環境にやさしい?翻訳者日記

環境分野を専門とする地方在住の翻訳者が、自らもなるべくエコなライフスタイルを目指します。がんばりすぎず、ぼちぼちと。

『[絵本]小さいことにくよくよするな』

2014-06-05 05:31:24 | 
もともとの『小さいことにくよくよするな!』は、
「全米500万部突破」だったそうな(と、本の帯に書いてある)。
日本でも“くよくよシリーズ”合計で170万部売れたらしい(サンマーク出版のウェブより)。

その絵本版。
もともとの本には、くよくよしないで生きられるようにするヒントが100項目あるのだけど、
その中から50項目厳選。
イラスト付き。
それで、各ヒントと、それぞれに関する大事な1文(つまり計100文)には英文も付いていて、
英和対訳が見られる!


たとえば、
「できない」と言うとできなくなる。
の原文は、
Argue for Your Limitations, and They're Yours

だそうな。
ほぉ~、なるほどぉ~!

ちなみに、絵本版は、「愛情編」もあるらしい。
これももう絶版になっちゃったみたいだけど、どこか図書館にあるかな。
探してみよう。

免疫力を高める

2013-08-30 04:57:19 | 
免疫力とか抵抗力とかってよく聞くけど、正確にはどういうことなの? 
どうしたら子どもたちを健康に育てられるの? と知りたくなって何冊か読んでみた。


『免疫力をあげる子育て法』安保徹、西原克成、真弓定夫(実業之日本社、2012年)
『自分ですぐできる免疫革命』安保徹(大和書房、2007年)
『アレルギーの9割は腸で治る!--クスリに頼らない免疫力のつくり方』藤田紘一郎(大和書房、2011年2月)

以下、強く印象に残ったことのまとめ(細かいところが間違ってたらゴメンナサイだけど)。

・免疫力を発揮するのは、
(1)白血球(顆粒球とリンパ球)
(2)NK(ナチュラルキラー)細胞
(3)腸内細菌

・顆粒球とリンパ球のバランスが大事。
顆粒球とリンパ球の割合はもともとの個人差もある。

・交感神経が優位になる(興奮する)と顆粒球が増え、
副交感神経が優位になる(リラックスする)とリンパ球が増える。

・緊張状態が続いて顆粒球が増えすぎると(典型的な現代人)、免疫力が下がるので、リラックスを心がける。
リンパ球が多すぎると、アレルギー反応を起こしやすい、高熱を出しやすい反面、長生きの人が多い。体を動かして交感神経を刺激するといい。
要はバランス。

・手の爪の周辺に神経があるので、免疫力を高めるには爪もみが効果的。指によって作用が違うので、全部の指を刺激しておくのが良さそう。

・笑うとNK細胞が活性化する。笑うと免疫力が上がるというのは本当らしい。

・子どもの体を丈夫にするには、
体内にウイルス・菌を入れないようにしよう、ではなく、
体内にウイルス・菌が入っても負けないように免疫力を高めよう、という努力のほうがいい。

・藤田氏
「実際、大阪の堺でO-157が流行したときに小学生の便を調べたところ、O-157がたくさんあるのに一度も下痢をしていない子どもが30%もいました。
 一方、ちょっと下痢をした子どもは58%で、何度も下痢を繰り返して入院するほどの重篤な症状をきたした子どもは12%でした。
 O-157で重症になった子どもはみんな、山の手の一戸建てに住む子どもたちでした。お母さんが清潔に対して非常に神経質で、子どもに泥んこ遊びもさせていませんでした。一方、一度も下痢をしなかった子どもは、揃って下町育ちでした。泥んこ遊びをする子どもたちだったのです。」
(そんなデータがあるのか? ほんとなら、抵抗力の大切さについてものすごく説得力がある。)

・免疫力は、70%が腸管の働きで、残り30%は心で決まる。

・番外編:藤田氏提唱の、子どもをアトピーにさせない方法
  「第一に、子どもの食べものは主として落ちたものを食べさせること。
   第二に、食事中に必ず足の指をなめさせることだ」
(笑える……^_^;)


