ポーランドからの報告

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The Incredible Popeman -超人ポープマン

2007年02月23日 | こぼれ話

ポーランドが生んだ偉人、ヨハネ・パウロ二世は、逝去されてから一年10ヶ月たった今もなお、ポーランド人に深く愛されています。

なんとそのヨハネ・パウロ二世を主人公にしたコミック(!)なるものがあるそうです。『超人ポープマン』 (西語:El Increíble Homopater、英語:The Incredible Popeman)というコロンビアの漫画で、前代ローマ教皇のヨハネ・パウロ2世が、逝去後にスーパーヒーローとして転生し、超能力を使ってサタンなどの暗黒集団と戦う、という趣旨の漫画だそうです。

   

この漫画は、一昨年4月の法王逝去後すぐにコロンビアで出版されるや、世界中から各方面から驚きと関心を持って注目されました。原作者のロドルフォ・レオン・サンチェスさんによると、反応はおおよそ好意的ということで、アメリカ、メキシコなどからも刊行の依頼があったが、とりあえずまずは外国刊行版の第一弾として、ポーランドでの刊行を予定しているのだそうです。

ちなみにポーランド版、まだ刊行されていません。敬虔なカトリックの国ポーランドで、こういう趣旨のコミックが果たして受け入れられるどうかは、正直なところ未知数。第一に、ヨハネ・パウロ二世に傾倒している世代(中高年が中心)と、コミックを読む世代(若者)が重なっていないし、カトリック教会勢力の反発も予想されるため、そうオイソレともいかない気がしますが、果たしていつ刊行されるか、要注目です!ちなみに私個人的には、ポーランド語版などとひねらずに、すんなり英語版や日本語版を出したほうが、ビジネスとして成功するように思います。とくに日本など元々コミックスの巨大な市場があるし、ストーリーさえ面白ければ、主人公がヨハネ・パウロ二世であろうがなかろうが、ヒットするんではないでしょうか? とりあえず Wikipediaなどではすでに注目されているみたいです。


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修復工事 V

2007年02月11日 | こぼれ話

ヴィスワ川の南岸に聳え立つ巨大な建物、これは一体なんなの?

共産主義時代には最高級ホテル「ホテル・フォーラム」として栄華を極めていたこの建物も、もはや廃墟となって数年が経ちます。ヴィスワ川河川敷という土壌的に不安定な場所に建設されたため、老朽化とともにコンクリートにヒビが入るようになり、数年前から営業中止になりました。(地震がない国ポーランドでは、基礎工事の時に少ししか地下を掘らないそうですが、それも原因でしょうか?)予算の面から修復工事にも耐え得ないと判断され、もう何年も廃墟のままの状態が続いています。

  

クラクフの旧市街はヴィスワ川北岸部部のみに広がり、南岸部は住宅地や工業地となっているため、旧市街側からヴィスワ川を見渡しても、よいパノラマが望めません。(こちらの記事も参照) その最たるものがこの廃墟で、あまりにも酷いということで、広告幕で覆ったりしているのですが、いやはや哀れ。なんとかならないものでしょうか。


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定年後のセカンドライフ③-海外不動産投資

2007年02月04日 | こぼれ話

長期滞在にはビザが必要になりますが、なんでもポーランド大使館によると、それでも半年以内であれば、実質ビザは必要ないそうです。(ビザなしでの滞在は法令により三ヶ月以内ですが、三ヶ月を超えないように定期的に隣国のスロバキアやチェコなどに出かければOKです、とのこと。なんかいい加減のようにも思いますが、ビザ発行が面倒くさいのでしょうか.. )

  

さて長期滞在が決まったら、まずは住むところ探しですが、ありがたいことにポーランドでは、外国人の長期滞在者も、パスポートひとつで賃貸住宅を借りることができます。こちらの賃貸物件は家具つきの物件も多く、さらには光熱費・電話代・インターネット代込みの所も結構あります。というわけで、日本のウィークリーマンションのようになんでもそろった物件が、1ヶ月単位から借りられます。

