ポーランドからの報告

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ビゴス論

2007年03月23日 | ポーランド料理

ビゴス(Bigos)は起源も古く伝統のあるポーランド料理です。

酢キャベツ(サワークラフト)に、豚肉・牛肉、きのこやスパイス、たまねぎ、プルーンなどを加え、大鍋で煮て作ります。適宜スパイスや野菜を足しながら何回も煮込むのが伝統的な作り方で、キャベツがくたくたになるまで2・3日じっくり煮込むのがポイントです。煮込めば煮込むほど美味しくなるといわれ、「ビゴスは二日目からがおいしい」といわれています。

   

 [写真]狩猟人風ビゴス

ビゴスにまつわるこんなエピソードがあります。今からおよそ3年前、EU加盟を目前に控えた2004年4月下旬、レストランでビゴスが出せなくなるのでは、との懸念がメディアをにぎわせました。ビゴスの調理方法がEUの食品衛生基準に合わないので、ポーランドEU加盟後はレストランのメニューから外すようにEUが決定したというのです。

もちろんポーランド人は大反発!「ポーランドの伝統に根付いている料理をポーランド人が食べることをEUが禁止する権利はない。」EU加盟の日まで、メディアを中心に議論や憶測が飛び交いました。結局、一転して加盟後もレストランでビゴスを出してよいことになり、5月1日ポーランドは晴れてEU入りの日を迎えたのでした。

アダム・ミツキエヴィチの代表作『パン・タデウシュ』にも記述があるように、ビゴスはポーランドの伝統料理の代表格です。世界中どこにいてもポーランド人はビゴスが恋しくなります。2005年の愛知地球博でも、ポーランド館のレストランでビゴスを出して大好評でした。


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ジューレック論

2007年03月10日 | ポーランド料理

ポーランドの代表的な料理の一つに、ジューレック(Żurek)があります。発酵させたライ麦をベースにしたスープで、ソーセージにハム、ゆで卵、じゃがいもなど、具が沢山入っています。同じく発酵食品である味噌汁に似たような、それでいて豚骨スープのようなコクがあります。

ポーランド人にとって、一番美味しいジューレックとは、もちろんお母さんが子供の頃から作ってくれた、お袋の味。なのでそれぞれ美味しいと感じる基準は多少違ってきますが、旅行者の方は、とりあえず有名レストランチェーン店 フォプスキエ・ヤドゥオ-Chopskie Jadło のジューレックが、一番美味しいと思っておくと間違いないです。

  

それにしても、ジューレックほど作る人によって味が変わる料理もめずらしいです。有名なレストランで食べるジューレックは本当に美味しくて、何杯でもおかわりしたいくらい「はまる」味なのに、安い店で注文したジューレックは、全然美味しくありません。しょっぱすぎたり、油っこ過ぎたり、はっきり「まずい」といえるレベルまで味が落ちることもあります。ちょっとしたさじ加減で大分味が変わってしまう料理のようです。

そして一般に「ジューレックが美味しいレストランは、他のメニューも美味しい」と思うと、結構あたりはずれがありません。ただこれはポーランドで一般に言われていることではなく、あくまでも私の自論ですので、皆さんもぜひ検証してみてください。


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