読了メモ。
・「容器包装プラスチック」と「製品プラスチック」(容リ法の対象外)
・マイクロプラスチック(5mm以下)=「一次マイクロプラスチック」(もともと5mm以下のマイクロサイズのプラスチック。マイクロビーズ《スクラブ》、自動車タイヤの摩耗、合成繊維の洗濯など)と「二次マイクロプラスチック」(もとは5mm以上の大きさのプラスチックだったのものが、海洋中で破砕や劣化によって細かく砕け、5mm以下になったもの)
・プラスチックは基本的に自然に還ることはできない。とすると、使用済みのプラスチックはリサイクルされるか、廃棄されるしかない。
・1950年から2015年の間に生産されたバージンプラスチックの総量83億トンに対して、累積で63億トンのプラスチックごみが発生
・「2050年までに海洋中に存在するプラスチックの量は、重量ベースで魚の量を超える」(2016年、世界経済フォーラム)
・米国カリフォルニア州の沖合にある「巨大な太平洋ごみ海域」(Great Pacific Garbage Patch)
・海洋に入ったプラスチックごみは、全体の94%は最終的に海底に蓄積する
・「プラスチック圏」(有害な藻類やウイルス、微生物の宿となってそれらを移送する可能性のあるプラスチック片の塊)
・プラスチック自体は人体には無害であっても、ビスフェノールやノニルフェノールといった有害な化学物質が添加されていたり、海洋中でPCB(ポリ塩化ビフェニル)などの有害物質を吸着しやすい
・食物中のナノプラスチック(大きさが0.0001mmよりも小さなプラスチック)に関する知識はまだ十分ではない
・「G7海洋プラスチック憲章」(2018年、G7シャルルボワ・サミットで、日本と米国以外が署名)
・「EUプラスチック戦略」(2018年)拡大生産者責任(EPR: Extended Producer Responsibility)
・2021年から使い捨てプラスチックを欧州全域で禁止する法案を可決(2019年、EU議会)
・「供給源としての問題」(化石資源は枯渇する)と「吸収源としての問題」(自然環境では分解されないプラスチックごみ)
・「バイオプラスチック」=「バイオマスプラスチック」(バイオマス資源を原料とする)+「生分解性プラスチック」 たとえば、「バイオマス資源を原料とし、生分解性である」ものもあるが、「バイオマス資源を原料としているが、生分解性ではない」ものや、「従来の石油などの化石資源を原料としているが、生分解性である」ものもある
・水中で分解する生分解性プラスチックの研究・実用化は始まったばかり
・日本では、プラスチック問題は「ごみ問題」なので「環境問題」である、という認識がいまだ主流である。一方、欧州では「産業政策」の一環として位置づけられていると考える。そして、その土台となっているのが「拡大生産者責任」と「サーキュラー・エコノミー」だ。
枝廣淳子『プラスチック汚染とは何か』(2019年、岩波書店)