あるいは長期滞在を決めたら、早々と不動産を購入してしまうという手もあります。ポーランドでは、田舎の方であれば、庭付き一戸建てが500万円くらいで買えます。北東部の湖水地方(マズーリ地方)に、コテージ・湖つきの土地を1000万円で購入した方もいるそうで、日本では考えられない破格のお値段の不動産が、まだ沢山残っています。海外長期滞在の夢をかなえ、さらには不動産投資で資産運用もできてと、かなりお勧めです。そして日本人はマナーがよいことが知られているので、不動産業界でも日本人の顧客はありがたがられています。ただ最近のズローチ高もあり、ポーランドは以前ほど「格安の国」ではなくなりました。2004年のEU加盟以来、不動産価格はここ二・三年で、三・四倍に跳ね上がっています。それでもユーロ導入(早くても2009年)までが、不動産購入のラストチャンスと言われています。


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定年後のセカンドライフ②-海外長期滞在

2007年02月03日 | こぼれ話

昨日もご紹介した NRI「団塊世代のセカンドライフに関するアンケート調査」 についての記事を引き続き。定年後にしてみたいことの第七位は「海外長期滞在」なのだそうです。実はこんな話があります。先日アメリカのメディアが「定年退職後に住みたいところ」のアンケートを行ったところ、なんとポーランドのクラクフが第一位になったのだそうです。確かに、第二次世界大戦の戦火を奇跡的に逃れた町並みは、ユネスコ世界遺産に指定されているほどに大変美しとあって、海外長期滞在先として、クラクフをはじめとするポーランドの街が注目されているのだそうです。

  

海外長期滞在というと、日本では伝統的にアジア方面、タイやインドネシア、オーストラリアなどが定番となっていますが、実はヨーロッパの中でも、ポーランド・ハンガリーなど中欧の国々は、長期滞在がしやすい国です。

まず第一に食料品が非常に安く、スイカ一玉150円、イチゴ1kg120円など、健康的な生活を送るにはもってこいです。チーズや生クリームなどの乳化製品、そしてハムやソーセージなどの肉類がおいしいことでも知られています。定年後のセカンドライフを送るのに、確かに「中欧」は意外な穴場ともいえます。特にポーランドは、もともと親日感情の強いお国柄に加え、さらには数年まえから付近への日本企業の進出も相次いでいるとあって、日本人が住みやすい国ではないかと思います。(ただもちろんアジア諸国ほどの割安感はありません。車などの工業製品、電化製品などは日本とそうかわりませんし、光熱費は逆に日本より高くつく場合もあります。)


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定年後のセカンドライフ①-「穴場」としての中欧旅行

2007年02月02日 | こぼれ話

先日ご紹介した 野村総合研究所(著) 『2010年の日本』 に、またまた面白いデータが出ていたのでご紹介します。

   

2010年の日本―雇用社会から起業社会へ


NRI「団塊世代のセカンドライフに関するアンケート調査」 によると、定年後にしたいことの第一位が「国内外への旅行」なのだそうです。「鉄道やフェリーで諸国漫遊の旅をしてみたい」など、セカンドライフをはじめるにあたってしてみたいことに「国内外への旅行」をあげた人が、実に68%と他を引き離してダントツの一位という結果になりました。

特に今年2007年から2010年にかけては、戦後のベビーブーマー時代、いわゆる団塊の世代が一斉に定年を迎える時期です。その数およそ700万人、その退職金だけでも、50兆円といわれています。最近は円安・ユーロ高や石油高からの航空運賃の高騰などで以前に比べ海外旅行がし難くくなりましたが、それでもいまだ日本は経済大国であることがわかります。したがってこのアンケート調査の通り、今年あたりから定年退職者の旅行が格段に増えてくるものと予想されます。現役のころ仕事に追われてしたくてもできなかったことを、時間がたっぷりある今、思う存分にしてみたいという人は、大変多いのです。

しかしこれら団塊世代のシニアトラベラーが、これから限られたところに押し寄せると、旅行先の国でいたるところ日本人だらけということにもなるかも知れません。例えば気軽に行ける旅行先、例えばヨーロッパならスペインやフランス、またはスイスや北欧の保養地などには、日本人旅行客が殺到することが予想されます。別に各地で日本人だらけでも、悪くはないとは思うのですが、ここはせっかくだから、旅行の「穴場」にでかけてみるのもよいのではないでしょうか?

