ポーランドからの報告

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ポーランド美人 III

2006年09月30日 | 一般
ワルシャワで行われたミス・ワールド大会はチェコ代表が優勝しました。
日焼けした肌にブロンドの髪の典型的なスラブ美人です。

ポーランド人にとって、日焼けした肌にブロンド・ブルーアイの女性は「正統派美人」である一方で、「バービー人形みたいにかわいいだけでオツムがない」というやや小馬鹿にしたイメージがあります。(この場合バービー人形は悪口。例えに出して悪いですがパリス・ヒルトンみたいな感じ)

ですので、今回のミス・ワールド決定を受けてポーランドのポータルサイトに寄せられた意見も賛否両論で、「やっと正統派美人が勝つべくして勝った」というブラボーの書き込みが見られるかと思えば(ミス・ポローニアは毎年ブロンド美人を制して黒髪美人が選ばれるから?)、一方で「どこにでもいるバービー人形」との批判も多数ありました。


ところで学校の生物の授業では、「青色が劣勢、黒・茶色が優勢なので、片親が茶色の目だと淡い色の目の子供は生まれない」と習いますが、それは中学生や高校生にもわかるように単純化しているだけで、実際には遺伝のシステムはそんなに簡単ではありません。私の周囲を見渡しても、ポーランド人夫婦で片親が茶色の目でもグリーンアイやブルーアイの子供が普通に生まれますし、日本人とポーランド人(やその他白人)の夫婦でも淡い色の目の子供が生まれています。

というのは青目・緑目というのは青い色素・緑の色素を持っているのではなく、メラニン色素の量が目の色を決定するから で、目の色の表現型は、メラニン色素の多い順に、

黒>茶色>ヘイゼル>グリーン>ブルー

となっています。青い目の人は、メラニン色素の量が少なく、メラニンの小粒子が短波長の青い光を散乱し、長波長の赤い光をあまり散乱しないために、目の色が青く見えます。一方でメラニン色素の量が多いと、入射光の大部分が吸収されて、茶色や黒色の目になります。

ポーランド人がモルスキエ・オコ「海の瞳」の綺麗な青緑色を目の色に例えたのは言いえて妙ですが、実際には、青い瞳は海の青より、空の青と同じレイリ-散乱による青です。

白人の赤ちゃんの多くは、生後すぐは深い群青色の目をしており、生後1ヶ月くらいでブルー・グリーン・ブラウンなどの色が出てきます。また子供のうちと成人してからで目の色が変わったりしますし、日照量によっても見かけの色がかわります。これも新生児や幼児はメラニン色素を作る能力があまりなく、成長するにつれてメラニン色素が増えてくるからです。

というわけで白人夫婦で片親が茶色の目でもメラニン色素の微妙な量加減によりグリーンアイやブルーアイの子供が生まれますし、日本人と白人の混血の子供でも淡い色の目の子供が生まれることがあります。もっとも日本人の目の色自体、黒色からヘイゼルまで実に幅広く、一概に日本人と一くくりにできないほどの個人差があるのですが。

ちなみに我が家は夫(ブルーグリーン)、私(薄茶色)で娘はヘイゼルアイです。娘の場合も生後すぐは群青色の目で、一ヶ月くらいからヘイゼルの色が出てきました。ヘイゼルとは緑と茶色の中間くらいの色で、暗いところでは茶色、明るいところではグリーンになります。ポーランドではヘイゼルアイはわりと珍しいので、周りのポーランド人に、その目の色は何色かとよく聞かれます。

目の色の話題はポーランド人が好む話題です。ポーランド美人を見かけたら、とりあえず「あなたの目の色は綺麗ですね」と声をかければ会話が弾みます。私も日本にいるときは目の色のことなどまったく意識していなかったのですが、もともとマスターでは遺伝と進化が研究テーマだったということもあり、ポーランドに来てIDカードに目の色を記入したり、あちこちから目の色について聞かれたりするうちに、気になるようになってしまいました。


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ポーランド美人 II

2006年09月30日 | 一般

ポーランド人には、きれいな青い色=「スラブ民族のきれいな青い瞳」のイメージがあります。「Ładne Słowianskie Oczy」とはブルーやグリーン色の目をほめる言葉です。

