8月31日(木)午前
第10回講座「タンパク質の一生 コラーゲンってなに?」
講師:JT生命誌研究館 館長 永田和宏さん
場所:JT生命誌研究館
生命とはなにか、生命のおおもとになっているのはタンパク質です。
タンパク質は食物として大切なだけでなく私たちの細胞をもっとも小さな単位とした生命の営みそのものを担う大切な働き手なのです。
細胞説の歴史、細胞説の確立、細胞の構造や働き、細胞の寿命、腸内細菌について分かり易く説明して頂きました。
※2013年に体の細胞数60兆個が否定され37兆個となる。
タンパク質の一生
1誕生=合成
DNA、転写、mRNA、翻訳、ポリペプチド
2成熟=フォールディング
タンパク質の階層、フォールディング、分子シャペロン
3赴任=輸送
荷札、輸送機構(門の開閉、膜透過、小胞輸送)
4死=分解
分解の目印、分解工場、個別分解と一括分解
品質管理を間違ったり、不良品が出過ぎて処分すべきタンパク質を適切に処分出来なくなると種々の病気が起こることになります。
コラーゲン
身体の中の全タンパク質重量の3分の1を占める。
組織によってコラーゲンの型が異なり28型がある。
発生に必須の大切なタンパク質でありそれが作れなくなるような突然変異などによりさまざまな病気になる。
コラーゲンに結合するタンパク質として発見されたHSP47は「コラーゲンだけに特異的に働く分子シャペロン」である。
HSP47の合成を抑制し線維化疾患(肝硬変等)を抑える治療法やHSP47がコラーゲンと結合されない薬の開発を試みている。
美容や健康に効果があるとしてコラーゲン入りの食品を摂取したところで胃でアミノ酸に分解された後栄養素として再利用されるのでコラーゲンの形のまま吸収されることはないとのことでした。
午後
第11回講座「JT生命誌研究館の見学」
講師:JT生命誌研究館 職員
場所:JT生命誌研究館
3班に分かれて説明を受けながら収録展示や館内を見学しました。
生命誌絵巻
扇の要は38億年前ここで生命が誕生しました。
生命誌の階段
4階の食草園を見学、チョウの仲間が食草を変えては分かれるを繰り返して多様になってきたと考えられることやチョウの成虫が前脚で葉をたたいて(ドラミング)食草を見分けて産卵する等興味深い話を聞くことが出来ました。
食草の例 エノキ(ゴマダラチョウ)、ジャコウアゲハ(ウマノスズクサ)、カタバミ(ヤマトシジミ)、クスノキ(アオスジアゲハ)、イヌビワ(ルリシジミ)、アシタバ(キアゲハ)、ミカン(ナミアゲハ)等
いろんな角度から楽しめるユニークな展示が多く再訪したいとの感想が多くありました。
その後4時半から第1回懇親会が開催されました。
次回は9月7日(木)午前 第12回講座「植物が見せる不思議な世界」
午後 第13回講座「多様な水草の世界を知ろう」です。