というわけで今日は、この場を借りまして、改めて「旅行の穴場」としてのポーランド旅行を、皆様にお勧めしたいと思います。

かつて「鉄のカーテンの向こうの未知の東欧の国」であったポーランドも、90年代に体制が変わり、いまや新しく「中欧」として生まれ変わりました。そこでぜひ、日本人の旅行客の方に、ポーランドを訪れていただきたいと思います。国内に13のユネスコ世界遺産を抱え、ヨーロッパでは有名な観光大国であるポーランドも、残念ながら隣国のチェコやハンガリー、ドイツと比べ、まだまだ日本人観光客の間では知名度が低いようです。ヨーロッパ旅行の「穴場」としての、ポーランドの魅力について、沢山の皆さんに知ってもらえたら、と思います。


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修復工事 IV

2007年02月01日 | こぼれ話

写真は、スピルバーグ監督の大ヒット映画「シンドラーのリスト」の舞台となった、クラクフ・ポドグジェ地区の古工場です。ここも昨年秋から修復工事が行われており、見学できる場所が制限されていました。

この修復工事、当初は昨年12月末で終了の予定でしたが、今日久しぶりに訪れてみたら、まだ工事中でした。なんでも2月20日くらいまでは長引きそうとのことです。それでもなんとか一部は工事が終わったようで、今日は中に入れてもらえることができました。(昨年中は、警備員さんのいる入り口付近しかみられませんでした。)

   
   

中に入って、あまりの変わりようにびっくり。というか正直、ややがっかり。。修復工事とは聞いていたけど、変わりすぎです!!皆さんも、写真を見比べてみてください。上がビフォア、下がアフターです。映画のシーンでも使われた、有名な入り口の階段は、一面アイスブルーに塗られていて、ペンキのにおいがまだぷんぷん漂っていました。なんというか、戦時中の建物という感じがしなくなってしまったように思うのですが..

   
   

こちらは2階にあるシンドラーの執務室です。ここも壁のペンキが塗りなおされ、新たに大きな窓がつけられた他、床のフローリングも新装されました。もっともこの執務室は、元々シンドラーが使っていた時代には窓があったのを、戦後に塞いでしまったので、今回の修復工事でオリジナルの状態に戻ったことになります。

それにしても.. 多分、好き嫌いの問題なのでしょうが、私個人的には、「修復工事前の方が、雰囲気があってよかったのに」と、とても残念に思います。一言でいうと「古工場」のイメージがすっかりどこかへいってしまった、という感じです。


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ポーランドで運転免許をとる ①

2007年01月30日 | こぼれ話

実は昨年から自動車教習所に通っていたのですが、先日ついに運転免許を取ることができました。というわけで「こぼれ話」編の第一回のテーマは、『ポーランドで運転免許を取る』です。

自動車教習所の経営は、車と教室スペースさえあれば簡単にできるビジネスのため、今ポーランドには、実に沢山の自動車学校(Szkoła Jazdy)があり、その中から値段や立地などの条件のよいスクールを自由に選ぶことができます。自動車教習所、および教習車は青字のLのマークがトレードマークですが、街中のいたるところにこのL字マークがあふれています。

   

私の自動車教習所通いは、ふとしたことから始まりました。クラクフ郊外の私の家から徒歩5分のところに、普通の民家なのに青字にLの教習所マークの看板がついているおうちがあり、「え!?ここが教習所なの?」といつも不思議に思っていました。どっからどこを見渡しても普通の住宅地だし、所内の練習コースらしきものも一切みあたらないし..(後でわかったのですが、日本のように所内で練習してから公道へ、ではなく、ポーランドではいきなり路上スタートのため、どこでも自動車教習所が開けるのためです。)

去年あたりからそろそろ運転免許を取りたいと思っていたので、5月半ばのある日、散歩で前を通ったさいに、お家の人に「免許取りたいんですけど..」と尋ねてみました。するとなんとその日から始められることになったのです!

