時に回収。
燃えるゴミ用の袋よりも、生ゴミ用の袋のほうが安いので、捨てる側にとっても、ちゃんと生ゴミを分別して、燃えるゴミを減量したほうが、おトクです。
こういう経済的インセンティブが大切よね。倫理観や正義感だけじゃ続かないもの。
(実は、生ゴミ用の袋を買わなくても、新聞紙1枚にくるんで出してもいい、と町が配っている冊子には書いてあるけど、これはなかなかワザがいりそうで、うちの近所ではみんな有料の袋に入れて出しているようです)

わが家では、台所の流しの脇に、100円で買ってきた小さいザルをおいて、そこに新聞を敷き、生ゴミだけを分けています。

しかし、工夫が必要なのはここから。
生ゴミ用の袋は、生分解性プラスチックでできていて、しかも分解速度がものすごく速い! どのくらい速いかというと、うっかりゴミを出し忘れてしょうがないから3~4日後の次のゴミの日に出そうと思っていると、その間に袋が溶けてしまうくらい。これはかなりショックです。
それで、自衛手段として、生ゴミが生ゴミっぽくなる前の「野菜くず」のとき、普通のビニル袋に入れてキュッとしばって冷凍庫の片隅に入れておくようにしました。これならうっかり1回ゴミを出し忘れても、台所を汚す心配なし。「野菜くず」なら、全然不衛生じゃないし。ゴミを出すときに冷凍庫から出して、自然解凍しながら収集してもらいます。

生ゴミだけ分けるのは、最初はえっと思っていたけど、わが家でこのサイクルが成立してしまった後は、全然面倒ではない。

朝日新聞に
asahi.com:家庭の生ごみをエネルギーに 環境省が来秋までにモデル - 暮らし
という記事がありました。
燃えるゴミと一緒くたに、ただ焼却炉で燃やす(温水プールで熱利用くらいはされるかもしれないけど)のに比べたら、バイオマスエネルギーとしてきちんと使った方が有効利用といえますね。

でも、本当は、バイオマスエネルギーに力を入れるより先に、もっと素直に土に戻すことに力を入れた方がいいんじゃないかなあ。有機農業、食の安全という意味でも。

『東方見聞録』と『ビーグル号航海記』

2005-10-25 19:25:57 | 
たまたまこの2冊を同時に手にする機会があったので、感想をまとめます。

◆共通点

両者とも、未知の世界を探検した探検記であること。

マルコ・ポーロは、13世紀に中東~北京のユーラシア大陸を往復する。行きは陸路で、帰りは海路。
ダーウィンは、19世紀に南半球を通って地球1周の航海をする。航路は、イギリス出発~南米の南端~ガラパゴス~オーストラリア~アフリカ南部~イギリス到着。
(これで「共通点」といえるのか??)

◆相違点

マルコ・ポーロは商人なので、視点が、各地の特産品や人々にある。彼の口頭での話を書き取ってできた本なので、ストーリーに勢いと華がある。その分、彼の思い違いも多い(訳注が挿入されている)。

マルコ・ポーロが「ほら吹き」扱いされていた、というのもうなずけたりする。今であれば例えば『ナショナル ジオグラフィック』の写真を見たりほかの旅人の証言を聞いたりして裏付けがとれることでも、彼一人が話したことであれば(しかも全体にオーバーぎみ)、私が当時の聴衆に紛れ込んでいたとしても眉唾ものに思うだろうな。一方で、「へぇ~、この地球上には実はこんな私の知らない世界があるのかぁ」と夢が広がる印象も受ける。訳文も読みやすい(ほかの翻訳書も可能な限りいろいろ見てみたが、この青木富太郎訳が一番読みやすかった)。

ダーウィンは科学者なので、地学や生物に関する記述が多く、たぶん航海しながらメモをとっていったものだろう。正確なんだろうが、ストーリーとしては正直つまらない。

ただ、ビーグル号の和訳本は、この1961年の岩波文庫しかないらしく、もう少し現代的な訳があれば読み進めやすいんじゃないかと思った。(時代が変われば、求められる文章も変わってくるから。)最近、『星の王子様』や『チャーリーとチョコレート工場』など、新訳ブームでもあるしね。でも、今さらこれを訳し直したところで、どのくらい売れる見込みがあるのか、というとよくわからないけど……。たぶんただ訳すだけじゃ厳しいだろうなあ。ちょっと工夫が必要だなあ。

◆感想

中学校あたりの歴史の教科書で、日本がマルコ・ポーロによってジパング/黄金の国として紹介されていた、というのを習った。そのとき、
どうして「ジパング」なのかなあ、
どうして「黄金の国」なのかなあ、と不思議だった。

結局、「ジパング」は「日本」の中国語読み(リーペン)だし、
「黄金の国」という表現にいたっては、マルコ・ポーロが中国で耳にした噂話によるもの(実際には日本に来ていない)ということらしい。
ま、内容はともかく、日本の存在が初めてヨーロッパに紹介されたところに重要性がある、ということか。そこからJapanという英語が生まれたのだろうし。

