ポーランドからの報告

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映画 『シンドラーのリスト』 の舞台を訪ねる ②

2006年09月08日 | 観光ガイド

第二次世界大戦のポーランドでは、ワルシャワ・ゲットー(1940年)、クラクフ・ゲットー(1941年)をはじめ、ウッジ、ルブリンなどポーランド国内の主要な街のほとんどにゲットーが設置され、ユダヤ人はゲットーへの強制移住を命じられました。クラクフには1939年11月の時点で人口の1/4を占める約6万人のユダヤ人が住んでいましたが、ほとんどが、クラクフ・ゲットーからベウジェツ、アウシュビッツなどの絶滅収容所へ送られ、尊い命を奪われました。

クラクフ・ポドグジェ地区のルヴォフスカ通りは、このゲットーの壁の一部が再現されています。実際に訪れてみると、とても高く、圧倒されます。この高い壁に阻まれて、ゲットーからの脱出は殆ど不可能だったことがわかります。



クラクフのゲットーは、歴史的なユダヤ人地区であったカジミエジュ地区ではなく、ヴィスワ川の対岸のポドグジェ地区(Pod Górze)に設けられました。「カジミエジュ地区にゲットーが設置された」と書いてるガイドブックがありますが、これは誤りで、実際はポドグジェ地区です(下の地図を参照)。スピルバーグ監督の映画「シンドラーのリスト」の撮影では、カジミエジュ地区にゲットーのセットを組んで撮影していたので、それと混同したものと思われます。



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