本当は5月4日から始まっていたコースだったので、いきなり学科の三回目からの途中参加となりました。しかもまだ全然お金を払っていないのに、教科書をもらい、授業を受講できました。(この辺がポーランドらしくて好きです!)授業料はテキスト代など込みで全部で1200zl、200zlの6回払い、支払い時期はいつでもOKとのこと。とうわけでこんな感じで半ば強引に、気が付いてみたら自動車教習の日々がスタートしてしまいました。
つづく

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ポーランドで運転免許をとる ②

2007年01月30日 | こぼれ話
私がポーランドで自動車教習所に通う際に、メリットとして考えていたのは以下の点です。(ただし世の中うまい話ばかりではなく、実際には裏話がありました。それについては後述します。)

 ・料金が安い 約1200zl=約5万円→実際にはもっとかかりました(後述)
 ・EUの全加盟で有効
 ・マニュアル車免許
 ・有効期限がない(一度とったら書き換えなし)
 ・日本の免許に書き換え可能(運転免許試験の相互免除に関する二国間取極、2004年発効)

もちろん事前に以下のようなデメリットも承知していました。

 ・免許取得までにものすごく時間がかかるらしい
 ・免許取得後、3ヶ月以上たたないと、日本の免許に書き換えることはできない

   

当初はただひたすら安上がりだからという理由ではじめた自動車教習所通いだったのですが、実際に通いはじめてから、加えていろいろとメリットがあることに気づきました。一番びっくりしたのは、生涯有効な免許をもらえるという点です。ポーランドでは、眼科医の診断期間によって、免許の有効期限がきまります。なので眼科医が生涯有効の診断をしてくれば、免許は生涯有効、書き換えなし!なんともびっくりですが、私も幸い生涯有効の免許を手にいれることができました。

またやはりポーランドでも他の欧州の国同様、マニュアル車免許の交付です。これもなんとなくお得な気がしました。(なんでもポーランド在住の某車メーカーさんのお話ですと「マニュアルのほうがオートマより燃費が良い」「オートマは高齢者が乗るもの」という考えがあるらしく、オートマ車は500台に一台くらいしかありません。)

さてさて異国ポーランドでの自動車教習所通いは、最初は恐ろしいくらいすべてがスムーズに進みました。学科の授業は、TESCO(テスコ)という郊外の大型スーパーの近くの中学校の校舎を借りての授業で、我が家からはだいぶ遠かったのですが、なにせ教官の自宅が我が家の近所ということで、毎回車で送り迎えしてもらえました。また5月後半からは路上教習も始まったのですが、これも自宅前スタート、自宅前終了となんともお手軽。「教習所通いってこんなに楽なのか!」とすっかり有頂天になってしまったのでした。

しかし後々になって、これがとんでもないハマリであることが判明したのです。デメリットもあるのは百も承知の上で始めたとはいえ...
つづく


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ポーランドで運転免許をとる ③

2007年01月30日 | こぼれ話

ポーランドでは、学科と技能の両方に国家試験があります。自動車教習学校の卒業試験を受けてから、さらに学科と技能の国家試験を受けるのです。学科試験は22zl(1000円弱)、実技は112zl(約4500円)とポーランドの所得水準と比較すると結構高く、しかも一回落ちると一・二ヶ月待たされるので、できるかぎり落ちないようにしなければいけません。ちなみに日本の制度と違い、一発合格というシステムはなく、運転免許交付には、自動車教習所の卒業が必須となっています。

まず学科試験ですが、あらかじめわたされた486題のうちから18問出題され、16問以上正解で合格となります。この学科試験の問題はCDなどで市販されているので、家で自由に練習できます。ただ問題18問といっても、問題一題につき各3つ選択肢が提示され、それぞれについて○×判定(マークする・しない)ですので、A、B、C、A・B、A・C、B・C、A・B・Cという7通りの正解が存在することになり、まぐれではまず当たりません。ですので、実質18x3=54題の○×、うち52問正答で合格、ということになります。

  

さてこの学科試験ですが、それなりに難しかったように思います。もちろん外国人である私にとって、すべてポーランド語での授業、試験だったわけですから、難しかったのは当然としても、ポーランド人にもそれなりに難しいらしく、結構落ちる人は居るみたいです。というわけで、念には念をいれて準備していった結果、学科はなんとか一回で合格することができました。学科試験に受かったら、次は技能試験に合格すれば、晴れて免許取得です。
つづく


