ワルシャワで行われたミス・ワールド大会はチェコ代表が優勝しました。
日焼けした肌にブロンドの髪の典型的なスラブ美人です。
ポーランド人にとって、日焼けした肌にブロンド・ブルーアイの女性は「正統派美人」である一方で、「バービー人形みたいにかわいいだけでオツムがない」というやや小馬鹿にしたイメージがあります。(この場合バービー人形は悪口。例えに出して悪いですがパリス・ヒルトンみたいな感じ)
ですので、今回のミス・ワールド決定を受けてポーランドのポータルサイトに寄せられた意見も賛否両論で、「やっと正統派美人が勝つべくして勝った」というブラボーの書き込みが見られるかと思えば(ミス・ポローニアは毎年ブロンド美人を制して黒髪美人が選ばれるから?)、一方で「どこにでもいるバービー人形」との批判も多数ありました。
ところで学校の生物の授業では、「青色が劣勢、黒・茶色が優勢なので、片親が茶色の目だと淡い色の目の子供は生まれない」と習いますが、それは中学生や高校生にもわかるように単純化しているだけで、実際には遺伝のシステムはそんなに簡単ではありません。私の周囲を見渡しても、ポーランド人夫婦で片親が茶色の目でもグリーンアイやブルーアイの子供が普通に生まれますし、日本人とポーランド人(やその他白人)の夫婦でも淡い色の目の子供が生まれています。
というのは青目・緑目というのは青い色素・緑の色素を持っているのではなく、メラニン色素の量が目の色を決定するから で、目の色の表現型は、メラニン色素の多い順に、
黒>茶色>ヘイゼル>グリーン>ブルー
となっています。青い目の人は、メラニン色素の量が少なく、メラニンの小粒子が短波長の青い光を散乱し、長波長の赤い光をあまり散乱しないために、目の色が青く見えます。一方でメラニン色素の量が多いと、入射光の大部分が吸収されて、茶色や黒色の目になります。
ポーランド人がモルスキエ・オコ「海の瞳」の綺麗な青緑色を目の色に例えたのは言いえて妙ですが、実際には、青い瞳は海の青より、空の青と同じレイリ-散乱による青です。
白人の赤ちゃんの多くは、生後すぐは深い群青色の目をしており、生後1ヶ月くらいでブルー・グリーン・ブラウンなどの色が出てきます。また子供のうちと成人してからで目の色が変わったりしますし、日照量によっても見かけの色がかわります。これも新生児や幼児はメラニン色素を作る能力があまりなく、成長するにつれてメラニン色素が増えてくるからです。
というわけで白人夫婦で片親が茶色の目でもメラニン色素の微妙な量加減によりグリーンアイやブルーアイの子供が生まれますし、日本人と白人の混血の子供でも淡い色の目の子供が生まれることがあります。もっとも日本人の目の色自体、黒色からヘイゼルまで実に幅広く、一概に日本人と一くくりにできないほどの個人差があるのですが。
ちなみに我が家は夫(ブルーグリーン)、私(薄茶色)で娘はヘイゼルアイです。娘の場合も生後すぐは群青色の目で、一ヶ月くらいからヘイゼルの色が出てきました。ヘイゼルとは緑と茶色の中間くらいの色で、暗いところでは茶色、明るいところではグリーンになります。ポーランドではヘイゼルアイはわりと珍しいので、周りのポーランド人に、その目の色は何色かとよく聞かれます。
目の色の話題はポーランド人が好む話題です。ポーランド美人を見かけたら、とりあえず「あなたの目の色は綺麗ですね」と声をかければ会話が弾みます。私も日本にいるときは目の色のことなどまったく意識していなかったのですが、もともとマスターでは遺伝と進化が研究テーマだったということもあり、ポーランドに来てIDカードに目の色を記入したり、あちこちから目の色について聞かれたりするうちに、気になるようになってしまいました。
日焼けした肌にブロンドの髪の典型的なスラブ美人です。
ポーランド人にとって、日焼けした肌にブロンド・ブルーアイの女性は「正統派美人」である一方で、「バービー人形みたいにかわいいだけでオツムがない」というやや小馬鹿にしたイメージがあります。(この場合バービー人形は悪口。例えに出して悪いですがパリス・ヒルトンみたいな感じ)
ですので、今回のミス・ワールド決定を受けてポーランドのポータルサイトに寄せられた意見も賛否両論で、「やっと正統派美人が勝つべくして勝った」というブラボーの書き込みが見られるかと思えば(ミス・ポローニアは毎年ブロンド美人を制して黒髪美人が選ばれるから?)、一方で「どこにでもいるバービー人形」との批判も多数ありました。
ところで学校の生物の授業では、「青色が劣勢、黒・茶色が優勢なので、片親が茶色の目だと淡い色の目の子供は生まれない」と習いますが、それは中学生や高校生にもわかるように単純化しているだけで、実際には遺伝のシステムはそんなに簡単ではありません。私の周囲を見渡しても、ポーランド人夫婦で片親が茶色の目でもグリーンアイやブルーアイの子供が普通に生まれますし、日本人とポーランド人(やその他白人)の夫婦でも淡い色の目の子供が生まれています。
というのは青目・緑目というのは青い色素・緑の色素を持っているのではなく、メラニン色素の量が目の色を決定するから で、目の色の表現型は、メラニン色素の多い順に、
黒>茶色>ヘイゼル>グリーン>ブルー
となっています。青い目の人は、メラニン色素の量が少なく、メラニンの小粒子が短波長の青い光を散乱し、長波長の赤い光をあまり散乱しないために、目の色が青く見えます。一方でメラニン色素の量が多いと、入射光の大部分が吸収されて、茶色や黒色の目になります。
ポーランド人がモルスキエ・オコ「海の瞳」の綺麗な青緑色を目の色に例えたのは言いえて妙ですが、実際には、青い瞳は海の青より、空の青と同じレイリ-散乱による青です。
白人の赤ちゃんの多くは、生後すぐは深い群青色の目をしており、生後1ヶ月くらいでブルー・グリーン・ブラウンなどの色が出てきます。また子供のうちと成人してからで目の色が変わったりしますし、日照量によっても見かけの色がかわります。これも新生児や幼児はメラニン色素を作る能力があまりなく、成長するにつれてメラニン色素が増えてくるからです。
というわけで白人夫婦で片親が茶色の目でもメラニン色素の微妙な量加減によりグリーンアイやブルーアイの子供が生まれますし、日本人と白人の混血の子供でも淡い色の目の子供が生まれることがあります。もっとも日本人の目の色自体、黒色からヘイゼルまで実に幅広く、一概に日本人と一くくりにできないほどの個人差があるのですが。
ちなみに我が家は夫(ブルーグリーン)、私(薄茶色)で娘はヘイゼルアイです。娘の場合も生後すぐは群青色の目で、一ヶ月くらいからヘイゼルの色が出てきました。ヘイゼルとは緑と茶色の中間くらいの色で、暗いところでは茶色、明るいところではグリーンになります。ポーランドではヘイゼルアイはわりと珍しいので、周りのポーランド人に、その目の色は何色かとよく聞かれます。
目の色の話題はポーランド人が好む話題です。ポーランド美人を見かけたら、とりあえず「あなたの目の色は綺麗ですね」と声をかければ会話が弾みます。私も日本にいるときは目の色のことなどまったく意識していなかったのですが、もともとマスターでは遺伝と進化が研究テーマだったということもあり、ポーランドに来てIDカードに目の色を記入したり、あちこちから目の色について聞かれたりするうちに、気になるようになってしまいました。