時間管理

2013-06-22 06:27:49 | 
時間管理に関する本を何冊か読んでみた。

中でも良かったのは、この2冊。

箱田忠昭『いつも忙しい人、なぜか余裕のある人 最後に笑う人の時間管理術』PHP、2007年


小山龍介『TIME HACKS!タイムハック! 劇的に生産性を上げる「時間管理」のコツと習慣』東洋経済新報社、2006年



学んだこと

1.手帳に、目標(期限、数値目標)を書いて持ち歩く

2.手帳に、余り時間にやるスモールタスク(15分程度)も書いておく

3.計画のための時間を毎日15分つくる

今さらながら

2013-05-21 22:58:19 | 
 先日ちょっと探しものがあって何年かぶりにブックオフへ。
 そして105円コーナーで見つけたもの。

勝間和代『効率が10倍アップする 新・知的生産術 -自分をグーグル化する方法』2007年、ダイヤモンド社

 ブームから軽く5年くらい経った今、遅ればせながらカツマーの仲間入り(笑)。
 いやぁやっぱりすごいわ、この人。このエネルギー。

 そんなわけで、私もすぐ取り入れようと思ったこと5点。

1) 「知の3点測量法」
 知りたいテーマについて、立場の違う3人の書いた3冊を読むこと。これは、物事を多面的に知るうえで、たしかに良さそう。

2) 本を読むスピードをあげる
 1)にも絡むけど。著者の数時間の講演会を聞いてポイントを頭にインプットしていくのと同じイメージで、というのは納得。重要なところをきっちり記録に残しておこうとか思わずに、数時間をメドにどんどん読み進める。
 私はついつい1冊を時間をかけてじっくり読みすぎてしまう。だから、読みたい本はいっぱいあるのに、ちっとも読みきれていない。

3) 耳からインプット
 車の運転中にできる情報収集手段として、CDやpodcastなどを活用する。
 実は以前podcastを聞いてて「こりゃいい」と思ってたんだけど、プレーヤーが壊れてしまって、それっきりになっていた。

4) 「親指シフト」の入力法
 前々から耳にして気にはなっていたんだけど、やっぱり練習してみようかな。入力時間の短縮は、翻訳の効率アップに直結する。

5) ブログをまめに書く
 アウトプットの練習として。

『プライドと情熱――ライス国務長官物語』

2011-08-26 03:34:43 | 
「強い女性」というイメージのコンドリーザ・ライス前国務長官(愛称コンディ)。

才能と努力による、すごい才女。かつ、人格者らしい。
学校は2年飛び級。
大学は最初、プロのピアニスト目指して、ピアノ演奏コースに入学(後にソヴィエト研究に転向)。
黒人初、女性初、最年少(38歳!)での名門スタンフォード大学副学長。
フィギュアスケートとフットボールを愛し、ジムでのトレーニングを欠かさないアスリート。

幼少期の育ち方はというと、教育熱心な両親のもと、「のびのび」とは正反対という印象。正直言って、よくまっすぐ育ったな、と思う。
両親からの愛情をしっかりと感じられたことが、大きなポイントなのかもしれない。こうして自尊心と自信を身につけた。父親が牧師で人格者だったこともあるだろう。
あと、知識一辺倒にならず、ピアニスト/オルガニストの母親のおかげで、芸術活動(音楽)に親しんだことも大きいのかな。協調性を求められる室内楽もやったり。

コンディはもともとは軍事干渉に反対の立場をとる中道派だった。
が、9・11後、強硬姿勢をとるようになる。(←私がもっていた印象はここから生まれたのだ)

同僚によれば、九月十一日の攻撃によってコンディの世界観が変わり、より保守的な路線を歩むようになったようだ。あの攻撃後、コンディの外交政策の展望は、大統領や政権内のネオコン(新保守主義)の人々の見方をさらに色濃く反映するものとなった。 (p.238)


議会公聴会での堂々たる質疑応答の様子を読むと、日本の国会の証人喚問で見るのらりくらりした「記憶にございません」との大違いに、こればかりはアメリカがうらやましくなる。

凡人の感想を一言でいうと、、、
「恐れ入りました!」

<アントニア・フェリックス著、渡邊玲子訳『プライドと情熱――ライス国務長官物語』角川学芸出版、2007年>

『見てわかる地球の危機――温暖化時代を生きる』

2008-08-31 23:28:36 | 
『見てわかる地球の危機――温暖化時代を生きる(日経BPムック)』
武田 正紀訳、五頭 美知訳、前川 雅彦訳
出版 : 日経ナショナルジオグラフィック社
発売 : 日経BP出版センター
発行年月 : 2008年7月
税込価格: 1,890 (本体 : 1,800)

第1章 気候変動の現実
第2章 最新科学の証言
第3章 解決への足がかり

ナショナルジオグラフィックの本なので当然といえば当然だが、写真が多くて見やすい。おまけに、DVD「地球環境レポート」まで付いている!