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ポーランドで運転免許をとる ④

2007年01月30日 | こぼれ話

ところで「ポーランドでの運転免許取得はハマリ」と書きましたが、なにがハマリかというと、受からないんです、この技能の国家試験に!何ヶ月たっても!まず3回は落とされます。周りの経験談を聞いても、8回目で受かった人、10回目で受かった人、12回受けてあきらめた人までいて、とんでもないハマリらしいのです!一般に日本では「外国では日本より運転免許が取りやすい」というイメージがありますし、私もそう信じていたのですが、日本より難しい国もあることが判明。その典型がポーランドでした。

しかも一回落ちると、次の試験まで二ヶ月待ちで、その間公道での練習は一切できません。(日本の仮免のような制度はありません。)しかし初心者ですから、二ヶ月もたてば、習ったことをだいぶ忘れてしまいます。それでしかたなく、自動車学校を卒業した後、試験にそなえて、さらに運転技能の個人レッスンを受けざるをえなくなります。私も当初1200zl(約5万円)で済むと思ったら、この個人レッスン代がかさみ、結局トータルで約2500zlくらい(=約10万円)かかってしまいました。それでも日本で免許をとるのに比べたら、やはり格安なのでしょうが。しかしなんとも無駄が多いシステムです。(一方自動車教習学校の方は、プライベートレッスン代が入って大盛況。巷に自動車教習学校があふれているのにも納得です。)

   

元々ポーランドの運転免許試験は、おそろしく簡単でした。しかしやはり交通事故が多かったため、2000年度に試験制度が変更になり、今度は一気に難しくなってしまいました。まず所内での駐車などの基礎技能を確認の後、路上に出るのですが、受験者の70%が所内で落とされるという究極の難しさでした。それで2006年度にもう一度試験制度が改定されて、今度は所内が比較的易しく(図の枠内前進後退とハンドブレーキを使った坂道発進のみ)、かわりに路上が厳しくなったのですが、それでも所内で落とされる人が少なくありません。図をみるとあまり難しくないようにも見えるかもしれませんが、試験の審査がこと細かいのと、一度落ちると次に二ヶ月待たなければならないというプレッシャーから、脱落者が結構でてしまうのです。

あまりにも難しくて何回受けても受からず、ということで、皆どうしていたかというと、試験官に賄賂(ワイロ)を渡して、合格にしてもらっていたのだそうです。このワイロの相場は約1500zlとのことで、自動車教習学校が1200zlですから、かなりの高額です。(というか最初からこのワイロを受け取るために、試験の難易度が恐ろしく難しく設定されていたといえます。)しかしこれも昨年春までのことで、あまりのワイロ横行に困った当局は、昨年の4月から、試験用自動車に4台の監視カメラを設置し、徹底したワイロ防止策にでました。これで困ったのが、実は試験官です。いままでワイロが重要な副収入であったのを、いきなりワイロ禁止にされては、収入が減ってあがったり.. というわけで、受験生にとっても、依然として何度受けても受からない、泥沼地獄の試験になってしまいました。(落とせば落とすだけ受験料収入が増えるため。)

   

しかしそもそも、運転免許とは生活に必要なものであり、そのための試験も、落とすための試験ではなく、受からせるための試験ではなくてはいけないのに、へんな試験制度のせいで、運転免許をあきらめなきゃいけない人もでてくるなんて、なんか趣旨が本来の所からずれた所へ行ってしまっているとは思いませんか!?

結局私は、昨年5月から今年の1月末までと、免許取得に9ヶ月かかりました。これでも学科試験1回、技能試験3回で合格と、他に比べてだいぶ早い方だったと思います。何度かもうやめようかとも思いましたが、一度始めたものを途中で投げ出したくなかったので、なんとか最後までがんばりました。結局日本より安上がりに運転免許が取得できたので、結果オーライですが、この9ヶ月の間かなり神経をすり減らしましたので、人にはあまりお薦めしません。お金はかかっても、まじめに練習していればちゃんと免許がとれる日本のシステムの方が、はるかに健全だと思います。 終わり


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