ダーウィンのビーグル号での航海については、言わずとしれたガラパゴス諸島での進化論発見が有名。ガラパゴスでの記録は、下巻の冒頭に入ってます。

どちらの本にも、歴史的背景のせいだろうけど、キリスト教以外の宗教に対する偏見(マルコ・ポーロ)、「蛮人」などの表現(ダーウィン)が散見され、ちょっとひっかかる部分もあった。

<マルコ・ポーロ、青木富太郎訳『世界探検全集1 東方見聞録』河出書房新社、1978年>
<チャールズ・ダーウィン著、島地威雄訳『ビーグル号航海記 上・中・下』岩波文庫、1961年>

養殖まぐろ

2005-10-23 23:55:09 | 環境
一昨日、ダニエル・ポール氏というカナダ人の水産学者さんの講演会&日本人水産学者を交えてのシンポジウムを聞きに行った。

今まで魚にまつわる問題といえば、
「イワシのとりすぎで、数が激減している」
「水銀が蓄積しているマグロやサメなどは、食べ過ぎると体に悪い」
ということくらいで、本当のところよくわからなかった。
海の実情、ってよく見えないしね、潜ってみないと。
私も一応ダイビングライセンスは持ってるけど、すっかりペーパーダイバー化しちゃってるし。

今日の話で驚いたことの一つ目は、
「現在の海では、進化のプロセスとまったく逆のことが起きている」
ということ。
かつて地球上の生き物は、バクテリア→イカなどの軟体動物→魚→海洋ほ乳類(クジラなど)へと進化してきた。
それが、現状は逆。
まずクジラなどが減り、それから魚も減ってしまう中、クラゲが優勢になり、藻類が大量発生している。
現在日本海でクラゲが大量発生しているニュースは、日本人ならたいてい知っている。
その理屈が、こんなところにあったとは!

しかも、今日本に来ているクラゲは、そもそもは、どうやら中国北部で発生しているらしい。
どうやら黄海・東シナ海の環境が劣化しているせいのようです。
へぇ~。
ほんと、環境問題に国境はないのだ。
クラゲ大発生の問題に、対処療法ではなく、根本的な解決をしたいなら、多分まずは研究から、国際協力が必要でしょうね。

それから、驚いたことの二つ目は、
「マグロも養殖されている」
ということ。
いやぁ、全然知らなかった。
あんな大きい魚、一体どんな大きないけすで育ててるんだろう??
養殖はエネルギーと餌が必要なので、本当は、長い間されてきたように、海が自然にもつ包容力の中で魚が育ち、それを人間がいただく、というのが一番だろう。

海の環境を守るためにポーリー氏が最後に訴えたことは、
「小規模な漁業を推進しよう。」

「小規模な漁業」とは、企業がやる商業的な漁業ではなく、漁協などの取り決めを守る漁師さんたちによる漁、ということ。
なるほど~ と思いました。
長期的に考えれば、組織の論理ではなく、個人の倫理観に根ざした産業活動を行うべき。
どの分野でも同じですね。

世界的な視点から海の現状が俯瞰できて、とってもおもしろい講演会でした。

エコロジカル・フットプリントとは?(1)

2005-10-19 21:04:31 | 環境
(2005年8月10日の旧ブログから)

「エコロジカル・フットプリント」とは、「どれだけの環境負荷を与えているか」を「地表面積」で示す指標です。

たとえば、平均的日本人が食べる食料を生産するのに耕作地○○ヘクタール、
電気を消費して発生する二酸化炭素を吸収するのに森林○○ヘクタール、
移動するのに必要なエネルギーや道路面積○○ヘクタール
捨てるゴミを処理するのに必要な土地○○ヘクタール、
天然資源を掘削するのに使う土地○○ヘクタール、・・・・・・

こういったものをひっくるめて、「平均的日本人1人の生活に、どれだけの面積の土地が必要か」が計算できます。
この数字に世界人口をかけて、地球の面積で割ると、
「世界中の人が、平均的日本人の生活をすると、地球が何個必要か?」
が出てくるのです。

ちなみに、この質問の答えは何個でしょうか?