ポーランド南部のリゾート地・ザコパネに モルスキエ・オコ(Morskie Oko) という湖があります(写真)。モルスキェ・オコとは、ポーランド語で「海の瞳」と いう意味で、その湖水の色が、まるで青い瞳のように美しいことから「海(色)の瞳」の名前がつきました。湖水の色は、もちろん実際には青一色ではなく、季節・天候・水深などによって、青色や緑色、エメラルドグリーンなど、さまざまな色合いになり、それがまたモルスキエ・オコの魅力といわれています。

しかしポーランド人同士でこのモルスキエ・オコの話題になると、決まって「モルスキエ・オコの湖水の色はともかくとして、青い色の目が好きだ」という話になります。とにかくブルーアイということに関しては、ブロンドの髪同様、相当な性選択があります。

  

ちなみにポーランド人の目の色のタイプは、ブルー(ブルーグレー):グリーン:ヘイゼル:ブラウン=3:5:1:1くらいです。もちろんこれは私の見た感じなのですが、目の色に関しては政府統計があるはずです。なぜならポーランド人全員が携帯する身分証明書に目の色の欄があるからです。

この目の色のタイプは地域によって差があり、古来プロイセン人が住んでいた北部のバルト海沿岸地域や、東部のベラルーシ近辺はブロンド・ブルーアイの割合が高くなるようです。


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ポーランド美人 I

2006年09月30日 | 一般

ポーランドは美人の多い国として知られています。スラブ系、ゲルマン系、バルト系、ユダヤ系など古来より幾多の民族が共存してきたことに加え、16世紀のロシア軍・スウェーデン軍の襲来に代表されるように、戦乱がたえない土地であったため、さまざまな民族の血が混じり、世界でも有数の美人の産出国になったといわれています。

18世紀から19世紀にかけて、大量のポーランド人移民がヨーロッパ他国やアメリカに渡ると、ポーランド美人の存在が広く知られるようになりました。19世紀フランスで人気の美人女優の出身を調べたら皆ポーランド系だったというエピソードは有名ですし、最近ではアメリカの女優 リーリー・ソビエスキー(ちなみに彼女は王族の家系で、ヤン・ソビエスキ王の8代目の子孫!)などがポーランド系です。ポーランド系の人は~スキ・~スカという苗字が多いのですぐわかります。



そんなポーランドでは、どんな人が美人なのかというと、つきなみですがブロンドの女性が好まれます。そしてブロンドの人はたいてい目の色もブルー・グレー・グリーンなど淡い色ですので、まさに日本語でいうところの金髪碧眼という容姿が好まれます。

たとえばポーランド語では、金髪の人のことは、金髪の男性・ブロンディン(Blondyn)、金髪の女性・ブロンディンカ(Blondynka)といい、単なる男性・女性と区別して話します。このブロンディン・ブロンディンカはそれだけでほめ言葉で、話題にしている人が金髪である場合は、必ずといっていい程そのことに言及します。東大生のことをつい「あの東大生」と事あるごとに言ってしまう感覚に似ているかもしれません。

ポーランド人に占めるナチュラル・ブロンドの割合は、成人男性で3割、成人女性で2割くらい。街で見た感じなのでなんともいえませんが、男性のほうが多いです。また子供のころブロンドでも成長してから髪の毛の色が暗くなる人も多いので、成人しても綺麗な淡いブロンドの髪を持つ女性は、それだけで男性の憧れの的です。

ちなみに男性の場合、黒めの髪の人(ダークブロンドかシャタン・アッシュ)がよいとされます。ブロンドの女性、黒髪の男性、ブロンドの子供、というのがポーランド人の考える理想の家族像で、テレビCMなどにもこの組み合わせで登場します。


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ミス・ワールド大会

2006年09月30日 | イベント

今日30日ワルシャワで ミス・ワールド大会 が開かれます。

連日メディアをにぎわせていたのでご存知の方も多いかもしれませんが、このミス・ワールド大会の開催をめぐっては一大スキャンダルがあり、一時は開催そのものが危ぶまれていました。

というのも、このミス・ワールド大会は、ミス・ポローニア社主催・ポーランド政府公認での開催が決まっていたのですが、その後不透明な金の動きがあり、2人も逮捕者が出ました。さらに7月に首相がマルチンキエヴィチ前首相からヤロスワフ・カチンスキ新首相に交代すると政府公認が取り消され、一気に資金繰りが付かなくなってしまったのです。このままでは資金難から大会の開催が不可能になるということで、結局ミス・ポローニア社がミス・ワールド社に開催許可費用を値切りにいく始末に。。「汚職まみれのポーランド」を対外的にも印象つけるスキャンダルとなってしまいました。

