ポーランドからの報告

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クラクフで ダ・ヴィンチ を見る

2006年09月01日 | 観光ガイド

世界中で話題騒然となっている、ダン・ブラウン作 『ダ・ヴィンチ・コード』。映画も公開され、その影響で日本を含め世界中でレオナルド・ダ・ヴィンチ人気が高まっています。ダ・ヴィンチの絵画を見に、ヨーロッパ旅行でミラノやパリへ立ち寄る方も増えており、各地のダ・ヴィンチの絵画を有する美術館は大混雑のようです。私も先月イタリア旅行に行ったものの、ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にある「最後の晩餐」は完全事前予約制で見られずじまい、フィレンツェのウッフィツィイ美術館も長蛇の列で、予約券を買うのにも一苦労でした。

そんな中、意外と知られていないのですが、ローマ、フィレンツェ、ロンドン、パリなど絵画美術で知られる街と並んで、ここクラクフでもダ・ヴィンチの作品を鑑賞することができます。チャルトリスキ美術館所蔵の 『白テンを抱く貴婦人』 という油彩画で、ダ・ヴィンチのミラノ滞在時の作品とされ、「モナ・リザ」、「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像」とあわせダ・ヴィンチが描いた三つの女性肖像画のひとつです。モデルとなっているのは、ミラノ公の愛人で「花のように美しい」といわれた当時16歳のチェチリア・ガッレラーニといわれ、「ダ・ヴィンチの描いた最も美しい肖像画」とも賞する人もいるほどです。またダ・ヴィンチの絵画は未完のものも多い中で、数少ない完成作品といわれています。



この油彩画を所蔵している チャルトリスキ美術館 は、チャルトリスキ家のイザベラ・チャルトリスカ公爵夫人が1801年に開館したポーランド最古の美術館です。2001年には京都市美術館、2002年には横浜市美術館でチャルトリスキ・コレクション展が開催されていますので、そのときに鑑賞された方も多いかと思います。イザベラ夫人の個人コレクションが元となっているため、所蔵品の種類・年代など実に多岐にわたり、カテーナ、ルーベンスなどの作品がある一方で、ミイラなどもある変わった美術館です。

クラクフへいらしたら、ぜひともこのチャルトリスキ美術館を訪れてみてください!ダ・ヴィンチがブームの今、せっかくクラクフに来て『白テンを抱く貴婦人』を見ないで帰るのではもったいないです。しかもミラノやパリに比べまだ知名度が低いせいか、入場待ちの列もなく、『白テンを抱く貴婦人』のコーナーも混んでいません。並ばずにダ・ヴィンチの絵画を見たい人にお勧めの、穴場的スポットといえます。

チャルトリスキ美術館の場所は旧市街、フロリアンスカ門のすぐそばで、中央広場からは聖ヤン通りをまっすぐ進み、突き当たり右側の黄色い建物の一階入り口を入ったところです。美術館は三部構成になっており、時間のない人はダ・ヴィンチの絵だけ鑑賞することも可能です。


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