果たして地球1個で収まるでしょうか? 
それとも、超えているでしょうか? 
(答えは、このブログの最後)

これは、もちろんほかの国でも計算できます。
国以外にも、県とか市とかの単位でも使えます。
現に、イギリスでは地方自治体が指標として採用しているそうです。

それから、
ある製品や、ある家庭や、ある学校
などにとって必要な面積も計算できます。

エコロジカル・フットプリントは、さまざまな主体が「持続可能かどうか」がわかる指標なのです。


参考 
『エコロジカル・フットプリントの活用--地球1コ文の暮らしへ』ニッキー・チェンバース、クレイグ・シモンズ、マティース・ワケナゲル共著、五頭美知訳、和田喜彦、岸基史 解説、インターシフト発行、合同出版発売、2005年


<答え> 世界中の人が、平均的日本人の生活をすると、地球は2.4個必要です。

畑も夏から秋へ

2005-10-18 16:11:31 | ライフスタイル
季節は、すっかり、秋。
畑の風景も、すっかり、秋。

市民農園の周囲の畑には、さつま芋、白菜、大根がずらり。

うちも、今日とうとうトマトを抜いた。
今年は初夏に自宅の引っ越しがあって、植えるのが遅くなったせいで、
結局食べたのは6個かな。。。
う~ん、苗代ぎりぎり。

それ以外の今日の収穫は、カブ1個、ブロッコリーたくさん、ネギ。

カブはどういうわけだか、何者かに囓られた跡が。
(念のために言っておくが、犯人は私ではない)
よく見ると、周りに小さいアリがたくさん集まっていたんだけど、
アリの仕業?? そんなことあるのぉ~??

今年の夏に一番おもしろかったのは、黒ゴマかな。
結構たくさんとれました。片手の手のひらに山盛り、くらい。
(でも、金額ベースで考えると、種代+αくらいだけど)
そのうち、自家製のゴマ油がつくれたらおもしろいなあ、なんて、
それはかなり大がかりな夢だけど。

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(旧ブログ 2005年8月20日から)
秋冬の種まき
今日は秋冬に向けて農園の準備。

まず、種を買いに行く。
地域柄、「農家の店」なる専門店があって、豊富な種類の苗や種が並んでいる。
そこのフェンスにこんな大きな張り紙が。

「超スローフード宣言」

笑える。
たしかに、買ってから口に入るまで、数カ月とか半年とかかかるんだもんなあ。

それから畑へ。
春菊、かぶ、水菜の種を蒔いた。

本当は、今年の秋もサツマイモをつくろうと思っていた。去年、笑いが止まらないほどたくさんできたから。
でも、「もうサツマイモの苗のシーズンは終わったよ」とお店の人に言われてしまった。
シマッタ

家に帰って本を見ると、苗の植え時は5~6月と書いてあった。
もう8月。かすりもしていない。
シマッタ

よく洋服売り場で、「まだ夏の始まりなのに」と思うときに夏物バーゲンをやっていて、夏本番に「もう少し服を買い足そうか」と思う頃にはもうすっかり秋物、みたいなことがある。
畑も同じで、暑くなってから何かを食べたいと思って慌ててももう遅い。そう思うであろう自分を、何カ月も前に、まだ春のうちに予測して、準備を始めなければならない。
農園初心者には、なんともそれが難しい。

「こんなものが食べたいなあと思って畑に行くとそれがたわわに実っている」という野菜自給生活には、まだまだほど遠い。

この時期、農作業の合間に、真っ赤に熟れたみずみずしいトマトにガブリとかぶりついたらどんなに美味しいか、と思うが、うちのトマトはまだ青くて小さい。
このまま夏が終わってしまいそうだ。。。


新しい分野の仕事にちょっと手を出してみた

2005-10-08 11:06:16 | 翻訳
私の翻訳分野は、一応「環境」に区切っているのだけど
(「環境」と一口でいっても、実はむちゃくちゃ幅が広い。政策のこと、温暖化のこと、生態系のこと、企業の環境/CSR報告書、水、有機農業や地産地消、etc. あげればきりがない。)

今やっているのは、「環境」にはちょっと結びつかない分野の英文和訳。

でも、エージェントから、「どうでしょう?」と打診を受けたときに、広く「持続可能性」には関連しているので、やってみてもいいかな、と思って受けさせていただいた。

新しい分野のものを受けるときにコワイのは、「業界標準」の感覚がわからないので、やたらシロウトっぽい言葉遣いにならないようにしなければいけないことだ。

だから、今回は、その分野の関連の条約をかたっぱしからダウンロードし、英和対訳ファイルをつくってみた(幸い、仮訳を含めると、かなりの条約がすでに和訳されてウェブ上にアップされていた。それに、今回はエージェントのコーディネーターさんが協力してくださることになり、私の費やす時間もたぶん半分くらいですんだ。感謝!)。
こうしておいたうえで、翻訳作業を進めながら「ちょっと専門用語っぽいかな?」と思ったら、この対訳ファイルで検索をかけ、ある程度の定訳になっていないか、調べる。
それで、「お、もしや」という日本語に出会ったら、google検索をして確認をし(条約の仮訳であっても、ミスタイプやちょっとした間違いが含まれる可能性は常にあるので)、その和訳を使う。

そんな感じなので、ここまでのところ、思ったよりペースはあがらず、まるで重たい荷物を載せた荷車を引いているような感じなのだけど、こんな感じである程度進んでいたら、きっと、下りの坂道にさしかかるんじゃないか、と淡い期待を抱きながら、地道に作業を続けている。