ポーランドの汚職問題については、今後も当ブログで紹介していきますが、まずはこんなジョークをお楽しみください。

  100ズローチ 盗むのは泥棒、100万ズローチ盗むのは政治家


ところで、今年のポーランド代表(ミス・ポローニア優勝者)は この方 です。ミス・ポローニア決勝大会で、数いるブロンド美人を制してただ一人の黒髪美人マジェーナさんがミスの冠を制しました。 正直「う~ん、この人?」という感じがしましたが。。

というのも、日本人が色白美人を好むように、ポーランド人も容姿の好みははっきりしており、やはりブロンド・ブルーアイの女性が人気があります。そういうわけで、毎年ミス・ポローニア大会の決勝にもブロンド・ブルーアイの人が多数残ります。今年も大会ファイナルでブロンド女性が多数残っていたので、ブロンドのミス誕生かな~と思いきや、黒髪のマジェーナさんがミスに選ばれました。

興味深いのは、決勝にどんなにブロンド美人が揃っていても、ミスの冠を勝ち取るのはほぼ決まってブルネットか黒髪の人なんです。ここ数年ずっとその傾向にあります。しかも歴代ミス優勝者は、本当に美人の人もいれば、中には「え?」という人も。。。ミス・ポローニア大会主催者の親戚とかそんなんでなければいいんですけど。なにせミス・ポローニア大会の周囲で不正とワイロが横行しているのは、すでに今回のミス・ワールド大会開催の段取りのお粗末さ加減で証明されていますし.....

ちなみに例年必ずブロンド美人を出してくるクロアチア・スロベニア・マケドニアなど旧ユーゴ各国も、今年のミス大会には黒髪美人を出しており意外でした。なにか流行りとか国同士の取り決めでもあるんでしょうか!?とりあえず今日のミスワールド本選に注目したいと思います。


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首都ワルシャワ II

2006年09月29日 | 観光ガイド

ワルシャワは東欧の大国の首都として、社会主義時代から数々の国際会議やイベントなどが開かれてきた街です。

観光の見所は、旧市街と旧王宮、クラクフ郊外通りと新市街、文化科学宮殿、ワルシャワゲットー跡、サスキ公園、ワジェンキ公園などです。見所が分散しているので、要領よく見てまわらないと、やや散漫な印象になるかもしれません。英語ガイド付きの混載バスでまわる半日市内観光が大変便利です。

  
  
  

王宮前広場や文化科学宮殿前広場では、コンサートなど数々のイベントが開かれます。大型ショッピングセンターも沢山あり、モードやファッションの流行もワルシャワから始まります。去年夏は 牛パレード が来ていました。

現在は ミス・ワールド本選 を明日30日に控えて世界各国のミスが滞在しているため、世界で一番美女の多い街となっています。


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首都ワルシャワ I

2006年09月28日 | 観光ガイド

ポーランドの首都ワルシャワは、政治、経済、文化の中心で、ポーランド全体をリードする街です。地理的にもちょうどポーランドの中心(やや東よりですが)に位置し、グダニスク、トルン、ポズナニ、ヴロツワフ、カトヴィツェ、クラクフ、ウッジ、ルブリン、ザモシチ、ビヤウィストクなど国内主要の街に電車で2~3時間で到着することができます。

ワルシャワ中央駅に降り立ち地上出口に出ると、まず目に入るのが、なにやらでーんとそびえたつ建物。スターリンからの贈り物として建設された文化科学宮殿です。当時高層建築のなかったワルシャワの街にはおよそ不釣合いで、建築当時からワルシャワ市民に評判悪く、「スターリンの立てた共産主義の墓石」「ワルシャワでもっとも景色がよい場所は文化科学宮殿のてっぺんだ。なぜなら文化科学宮殿が見えないから」などとさんざん揶揄されてきました。一時は取り壊す案も出ましたが、その後周辺にも高層建築が立てられ、なんとか調和のとれた街並みになりました。宮殿の内部にはテレビ局や大学、カルチャースクール、バー、ナイトクラブなど多数のテナントが入っています。

   

ワルシャワの街を歩いていると、スモールライトを浴びてスケールが縮んでしまったような、そんな気分になります。まずイェロゾリムスキエ通り、マルシャウコフスカ通りをはじめ道路の幅が広すぎ、そして文化科学宮殿が場違いに馬鹿でかく、しかも街のどこからでも目に入るため、文化科学宮殿が近いのかと思って歩いてしまうと結果とんでもない距離を歩いてしまうことになり。。。そんな距離感が狂う街です。


