環境にやさしい?翻訳者日記

環境分野を専門とする地方在住の翻訳者が、自らもなるべくエコなライフスタイルを目指します。がんばりすぎず、ぼちぼちと。

ディカプリオのCM-翻訳者の視点から

2005-11-26 23:47:15 | 翻訳
最近よく流れてますね、レオナルド・ディカプリオのプリウスのCM。

初めて新聞で全面広告を見た時(朝日新聞10/16付)、翻訳がうまいなあ、と思って、とってありました。
(テレビのCMでは、微妙に言葉遣いが違いますが。流れは同じだけど。)

<パラ1>
The question is,
what can you do every day that's both
fun and good for the environment?
ひとつ聞いてもいい?
自分が気持ちいいことと、
環境に気を配ること。
両立するには、どうすればいいと思う?

<パラ2>
Well, the answer is right here: hybrid technology.
ぼくの答えは、このハイブリッド。

<パラ3>
I like to drive a car that makes me feel good.
The truth is, it's both fun to drive and
ecologically friendly. Which is important to me.
クルマに乗るときは、いい気分でいたいんだ。
だから楽しく走りたいし、
自然も大切にしたい。
それって大事なことなんだ、
ぼくにとってはね。

~以下、感想。ちょっと解説?~

<パラ1>
まず、冒頭がうまい。
The question is, とか The thing is, ってアメリカ人がよく使うのを聞くけど、ごく普通に訳すと「ここで問われるのは、……」「要は、……」みたいな感じかな。
それを、「ひとつ聞いてもいい?」と質問形にすることで、読み手に訴えかける形になっている。

それから、bothの処理。both A and Bを、
「AとBの双方を、」と文中で訳すとダラダラした印象になるが、
「AとB。この双方を」みたいに一度切る手は私もたまに使う。
特に、AとBの中身が長い時に便利。
「両立するには」なんて、さらにベターですね。

<パラ3>
最後の「大事なことなんだ、ぼくにとってはね。」の倒置が泣かせる。
レオ様にとって大事なら、私にとっても大事よ~
と目をハートにするファンがあちこちにいるはずである。

彼ももう30歳らしい。なんだかいつまでもタイタニック当時のイメージから抜け出せないけど~。
最近はロハス(lifestyles of health and sustainability:健康と持続可能性に役立つライフスタイル)実践者としてよく聞く。
影響力の大きい人がエコな暮らしに関心をもってくれるのは、世の中への広がりという点で、良いことですね。

椅子買っちゃった

2005-11-12 23:45:03 | 翻訳
ついに、前々から欲しかった仕事用の椅子、買っちゃいました。

今までずっと、リサイクルショップで見つけたごくごく普通の事務用の椅子みたいのを使ってたのですが、
翻訳という仕事上、毎日かなり長い時間腰かけているものだし、
これでもし目・頭・肩・腰の疲れが軽減されたら、もうけものだと思って。
体が資本だもんね。

買ったのは、REMEX JAPAN レメックス・ジャパンの、ナップチェアー(REC-H06AX-BK)。
その名の通り、うたた寝も出来る椅子(「昼寝する」は英語でtake a nap)、
ということで開発されたらしい (_ _;
それはともかく、、、
背面がメッシュなので体にフィットすること、
腰の部分がサポートされていること、
後ろに寄りかかった時に頭が支えられること、
が決め手でした。

今日はまだ数時間しか座ってませんが、なかなか良い感じです。
いつも夕方に仕事を終える頃には、首の後ろを中心に体じゅうがペキペキに硬くなっている気がするんだけど、これからもう少しラクになるといいなあ。

『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

2005-11-11 20:17:02 | 
1960年代にプラハのソビエト学校で子ども時代を過ごした筆者が、当時の出来事と、それから約30年後に当時の友達と再会を果たした時の話をいきいきと描く。

ギリシャ人のリッツァ、ルーマニア人のアーニャ、ユーゴスラビア人のヤスミンカという個性豊かな3人の友達の話を中心に据えているのだけど、それぞれに、中東欧の激動の時代に翻弄され、ままならぬ状況の中で大人になっていった話に、切なさを感じる。

とくに、ヤスミンカ(愛称ヤースナ)の話。
再会当時はユーゴの内戦中。それまで仲良く暮らしていた隣人同士で争う現実に、かなり精神的にまいってしまっている。

私には留学中、ヤスミナという仲の良い友達がいた。
彼女もユーゴスラビア人。
英語ではJasminaと綴っていたけど、もしかしたら、母語では「ヤスミンカ」の発音に近かったのかもしれない。
専攻は、私と同じ平和学。当然、彼女の人生もあの内戦によって大きな影響を受けていた。
卒業後しばらくは手紙のやりとりをしていたのだけど、忙しさにかまけているうちに、もう連絡がつかなくなってしまった。
彼女にものすご~く会いたくなってしまったなあ。でも、一体どうしたらいいのかなあ。
この筆者が30年という時を経て、しかもあの激動の時代を経ても、ちゃんと3人を探し当てたのは、本当にすごいと思う。

筆者の米原真理さんは、ロシア語通訳者。
さすが言葉を扱うプロだけあって、ものすご~く語彙が豊富である。
と人ごとのように言ってる場合ではなく、私も精進せねば。

<米原真理『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』角川書店、2001年>

仕事の後の爽快感

2005-11-10 23:35:40 | 翻訳
今日で、2カ月くらい続いていた仕事が一段落。
内容はおもしろかったけど、あまりに長いので、途中からかなり飽きてきてしまった。
締切日になんとか終わらせることができて、何より。

それにしても、この一仕事終わった後の爽快感は格別である。
この喜びがあるからこそ、また次の仕事の打診が入ると、「ええ、喜んで!」と二つ返事で引き受けてしまう。

きっとお酒が飲める人は、ここで、カーッと飲むんでしょうねえ。
アルコールに弱い私の場合は、極上のコーヒーかフレーバーティーにお菓子、ということになる。
う~ん、良い香り!! サイコー!!


ところで、翻訳という仕事の一番気に入っている点は、マイペース型の私にぴったりなこと。

仕事を受ける時に先方のご希望をしっかり伺っておくことと、
納期にはきっちり間に合わせること。
この2点さえ気を付ければ、その間は完全に自分のペースでできる。
初めはのんびりやりながら、納期直前に滑り込みセーフ!
であっても、品質さえきっちり保てれば、それで万事OKである。

もちろん、絶対に品質を落としてはならない。これは最低条件。
常に美しく仕上げなければならない(見た目の話ではないよ。文章として、ということ)。
ありがたいことに、同じクライアントさんから繰り返しご依頼をいただいているので、幸いなんとかこの点はクリアしているようである。

とりあえず明日は、コンピューターから離れて目と肩を休めることにして、
また来週月曜から次の仕事にとりかかろうっと。
これまたありがたいことに、そもそも9月にご連絡をいただいたのだけど、今日納品の仕事で手一杯だと返事したら、それが終わる時期に合わせて発注をしてくださった会社のお仕事である。
あともうひとつ、1年近く前に翻訳してあった本の校正がいよいよ始まりそう。来春出版かな。