第2章に、温暖化に関する科学的知見がコンパクト&ビジュアル的にまとめられている。

北極海の氷の様子を1979年、2005年、2007年に衛星から撮影した写真もあり、
この30年弱でどんどん面積が小さくなってきているのが一目瞭然。
北極の氷がなくなる?!
にも一度書いたが、2030年までには夏に北極海から氷がなくなるという予測も紹介されている。
……が、実はこの6月、今年の夏に北極海の氷がなくなりそう、という分析がされていて、ギョッとした。もうすぐ夏も終わるが、実のところどうだったのだろうか……

「やっぱり温暖化って気になるけど、小難しい本を読むのもなぁ」という人に、図や写真を見ているだけでちょっとわかった感じがするオススメの1冊です。

『森と海からの贈りもの――二人の「自然の使者」から子どもたちへ』

2007-08-04 22:18:14 | 
チンパンジー研究者のジェーン・グドールさんと海洋生物学者のジャック・モイヤーさんがそれぞれ、どんな子どもだったか、何がきっかけで生き物の研究をするようになったか、そしてなぜ環境教育に力を注ぐようになったかを記した本。

グドールさんは、タンザニアの森でチンパンジーの観察を続けて、チンパンジーが道具を使ってアリを食べることを発見した人。今は「ルーツ&シューツ」という環境教育活動で世界を回っている。モイヤーさんは、三宅島で野鳥や海洋生物の研究をして環境保護・環境教育にも力を入れていた人(残念ながらもう亡くなってしまった)。

写真がきれいだし、やさしい日本語で書かれているので、生き物が好きな小学中高学年~中学生くらいにオススメ。
(翻訳者について何も記述がないんだけど、どういう人が訳したんだろう? とても読みやすい文章だと思う。)

二人ともイレギュラーな経緯をたどって世界的な研究者になっているので、その意味でも、進路に悩む若者は「道はひとつじゃない」と希望がもてるかも。

なんだか蒸し暑いし、きれいな海中の写真とか見てるとダイビングに行きたくなっちゃいますね~(それどころじゃないって ^_^;)

<ジェーン・グドール/ジャック・T・モイヤー著、2002年、TBSブリタニカ>

UNBOWED へこたれない――ワンガリ・マータイ自伝

2007-04-28 09:58:23 | 
書名:『UNBOWED へこたれない――ワンガリ・マータイ自伝』
原書名:Unbowed: A Memoir
著者:ワンガリ・マータイ 
翻訳:小池百合子

翻訳協力:枝廣淳子、中小路佳代子、五頭美知、小野寺春香、小林紀子、ヘレンハルメ美穂
スワヒリ語表記協力:田中直実

発行:小学館
定価:2,310円(税込)
発売日:2007/04/15

ノーベル平和賞受賞
日本人が忘れかけていた「もったいないの心」を
世界に発信したマータイさんの不屈の半生


2004年環境分野の活動家としては史上初のノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさん。
「もったいない」という日本語に感銘を受け、国連女性地位委員会の出席者でその言葉を唱和したことで日本でも広く知られているが、本書はそのマータイさんの激動の半生を綴った初めての回顧録。
ケニアの農村に生まれ、女性に教育は不要とする周囲の反対を押し切り、政府留学生としてアメリカへ渡り、そこで人種差別を目の当たりにして人権運動に目覚める。
帰国後ナイロビ大学助教授に就任するも、独裁政権下で投獄された経験も。
度重なる苦難にも「へこたれない」不屈の姿勢でアフリカでの植林活動や女性の地位向上に努める。
翻訳を担当するのは前環境大臣でマータイ氏とも交流のある小池百合子氏。
たくましくも地球にやさしいマータイさんの姿が行間から浮かび上る。
~小学館ホームページより
小学館:UNBOWED へこたれない~ワンガリ・マータイ自伝

『グッド・ニュース――持続可能な社会はもう始まっている』

2006-11-16 14:17:42 | 
書 名 : 『グッド・ニュース ―持続可能な社会はもう始まっている』 
原著名 : 『GOOD NEWS FOR A CHANGE―HOPE FOR A TROUBLED PLANET』
著 者 : デヴィッド・スズキ ホリー・ドレッセル
翻 訳 : 中小路佳代子 五頭美知
監 修 : 枝廣淳子
イラスト: わたなべろみ
発 行 : 株式会社ナチュラルスピリット 


○明治学院大学国際学部教授・環境運動家 辻信一氏 推薦
○同時通訳者・翻訳者・環境ジャーナリスト、日本の環境情報を英語で世界に発信するNGOジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)共同代表 枝廣淳子氏 監修
○カバー・帯、表紙、本文には、環境に配慮した紙を使用