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アメリカンスタイルとヨーロピアンスタイル

2006年09月27日 | ホテル

ヨーロッパのホテルは、通常アメリカンスタイルの大手チェーンホテルとヨーロピアンスタイルのホテルの二つに大きく分かれます。

クラクフにあるホテルでは、アメリカンスタイルは、ヴィスワ河沿いに建つシェラトンを筆頭に、ラディソン、ホリデーインなどが人気のホテルです。一方ヨーロッパスタイルのホテルでは、ホテル・コペルニクスホテル・グルーテック 、アマデウス・ホテル、オストヤパレスホテルなどが高級ホテルとなっています。部屋数がすくなくこじんまりとしているのが特徴です。

  

アメリカンスタイル、ヨーロピアンスタイル、どちらもそれぞれ利点があり、人によって好みが分かれるところですが、一般にアメリカンスタイルの大手チェーンの方が部屋数も多く日本国内に代理店もあるため、予約は取りやすいようです。


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ホテル・コペルニクス

2006年09月27日 | ホテル

カノニチャ通り(ul. Kanonicza)は、クラクフ旧市街でもっとも歴史が古い通りです。円形要塞のバルバカンからフロリアンスカ通り、中央広場、グロツカ通りを経てカノニチャ通りと続く道は、その昔「王の道」と呼ばれ、王様が遠征から帰国した際に居城まで行進した道でした。その最終地点にあたるカノニチャ通りは、目の前にヴァヴェル城を望み、クラクフで一番美しい通りといわれています。

 

そのカノニチャ通りでひときわ古いゴシック様式のファサードが目立つ建物が、ホテル・コペルニクスです。コペルニクスはポーランド北西部の街トルンの出身で、クラクフに上京してヤゲウォ大学で天文学を学びました。 このホテルはかつて16世紀にコペルニクスが滞在していた建物を改装してホテルにしたものです。

料金はツイン1泊35,700円とポーランドの物価水準と比べるとかなりの高額なのですが、ツイン29部屋、アパルタメント8部屋と部屋数が大変少ないため、いつも満室の人気のホテルです。


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ボローニャ旅行記 V

2006年09月27日 | その他のヨーロッパ

ボローニャは北中部イタリア各都市へのゲート都市としての役割も大きい街です。古代ローマやさらに昔の時代から交通の要所であったこの街は、21世紀の現代でも鉄道のジャンクション地点となっており、フィレンツェ、ラヴェンナ、モデナ、ピサなど中部都市をはじめ、ヴェネチア、ミラノ、ローマなどイタリア国内の主要都市へのアクセスが大変便利です。

空の便の場合も同様で、日本からイタリアへ来る場合はローマかミラノがゲート都市となりますが、ヨーロッパ内から北中イタリアへ飛行機で乗り入れる場合、ミラノと並びボローニャがゲート都市になることが多くなります。今回私もクラクフからミラノ路線、ベルガモ路線、ローマ路線、ボローニャ路線を調べましたが、ボローニャ路線がミラノ路線、ベルガモ路線、ローマ路線と比べ格段に値段が安く、予約も簡単でした。市内から8kmの所にあるボローニャ空港も非常に便利で、アエロバス(BLQ)という循環バスで、空港から市内各所まで5ユーロでアクセスできます。

  


次回は年末にパリ旅行の予定。今から楽しみです。


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ボローニャ旅行記 IV

2006年09月26日 | その他のヨーロッパ

ボローニャの街は、ポルティコと呼ばれる柱廊が連なる街並みが特徴です。このポルティコは中世の条例で設置が設けられたもので、強い日差しや雨風を防ぐアーケードとしての機能のほか、住居問題の解決にも役立ちました。

  
    

初期のポルティコは、張り出して建て増しされた2階部分を支える木造の足場のような様相をしていましたが、時代を下るにつれ、ルネッサンス様式の美しいアーケード回廊へと発展していきました。ボローニャの街を歩いていると、初期の木造のものから、ルネッサンス様式のもの、さらに現代風の鉄筋コンクリートビルに設けられたものまで、実にさまざまなポルティコを目にすることができます。

そして圧巻はボローニャ郊外のグァルダの丘。サラゴサ門からマドンナ・ディ・サンルカまで全長3.5kmにもわたってポルティコが続いており、絶景です。


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