下記のほか、多数の“グッド・ニュース”を掲載!
● 持続可能な社会を実現するシステム「ナチュラル・ステップ」を採用するナイキの実例
● 環境先進国ドイツで行われる様々な取り組み - 消費者監視団体「シュティフトゥング・バーレンテスト(SW)」、環境にやさしい企業家団体「BAUM」、持続可能な企業づくりを支援する「GLS銀行」、再生可能な「グリーン電力」ほか
● 持続可能型の雇用を創出するNGO「ディベロップメント・オルタナティブ(DA)」「テクノロジー・アンド・アクション・フォー・ルーラル・アドバンスメント(TARA)」の活動
● ザ・ボディショップのアニタ・ロディックが語る環境保全型事業の実態
● メキシコのバハ・カリフォルニアで起きたコククジラ保護運動の顛末
● 世界最大規模の自然保護区、米国アディロンダック州立公園における自然保護
● 生物多様性を守る全体論的経営(ホリスティック・マネジメント)手法――ワシントン州で先住民族ヤカマ族が行う森林管理、オレゴン州の木材会社コリンズ・パイン
● 水をめぐる各地の問題と解決策――ルイジアナ州の牡蠣養殖業、インドのケララ州の漁師たち
● 有毒物質対策――ラブキャナル事件後の国際条約、有害な有機化合物を無毒化するエコ・ロジック社、ドイツでグリーン電力を供給するシェーナウ市民電力会社
● 次世代への環境教育――テキサス大学オースチン校での教育、自然から学ぶ原生自然理解学校


<著者紹介>
デヴィッド・スズキ David Suzuki
生物学者、環境運動家、ジャーナリスト。カナダCBCテレビの「自然は今(The Nature of Things)」シリーズのホストのほか、環境問題の原因と解決策の解明に力を注ぐデヴィッド・スズキ基金の会長を務める。『裸のサルから超種へ(From Naked Ape to Superspecies)』など、30冊以上の著書・共著書があり、ユネスコ・カリンガ科学普及賞、UNEPメダル、グローバル500賞などを受賞。12の名誉学位を持つ。2004年には、国民投票で「現存する最も偉大なカナダ人」に選ばれた。カナダのバンクーバーで、妻と子どもたちと暮らす。

ホリー・ドレッセル Holly Dressel
『裸のサルから超種へ(From Naked Ape to Superspecies)』の共著者であり、20年間にわたってテレビや映画、ラジオのライター及びリサーチャーを経験。CBCテレビの「自然は今(The Nature of Things)」シリーズのほか、「コーラ戦争(The Cola Wars)」や「ピエール・エリオット・トルドーの追憶(Memories of Pierre Elliott Trudeau)」といったドキュメンタリー番組の制作に携わる。グウィン・ダイアーの著名な映画シリーズ「戦争(War)」でもリサーチャーを務めた。カナダのモントリオール近くの農場で、家族、友達、動物たちと暮らす。


『魔女の1ダース』

2006-09-08 22:33:45 | 
以前『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』でも書いたロシア語同時通訳者、米原万里さんの本(残念ながら、今年亡くなられてしまいました)。

この本では、ものすごく哲学的な話や言葉についての洞察など、奥深い話を書かれているのだけど、その例として挙げているエピソードがものすごく面白い。
福島県の山菜の話、キョーレツ!

ひとつ、とても唸らせる話があった。

真冬のシベリア上空を飛ぶ飛行機の話。
なんと、機内の気温がマイナス22度に保たれているという。乗客も乗務員も、飛行機に乗る前、そして降りた後の極寒に耐えうる厚着をしているから、機内でもそのままでいれば大丈夫らしい。
それどころか、暖房などしたら、全員分の分厚いオーバーや帽子の置き場がたりないじゃないか、というわけ。

きわめて合理的。そして、間違いなく、エコ(笑)。
日本の電車、夏の冷房も効きすぎてるけど、冬の暖房も暑いんだよねえ。以前、電車に30分くらい乗って通勤していたときはいつも、電車の中ではコートを脱いでいた。なんか、面倒。さらに、2~3駅だけ乗って降りなきゃいけないときは、いちいちコート脱いでるわけにもいかないし。汗かいたら後で余計寒くなるじゃん、どうせみんなコート着てるんだから、こんなに暖房しなくったっていいんじゃないの~、とよく思っていた。

それをホントに実現している乗り物があったとは、嬉しくなってしまった!


また、興味深そうな本も紹介されていたので、機会を見つけて読んでみたい。
岩田昌征『ユーゴスラヴィア―衝突する歴史と抗争する文明』(NTT出版)
ニキーチン『ニキーチン夫妻と七人の子ども』(暮らしの手帖社)
徳永晴美『ロシア語通訳読本』(日本放送出版協会)


<米原万里『魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章』新潮文庫、2000年>